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。。。まぁるい日々。。。

なんか、ええことありそぉやなぁ~♪

野仏庵~もみじ狩りその3♪

2013-12-01 | 京都を行く

詩仙堂のほど近くに、寂びかえった野仏庵がある。

ここは、訪れる人も少ない。
詩仙道から圓光寺を経て曼殊院へのルートが一般的だろう。

茶席も有する主家で、抹茶をいただいた。

敷地内には、名前の通り石仏があちらこちらに、また茶室も散在する。
簡素な佇まいに、紅葉がとても静やか。



回遊路から、隣り合わせの圓光寺を見下ろす。
参拝者の話し声が、竹やぶを透かしてのぼりくる。

侘びの趣きただよう寺にて。 

 

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圓光寺~もみじ狩りその2♪

2013-11-30 | 京都を行く

五年前は初夏ゆえの幸いか、境内一円が我が物だった。
しかし、紅葉時はそうもいくまい。
数珠つながりの観光客が、ぞろぞろと圓光寺の正門をくぐる。
まるで、働きアリが巣に帰る列のように。

十牛之庭の手前で唖然とする。
私の記憶が正しければ、そこは和風の庭だったと思う。
いつの間にか、近代アートに変貌を遂げていた。



斬新なオブジェ・・・?・・・。
いや、石を配するからには石庭だよね。

新古のギャップが狙いだろうか。
今は、もみじ色の庭園風情がより際立つから。



水琴窟の澄んだ音色に迎えられる。



散った紅葉が杉苔を覆う。
暖かそうな錦の絨毯。

本堂の縁側に隙間なく腰掛け、庭と向き合う人々。
その視線が、我が身にも絡まって窮屈になる。
えらい所へ来てしまった。
この現実がCGならば、ちょちょっと操作して人物を消し去りたいところだが。。。

人につかえて、歩くにも骨が折れる。
裏山への階段をのぼってみよう。

杉木立の際までいくと、眺望が開けた。
寺の全容の先には、京都市街が横たわる。

ふと見あげて安堵する。
消え入りそうな優しさがステキ。

 

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真如堂~もみじ狩りその1♪

2013-11-29 | 京都を行く

真如堂での大いなる感動を記したのは、二年前のこと。
今年は、残念ながらその域には達しなかった。
赤や朱に、いまひとつ鮮やかさがたりない。
まだ発色途上?
枯れかけた葉先も目立つけど。

今夏の極暑で、もみじまでもが夏バテらしい。
もの言えず、動けぬゆえに酷なことだ。

肉眼で見るよりも、写真のほうがいい色合いを醸しだしている。
曇天のせいもあるのかしら。



前回と同じアングルで捉えた塔も、ずいぶんと寂しい。
見比べてみて、愕然とした。

 

しかし、さすがはもみじ処。
観光客が引きも切らず訪れる。

 

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ごゆっくり~の葡萄狩り♪

2013-09-23 | 京都を行く

隣町にある葡萄園。
そこは、界隈で唯一葡萄狩りができることでも知られている。

自宅から車を走らせることしばらく。
10時の開園を少し回った頃、そこの駐車場にすべりこむ。
すでに何台かが止まっていた。

園内に入ると、樹齢500年の柿の木が目を惹く。
昔、子供番組でちゃんとセリフがある「カシの木おじさん」てキャラクターがいた。
長老柿も、太い幹が祠のように口をあけ、今にも喋り出しそうだ。
柿の木おじさんは、「小山葡萄園」のプレートとともに、来園者を歓迎するのが仕事なんだね。
その先には、大きな葡萄棚が広がっている。

濃く色づいたものが完熟で美味しい。
紙袋の底を開いて、熟れ具合を確認するように。
などの説明を聞きつつ、ハサミと蚊取り線香をセットにしたカゴを受け取る。
蚊取り線香まで用意されている、そんな心遣いが嬉しいね。

