たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

三陸の五葉山は吹雪いていた

2010年04月21日 | 東北の山
◎2010年4月18日(日)

 月火で盛岡の出張が入った。せっかくだから土日をくっつけて活用させていただく。日曜日の18時までに盛岡の宿に入っていればいい。山の候補は6つの中から3つに絞った。石上山、六角牛山そして五葉山。うまくいけば、2日で全部回れるかもなんて淡い期待は土曜日の悪天候で見事に裏切られた。新幹線は福島県に入った途端に吹雪。一ノ関に着いた時にはみぞれになっていた。レンタカーはハイブリッド車のインサイトを予約。ハイブリッドの車は乗ったこともない。どの程度の燃費を出すものか試乗してみるいい機会だ。さて、このみぞれ空、家を朝早く出て来たはいいが、結局は平泉、遠野物語と三陸海岸のドライブになってしまった。そして、3つの山の登山口の下見。下見をしても仕方がないのだが、時間が有り余ってしまった。宿は大船渡のビジネスを予約していた。当初から、日曜日は五葉山のつもりではいたためだが、下見のおかげで迷いが生じた。最終的に予定どおりに五葉山とする。

 3つの山とも、今回の計画で初めて知った山。以前、木が漠然と「岩手だったか宮城に三陸海岸を見下ろせる山があるそうだな」と言ってはいたが、何という山なのかは知らないようだった。その山を特定しようと調べたところ、五葉山のことを指しているんじゃないのかという結論に。六角牛山と石上山は早池峰山とともに遠野三山。早池峰は行ったこともある。だったら、この際、他の2つとも行っちゃおうかといった付録のようなものだったが、下見までしまったのだから、次回に回すとする。

(登山口)


 当日。ホテルからほぼ40分で赤坂峠。釜石に抜ける林道にはうっすらと雪。先行車はいない。昨日の下見では路上に雪はなかった。夜に降ったようだ。峠の駐車場にはジムニー。反対側の釜石方面から上がって来たようだ。オジサンが出発するところ。このオジサンがなかなかの話し好き。何度も五葉山に登っているらしく、「この山は初めてですよ」と言ったら、コースの概要説明をしてくれた。最初はなだらかで、4合目から急登になるらしい。なぜか仙台ナンバーのレンタカーを見て、「仙台から来たの?」と聞くから、適当に「関東から」とアバウトに返答しておいた。

(山頂は見えない)


 オジサンが行ってから準備。ダンボールでレンタカー屋に送りつけていたから、着替えも含めて手間取る。登山口は真っ白。鳥居がある。薄日が差し始めたがすぐに曇った。今日の天気は期待していない。釜石の方から車が上がって来た。挨拶をして歩き出す。7時30分。先行のオジサンが付けてくれたトレースがあるから助かる。道型からして、夏道は整備されているようだ。傾斜はゆるい。すぐに1合目。2合目でオジサンに追いつく。またレクチャーを受けた。また4合目の話。こうなったら、4合目の伝説だね。

(賽の河原)

(畳石)


 今度は自分でトレースを作っていかないといけなくなった。道型と豊富な赤テープを頼りに進む。直線と思ったが、意外にカーブが連続している。新雪は今のところ5cm程度だろうか。下は凍って締まっている。7時50分、賽の河原。この名称が付く所の風景はどこも似たり寄ったりだ。畳石8時。歌碑がある。そして鳥居。景色はますます白くなっていく。ここから傾斜もややきつくなり、しばらく進むと表示板は5合目となった。いつの間にか、魔の4合目は過ぎていた。良かった。

(ひっそりと佇む社)

(鳥居)

(しゃくなげ荘)

(日枝神社)


 滑るようになり、たまらずに6合目でアイゼンを付ける。6本爪。尾根通しになる。小さな社と傾いた鳥居。鳥居は雪に埋もれている。なかなかいい雰囲気だ。こういう風情が好きなんだよな。山頂に神社があるから、信仰の山ということか。8合目、8時40分。ここから緩やかになり、木も疎らになる。代わって、シャクナゲの群生が出始めた。9合目を過ぎて、しゃくなげ荘。8時55分。ここからはもう平地。風が強くなり、吹雪になっている。早々に退散かな。ロープを張った間を進んで行くと、日枝神社に着いた。9時。吹雪の日は、もしこの神社と鳥居がなかったら、目印を失って迷うだろう。

