
娘が国語の授業で短歌を習っているので、百人一首を購入しました。

俳聖かるたは実家の母からもらったものです。
芭蕉・去来・蕪村・一茶の句で構成されています。こちらは難易度が高いので、子供と遊ぶのには向いていませんね。私の手にも余ります(苦笑)。

百人一首の解説書として、橋本治の『百人一首がよくわかる』も買いましたよ。
このページは美男子の代表・在原業平。
「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞ですから、確かに「ミラクル」ですね。ミラクルでスーパーナチュラル、思いつきもしませんでしたが(笑)。
橋本治の本は、『窯変 源氏物語』と『桃尻語訳 枕草子』を読んだことがありますが、この『百人一首がよくわかる』は『桃尻語訳 枕草子』に近い文体で、かなり砕けています。テンション高いなぁと半笑いになってしまいますが、解説はわかりやすいです。帯に“中学生から誰でも読める!”とありますが、現代語訳部分だけなら、小学生にも理解できるのではないでしょうか。現代語訳の方も音節を五七五七七に整えてあるのが、楽しいですね。
この方の本、『双調 平家物語』も読んでみよう。
百人一首は、誰でも一首は好きな句が見つかると思います。
私のお気に入りは、悲運の上皇・崇徳院の「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」です。崇徳院その人がたいへん有名ですから、この句も百人一首の中で、五本の指に入る人気の句だと思います。
崇徳院は父親の鳥羽上皇との軋轢に苦しみ、また、政治の舞台でも大きな敗北を味わった人です。心のうちは千々に乱れていたことでしょう。橋本氏は「恋の歌みたいですが、きっと違います」と解説されていますが、私は政治的な野心を歌いつつも、恋の歌としての含みも持たせている歌だと思います。何一つ思い通りにならなかった崇徳院の人生の中で、恋もまた、彼の心を傷つけていたのではないかと。