葡萄棚の中央あたりに、拝借したゴザを広げた。
葉の重なりが、ほどよい陰をつくり心地よい。



さぁ~て、美味しいのを見つけよう!
一つずつ、おもむろに袋の中をのぞいてゆく。

下草は綺麗に取り除かれていた。
上を見上げながらでも、草に足をとられることなく安心移動できる。

見つけたよ~まさに完熟。
取りたては実がプルプル、甘くてジューシー。
現地でのみ味わえる、美味さと感動。
〇〇狩りの醍醐味だ。

1時間ほどで帰る団体に、もう少し愉しまれるといいのに。
長時間滞在の客がいると、愉しんでくれていると嬉しくなる。
そんな思いの園主ならではの、時間制限なし。
そのうえ大人1000円なのだから、客だってめちゃ嬉しい。

持込で口直ししたり、ゴロリと横になる人もいたり。
みな腰を据えて、ゆったり和やかな空気に満ちている。

我が家も、座布団を持参したくちだが。
美味なる誘惑が、食する速度に拍車をかける。
1時間ばかりで、もう満腹のギブアップ。

もう少しゆっくりと愉しめばいいのに・・・の部類に入ってしまったようだ。

 

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知らぬもお得~正法寺♪

2013-05-30 | 京都を行く

梅雨の入りから幾ばくかを数えた日。
鬱陶しさをみじんも感じさせない小雨が断続的に地面をぬらしていた。

偶然に入り込んだ道ぶちで見つけた用水池の看板地図。
その片隅に書かれた「正法寺」の小さな文字を見逃さなかった。

どうやら、近くのようだ。
・・・えっ?!・・・もしかして、ここ?
気付くのに時間はかからなかった。

ちょっと立ち寄ってみるか。
大したことはないだろうと高をくくっていた。

ところがどっこい、竹林の里でかぐや姫に出会ったような驚喜。

東山連邦を借景に、動物を想像させる自然石が白砂に遊ぶ庭。



手前の池に流れ落ちる滝の水音が涼をさそう。

参拝者達が綴ったノートをくると、コバルト色の千原池に魅了されたとある。
だが、高速道路建設の影響で濁った水面からは、優美さを想像できなかった。

高速道路なんかいらない!との言葉もあり、賛成~!
ものごと全てが急ぎすぎだよね。
ゆっくり、のんびりの中でしか見えないものも沢山あるのに。


ほかに人気のない古刹で、自由気ままに心楽しむ。
意図せぬ出あいゆえに得たものは、より多大なり。

  コバルト色が            
  よみがえる日を祈りつつ

 

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鴨川あたりで癒されて・・・♪

2013-02-24 | 京都を行く

何の因果か、病に好かれる。
私の身体は、病魔にとって居心地がいいらしい。
それも原因不明のやっかい病ときている。
名前だけは立派だが、素性を明かさない。
どいつもこいつも卑怯者だ。

ちょうど一年前の不明熱と同じく、突如あらわれた奇怪現象。

ある冷え込んだ朝。
なんだか変・・・いつもとは違う・・・両手指先のしびれ。
十五分くらいで治まり、あまり気に留めなかったが。。。

数日後から、冷気に反応して左手中指先がしびれを伴い蒼白になりだした。
それが、事の始まり。

その日は、膠原病科の再診。
血液検査の結果は、全く異常なし。
しかし、自己撮影の画像からレイノー症との診断。
血液検査で顕著に表れないこともあるらしい。

内服薬と塗布剤は、処方どおりに従えば簡単なこと。
冷たいことを避けるのが最大予防といわれても、これは非常に難しい。
それ以外に、色々と深刻な話にも及んだ。

もともと冷え性で、冬場は手足指が極端に冷たくなる。
もう慣れっこだが、ちょっとやそっとでは温まらないからなぁ。
ずっと温水に浸けてるわけにもいかないし。
手袋をはめたままも支障があるし。

などと考えたって、どうにもならないさ。
その都度、道は開けるはず。

それよりも今は、せっかくだから鴨川の河川敷を歩こうではないか。
風はあるが、しなやかな日差しが気持ちいい。
散歩や日向ぼっこ、様々な自由人でいっぱいの遊歩道。

しばらく行くと。。。
犬の散歩かな・・・?・・・ちと違うような・・・。
近づくと・・・犬とは似ても似つかない、初めての君はだぁれ?
ミニブタと飼い主から教わった。