(神社の本殿)


 ここで異変。雪で冷えたためか、昨夜のにごり酒の飲みすぎか。緊急事態になってしまった。さっきまでは、それなりに気化させて対応していたが、これも効かなくなってしまった。羊蹄山のパターンを再現している。山頂がすぐそこだからと我慢する。9時7分、山頂。何も見えない。三陸海岸も見えない。この先にある日の出岩からの眺めがいいらしいが、こんなんじゃ、足を向けても意味がない。腹具合も収まらないし、そそくさと退散。一路、小屋に。鳥居の前でオジサンに出会う。4合目のオジサンではなく、出る時に駐車場に入って来た3番手の方。1番手は途中でまた抜かれたか。「オタク、随分早いですね」と言われたが、返答しようがない。いつもの歩き方だ。それよりも、腹のことが気になり、長話をする気になれない。背中に冷や汗が流れている。ここはきっと広いシャクナゲ平なのだろう。想像するしかない。大振りのシャクナゲに身を隠すことも考えたが、何とか、小屋のトイレまで持ってくれた。しかし、こんな時は冷静になれないもので、アイゼンを外す際にひっかかって転んでしまった。

 すっきりと収まり、気分新たに山頂行き直しも考えたが、やめた。自分とオジサンが付けたトレースを追って下る。5合目から、上りの人と出会うようになる。下に着くまでの間に単独6人、ファミリー4人と会う。それにしても残雪期だからか単独が多い。ファミリーはパパに子供3人の構成。子供たちが礼儀正しくてびっくりした。さて、このファミリーは今回の五葉山歩きをブログにしていた。トレースはすっかり踏まれて雪の道になっていた。

(駐車場の雪は融けていた)


 雪はやんだものの、相変わらずの曇り空。かすかに陽が差してはすぐに隠れる。10時20分、駐車場。往復3時間もかからなかった。1番手のオジサンのジムニーはなかった。4合目で撤退したのかも。

(五葉温泉から五葉山方面)


 五葉温泉「しゃくなげの湯っこ」に寄る。600円は高いような。温泉という感じのしない湯。風呂から出るとあられと雨が降ってきた。何となく物足りなく、氷上山に立ち寄る。登っている時間はなく、登山口まで行って、広田湾を眺めただけ。また、室根山は車で山頂まで行けるようなので、行きかけたが、雨がまた降り出してしまった。もう一ノ関まで戻るしかないか。しかし、さほどの時間的な余裕はなく、予約時間の3時ぎりぎりに到着。後半が慌しかった。

 インサイトの燃費は400km走行で17.5リットル消費だった。山道、砂利道もストレスもなく走れ、パワー不足も感じなかった。さて、今週末に今度は長野の出張が入っている。岩手の山めぐりも、気まぐれ天気に翻弄されて満足したものではなかった。長野で解消したいところだが、仕事が土日にもろぶつかるため、活用も出来ない。非常に残念だ。

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4 コメント

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POUさんへ (たそがれオヤジ)
2010-04-22 20:35:53
こちらこそよろしく。
私も出身が東北なものですから、特に秋田や岩手の山には興味があるのですよ。
今後とも、山行情報をどんどんアップしてください。期待しております。
とりあえず雪解けの真昼岳をお願いします。
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Unknown (POU)
2010-04-22 18:15:44
はじめまして!五葉山ファミリーのPOUです。ブログへの訪問ありがとうございます。
それにしてもびっくりですね!偶然すれ違った方が、お互いブログで知り合うなんて!
こちらを拝見しながら、駐車場の写真に
「ウチの車がある~♪」
と大喜びの子供達です(笑)

記事、楽しく読ませて頂きました。これからも拝見させて頂きますね。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-04-22 05:38:32
3回に1回とはすごい。こちらはせいぜい6回に1回の割合です。富士山の後始末はどうなったか気になります。
出張登山は大いに利用しています。利用しないと損だといった感じですね。複数の出張でも、現地集合ですから、着替えして何食わぬ顔をしていれば済みますしね。
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Unknown (ぶなじろう)
2010-04-21 22:51:06
出張登山、うらやましいです。
三陸海岸が見えなかったのは残念でした。
おなかの調子が悪かったのも災難でしたね。
おいらは、もともとユル腹で3回に1回くらいの割合でモヨオシています。春の富士山では参りました。隠れるところが無かったので。

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