のんびりマイペースな身のこなしが、笑みをさそう癒し系。
イノシシみたいな毛並みで、小さいながらも貫禄がある。
爪を切るのが嫌いなんだって。
だから爪を磨り減らすための散歩らしい。
立ち止まって言葉を交わすご主人様を横目に、わが道をゆくブタ君。
いつものコースをトコトコと。

あまりの可愛らしさに見とれてしまい、写真を撮り忘れちゃったよ。

それから、またしばらく行くと。。。
ハトや鴨、ユリカモメなどが一人の女性のもとに群がっている。
彼女は、千切ったパンを鳥たちに与えていた。
食パンを一枚だけ持ってくるそうだ。
放りあげたパンの欠片を、うまく空中キャッチするユリカモメ。
彼らは夕方に琵琶湖へ帰ると、鳥をあやつる彼女が言った。



小一時間かけて、七条まで歩いた。
うっとうしい病気のことは、すっかり消え去ったひと時。

この冬を乗り切れば、多少なりとも道が開けるかもしれない。







生き物ふれあいデー~勧修寺・光明院♪

2012-09-28 | 京都を行く

朝晩は秋の気配が深まったとはいえ、日中はまだまだ夏もどきが元気を振りまいている。
この調子だと、夏が終われば冬?
それじゃ、春夏終冬ではないか。
秋をこよなく愛する私にとって、四季が秋滅亡の死季になっちゃ堪らない。

大阪の小学校で児童が熱中症に・・・とテレビで報道されていた。
今頃?
日傘が作る陰の中でさえ、暑く感じる日だった。
気温31度ともなれば当然のことかも。

勧修寺の氷室池にも、ハスの葉が濃い影を作りだしていた。

そうとうな数のカルガモがいて、臆することなく水際まで寄ってくる。



カモに付いて池のふちを行ったり来たり、ひとしきり彼らに癒された。

午後からは、しばらくぶりの光明院へ心の里帰り。
慣れた足取りで、居場所をさぐる。

風が、いぐさの若い香りを巻き上げた。
新しい畳に腰を下ろす。



移動した縁側で、頭上からカマキリがふってきた。
枯れ葉色で、秋の装いだ。

近づくと、逆三角形の頭部だけを動かし、私を捉えたようだ。
しかし、威嚇するどころか微動だにしない。
カマを振りかざす気力さえなさそうだ。

後ろ足を器用にカマで挟み込み、足先の手入れを終えると。。。
見守る私が投げ出した爪先に向かって直進。
そろりと、ジーンズの膝までのぼり来た。
横に置いたリュックサック経由で障子に移り、慎重に上を目指す。

カラスの鳴き声に反応して急加速!
どこにそれほどの力が潜んでいたのかと驚く。
危険地帯の縁側から、護身のためのロッククライミングだったのかな。

石が動物の姿で迫ってきたり、仏様が浮き上がって見えたりする。
いつもにない感覚。
心が上辺だけで遊んでしまったようだ。

「生き物ふれあいデー」とでも名づけようか。

とかく寺は蚊が多い。
二か所で、蚊の集団攻撃に合い、何か所からも血を奪い取られてしまった。
同じ生き物でも、遠慮願いたいふれあいもある。
あ~痒い、かゆい~!!


ガラスの世界~四季の花~♪

2011-12-19 | 京都を行く


 ガラス工芸家、ガレとドーム兄弟の展覧会に足を運んだ。 

1900年前後の彼らが語りかける。
ガラスに対する、冷・寒・硬のイメージは一新した。
形や色が独創的で目を瞠るばかり。

一の空間にありながら、濃淡、硬軟、寒暖、明暗など両極のツヤを放つ作品群。
中には、陶器の風合いを醸し出すものもある。
いくつもの技法を駆使して、ガラスをカンバスに四季の自然がえがかれている。
厚みのある光沢に、ガラスを温かいと感じた。

ガラスの世界には、『光の国』があるにちがいない。
そこには、取り込んだ光を選り分けて、蓄える貯蔵庫がいくつもある。
むかし昔の年代物もあれば、ついさっきのキラッと淡いものまで。
この瞬間の光もまた、過去に蓄積される。
受贈の光は、やがて熟成し放たれるときを待つ。

人も同じ。
たどった歳月の中で、すれちがう人、出会う人。
幾多の喜怒哀楽を味わい、食む。
心に宿った煌めき。
それらが、己の器で熟れてゆく。
どの光を、どう輝かせるかは自分しだいだ。

                     ほぼ一世紀の時をへて、 
                     放たれた光が
                     私を横切った。


くれない燃ゆる真如堂♪

2011-12-03 | 京都を行く

真如堂の境内は、燃え盛る紅葉につつまれていた。


やや小ぶりのもみじ葉でこしらえた、しなやかな赤い傘を幾重にも差しかけてくれる。


仰げば、もみじの透かしもようが連接する。
枯れるまぎわの、熟成した紅が艶っぽい。

結構な人出だったが、その気配はまったく気にならない。

超人気スポットは。。。
入口から順路が決められていて、はみ出すのは御法度。
多勢のかたまり移動にして、後戻りさえままならない。
そのあげく、強制的に出口から押し出される。
有名所の宿命とはいえ、その波にのる価値が見いだせないでいる。

真如堂は、開放的なのがいい。
勝手気ままに、縛られないのがいい。
ぼんやりと佇めるのがいい。
赤・朱・紅の三位一体を堪能した。

              ここなら、時間からはぐれてもいいとさえ思ってしまう。 
              今秋、見納めの紅葉にしよう。



光明院に赤差せば・・・♪

2011-12-01 | 京都を行く

反復来訪すること3年半にして、初パンフレットを手にした。
受付窓口が開いていることでさえ、目新しい。
無人の入口を入り、竹筒に硬貨を投入するのが常だったから。

ここに限らず、内容にふれると心の遊び場に垣根ができてしまうから、パンフはとくに必要ない。
参拝時間が日没まで、とあるのが目をひいた。
そういえば・・・いつぞやは、うす暗くなるまで居させてもらった。
時計管理ではなく、自然まかせだとわかりますます惚れこむ。

お茶席も初めて。
いつも、参拝料以上のはかり知れない物をいただいて帰る。
ちょっとは、貢献できるかな。
そのお返しの意もこめて、一服いただいた。

特別開放された部屋から、違う角度の庭を見わたす。

    

    

「以前は穴場だったんですよ。」
観光タクシーの運転手が、客に話している。
情報網の発達がもたらした結果だろう。
あまたの人が庭を取り囲み、密に腰をおろしている。
色んな方言が入り混じる。
来たい時に来れる、恵まれた環境に感謝しなくてはならない。

なんだか、ずっと違和感が続いていた。

全てがあるべき場所に位置しているが、何かがちがう。
かえでの赤が差し、優雅ではある。
しかし、その赤に圧され、つつじの植え込みが迫りくる。
奥ゆきを欠いてしまった庭に臨み、縮こまった心は開けっ放しにならない。

誰もがこぞって見たがるこの風景をまえに、気持ちは冷ややかだ。
それは、光明院との出会いに起因するものなのかもしれない。

人っ子一人いない、黒と白と緑がおりなす閑雅な空間。
強烈な印象が、私のなかに居すわってしまった。
と同時に、心の居場所までみつけてしまったのだから。

またシーズンオフに、穴場ねらいの醍醐味を味わえばいいさ。


赤く染まる「水景園」♪

2011-11-22 | 京都を行く

    紅葉狩りの適時となった。

だが、京都あたりの有名所にでかける気などさらさらない。
紅葉ならず、人に酔うのはごめんだ。

そこで、けいはんな記念公園内の「水景園」へとむかった。
数年前にみた、みごとな深紅のかえでが忘れられなくて。

近くまで来ると、人と車の流れが激増。
いつのまに、名高くなってしまったのだろうか。
それにしても、驚くばかりの人出だ。
と、見なれぬ看板があちこちに。
人混みをさけたはずが、その日は「せいか祭り」とやらでにぎわっていた。

芝生公園一帯は、特産品や飲食物を販売するテントが所狭しと並ぶ。
町を挙げてのイベントらしく、警察や消防も参加していた。

きっと、水景園もごった返しているにちがいない。
少々気落ちしつつ入口まで進むと、「今日は、入園料は無料です!」の案内が耳にとびこんできた。
まあ、なんていい日にきたんでしょ(笑)。
落ちた気分が、途端に急上。

もみじ谷をゆっくりと歩む。
昼夜の寒暖差と日照時間、それに適度の湿気がキレイな赤色の条件だと聞いた。
ここは、その環境にピタッとあてはまるのだろうか。
赤く染め抜かれたもみじが、くっきりと浮かび上がる。

空をおおい始めた怪しい雲が、水滴を落としはじめた。
カサを持たなかったことを悔やみ、半ばごろから早足になりつつも、ここかしこで目を奪われ立ちどまる。

厚い雲は、上空にそのまま居すわりそうで、止む気配はない。
もっとゆっくりしたい思いを引きずって、園をあとにした。

私の一押しスポットは、健在なり。

    


源光庵の雨♪

2011-10-06 | 京都を行く

またしても、雨の寺拝観となった。
昼から降りだす予報は見事に外れて、朝から雨。
晴れ女も、体力の衰えと比例して威力減退かなと肩をおとす。

そぼ降る雨にしっぽりと包まれ、源光庵の静けさに分け入る。

 

ちょっと風変わりな山門に、ススキがお似合いだ。

どこからか、お香の芳しい香りが・・・白檀かなと思いつつ・・・。

上ってすぐ右の間に、なんとも素敵なはからいが。

          

その香りは、微笑みをさそうオトボケ顔の香炉から漂っていた。
妙な実をつけた高野白玉(スイカズラ科)と、アケビが秋を語る。

 

壁の写真に見る限りでは、丸窓にはまる四季折々の情趣はとても見ごたえがある。
紅葉の時季ともなれば、この静寂は望めまい。
雨に光る緑の、質素さゆえのよさを味わう。

本堂が開放的で、おもしろい構図で見通せるポジションもある。

JRのCM「そうだ。京都 行こう。」に使われた時の記念写真だろうか。
ほかの写真に紛れて、谷村新司と、そのサインの納まった額をみつけた。
ガクッとつまづいた気分になる。

秋雨が、街の喧騒を拭いさったかのように、しめやかな時がながれる。 
冷たく降りつづくなか、濡れそぼつ鷹峯をあとにした。


里山に潜る~「魔法のはさみ」今森光彦の切り紙美術館♪

2011-09-01 | 京都を行く


 

「魔法のはさみ」-今森光彦の切り紙美術館- と題し、作品展が開催されている。
明日が訪館日となった前夜、同行予定の彼女からドタキャンの電話がはいった。
それは、互いに許し許される仲なので、なんら驚くには至らないのだが。
1人はつまんないかな・・・でも、でも・・・。
魔法のはさみとは、いったいどんな魔法がかかっているのだろう。
未知の私としては、とても気になるところだ。
「見たい!」がどんどん増殖し、抑えきれずに単独鑑賞を決行した。

里山に親しむ自然写真家ならではの、彼の観察力はとても鋭い。
気が遠くなるほどの精微さに愕然とした。

  花に舞うあざやかな蝶

           それに見とれる水色メガネのトンボ

  木の実をついばみ そして 羽ばたく  

                 せっせと働くハチ

                        力比べのカブトムシ

山道を踏みしめながら、森林浴をする心地。
動植物が息づいている。
シダに至っては、まるで押し葉そのもの。
鳥の目が語りかける。
まっすぐに見つめる、美しく生き生きとした目だ。

切り紙といえば、障子のやぶれをふさぐ紙片の模様切りくらいしかない。
ずばり、はさみの魔法にかけられたのは私自身。

木漏れ日がふりそそぎ、あおい風がぬける。
さえずりや、葉擦れの音さえ耳をかすめる。
律動的な息吹をかかえる、1つの大きな山がそこにあった。 
  
               そう、まぎれもなく、私は里山に潜ってきた。 

        


透かし千鳥紋の足~京都伝統工芸館♪

2011-07-14 | 京都を行く


またしても、炎天下に京都を目指す。
京都伝統工芸館のチケットを入手したのがいけなかった。
今度は私が誘うがわに。

常設と伝統工芸大学生の作品が展示されている。
建物に入ると、まず学生作の木製仏像に迎えられた。
そこが、寺のお堂であってもおかしくはないほどの美しい姿だ。

実演コーナーでは、その制作過程を間近で見られる。
木工芸、竹細工と続き、金属工芸では、七宝焼の透きとおる繊細さに興味津々。
質問も交えながら、色々と話を聞いた。
ふと、目に留まった真鍮のしおり。
入館時に、サービス券と交換で、各種多数のオリジナル作品の中から選んだのと同じものだ。

  

それを見せると、彼女たち卒業生が作ったものだとの返事。
糸鋸で形を抜くのだが、千鳥の足は高難度らしい。
「じゃぁ、そっちの方が値打ちがあるんだ。」
と、花形のシンプルなしおりを手にした友達は残念そうだった。
そうとは知らず、デザインのみで決めたけど、お得だったかしら。

4階までをくまなく鑑賞すること約2時間。
その間、私たち以外に誰もいない不思議。
こんな所もあるのだ。
これで成り立つのか・・・との心配は不要だと気づく。
何てったって、運営するのが財団法人。
来館者の有無など、関係ないわけだ。

涼しくランチして、我が家へたどり着いたものの。。。
身体の火照りと疲労をかかえたまま、へたりこむ。
外出は節電協力と言えども、この暑さゆえ、マイ消費パワーもうなぎ上り。
じつに、エネルギーの体内生産が追いつかない。


和・和・「わぁ~~っ!!」~「草乃しずか日本刺繍展」・「栄寿庵」♪

2011-07-12 | 京都を行く


こう暑くては、筆を執る手も鈍るというものだ。
集中力は消え失せ、寸断された思考回路は、再閉路に失敗をくり返している。
この体たらくを何としよう。

猛暑をむかえ、随所で節電の工夫や努力に拍車がかかる。
家を空けることも一役かうならばと、大手を振って出かけることにした。

友達にチケットがあるからと誘われた 「草乃しずか日本刺繍展」 を見るべく、京都駅へと向かった。
私鉄ホーム、待合室の窓は全開だ。
いっそのこと、昼間は不要な電灯も消灯すればいいのに、とイエローカード。

会場には、着物や帯、屏風など 150 点ほどの作品が展示されていた。
なんと繊細な日本美だろう。
刺繍と言えば、クロスステッチの経験しかない私にとって、それはまるで別世界。
高尚かつ精妙な技術に見惚れる。
全国に 260 人のお弟子さんがいらしゃるそうだが、時間と金銭的余裕がたっぷりと必要なんだろうな。
私には手の届かない趣味だと思いつつ、贅沢な目の保養をさせていただいた。

ここでも、またもや節電チェック。
ストレスになるほどの、冷房の効きすぎはいただけない。
客商売ならば、節電云々の前に、客の快適さを考えるのが第一ではないか。
それが、節電にもつながるのだから一石二鳥だ。
早くも二枚目のイエローカード。

  

目で楽しんだ後は、舌で楽しもう。
駅前のヨドバシビル1階 「栄寿庵」 へレッツゴー!
京のおばんざいビュッフェで、とても美味。
3度目の来店だ。
料理は、しっかりなのに優しくて、変化に富んだ味付けで、とても丁寧な仕上がりだ。
充実のデザートコーナーと、フリードリンクつき。
「ホームページを見ました」 の一言で、10 %引きに加え、クマのストラップまでプレゼント。
ポイントカードもあって、これまた嬉しい。
スタッフの方々の対応は、スムーズに穏やかで、とてもスマート。
70分制だが、その日は空席もあり長居させてくださったようだ。
空調がほどよい静穏の時に、暑中であることさえ忘れてしまう。

いざ帰宅・・・「わぁ~~っ!!」 と玄関で後ずさる。 
閉めきった室内は、呼吸もためらうほどに、よどんだ暑気が湧きかえっていた。
窓という窓すべてを開放し、扇風機をブンブンまわして、熱気を外へ追いやった。
そこで、やっと人心地がつく。

この暑さと決別できぬなら、知恵くらべをしつつ、仲良く同居するしかない。