実は・・・夫はここがキライだと言うのです。治安は悪いし人ごみだらけだし、と。でもそれはもう10年も前の話だとか。わたしは数年前に一度だけ夫に連れて行ってもらったことがあるのですが、全てが高い!の一言で、買えるものなんて無いな~と思った記憶があります。
今回、夫もついて来てくれるとあり、ガードつき(笑)で行くのでちょっと安心。
メトロのクリニャンクール駅で降りて、少し歩いたところに蚤の市があります。
最寄り駅の名前を使って日本人は皆ここを「クリニャンクールの蚤の市」と呼ぶけれど(日本のガイド本にはそう書いてあるけど)、本当はここはパリ郊外のサン・トゥアン市になるので、「サン・トゥアンの蚤の市」というのが正式名称なのです。
メトロの駅を出て郊外方面へと歩いていくと、目につくのは革ジャンやらインド雑貨などの雑多なものを売る屋台ばかり。
これが???
いいえ、違いますよ、これはお目当ての場所ではありません。
さらに進んでいくと、高架下を通ります。そこから奥が、常設蚤の市です。
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サン・トゥアンの蚤の市の雰囲気はこんな感じで、迷路のような細い道が、しかし規則正しく交差しています。そしてその小道の両脇にぎっしりと店があるのです。週末しか開かれない市なのに、店を閉めているところもけっこうありました。(冬で寒いから・・・?)
客足もまばらで、全くスリなどの危険性は感じられず、ちょっと拍子抜けでもあったけれど、じっくり見ることができてよかったです。夫も「随分雰囲気が変わったなぁ」と言っていました。
余談ですが、かの澁澤龍彦氏もここを訪れているようで、「滞欧日記」(川出文庫)のP.236に1977年7月3日、氏がここに来た時の記述が載っています。以下、抜粋。
「三人で蚤の市(サン・トゥアン)へ行く。おそるべき人の波と暑さ。
汗がだらだら出る。正八面体の鉱物を買う。魅力的な人形を
見つけたが、4000フランだと言われてびっくり、一般に値が高く
われわれの手の出ない品物が多い。ろくなものは買えなかった。」
当時から値段は高かったのですね。
あちこちのお店を覗いて歩きます。
天気は良いけれど、気温は低い。立ち止まっていたらぶるぶる震えてきます。
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↑よくわからないものだらけ・・・ 一体誰が買うんだ?
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↑銀食器のお店かな?(見る気にもなれませんでした・・・)
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↑この白いベンチ、かわいい。こんなのを芝生のお庭に置きたいな~。
(その前に、庭付きの家を手に入れなければ・・・・)
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↑ジャラジャラと、装飾品が雑多に詰め込まれています。軒先に出してあった箱なのできっと安いものばかりなのでしょう。
一体誰が買うのかな? 演劇の役者さんが舞台用に買っていってたりして。
ふと気がつけば、や(妻)さんがこんなお店に吸い込まれていってました・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/b4/152f01505cbc1ddbf3dc50d8547aa4f1.jpg)
そこに見えるのは店員のおばさん。怪しい・・・(いや、店の雰囲気がね。このミラーボールみたいなのとか・・・)
や(妻)さんが店先に置いてあったカップ&ソーサーを見ていたら、なにやらフランス語で言われて奥へ連れていかれそうになり、わたしに「このお店に入ってるからねぇ~」と呼びかけたので、あわてて一緒に入ってみたのです。
すると、お店の人が「他にも良いカップがあるわよ」とや(妻)さんに見せていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/ba/4dc111e21d4b2e7763336f983440ae95.jpg)
でも、や(妻)さんは最初に見た↑このカップが気に入った様子。
値段を聞くと、10ユーロだと言う・・・。(1930~40年代くらいのチェコスロバキア製なんだとか。)
実はこの前にすでに10ユーロの買い物をしていた彼女。ちょっと値段に渋っているものの、やっぱり欲しいらしい。
「値段まけてくれなくっても、10ユーロで買う?」と彼女に念押ししてから、ダメモトで交渉してみた。でもやっぱりダメだった・・・。
先ほどの買い物の時もそうだったけど、この蚤の市では誰もまけてはくれない。値段下げなくても必ず売れると高をくくっているのです。まけさせるのは、多分、大量買いでもしない限り無理なんだと思う。
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結局お買い上げ~となったので、店員さんが紙で包んでくれた。その間、わたしたちは店内をじろじろ見て回る。わたしはここぞとばかりにシャッター切りまくる。(笑)というのはね、お店によっては「撮影禁止!」って張り紙がしてあるのです。ここの人たちは、一般的に「観光客の撮影」は好まないのかも。なので、買い物したお客の立場を利用して撮影したのです。(いや、買ったのは友達のほうだけど・・・)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/32/1bde672551e3e9065f54cef7fa48207e.jpg)
こんなコーナーがありました。
香水瓶・・・でもそれほど古くは無いのでは・・・・?
それよりも気になったのは、一番上にあるヤツ。これ、実は貝殻で作られたオブジェです。こんなわけのわからないオブジェをご丁寧にガラスのケースへ入れているところがなんとも・・・。
その右横にはこんな棚が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/7e/983daf73dda8a798e928dd1a35b54d4e.jpg)
上のほうにあるのは動物の置物。あぐらをかいてるブタさんが奇妙。
真ん中あたりにあるのはエッグスタンド。
でも、わたしの目に止まったのは一番下の・・・笑う子どもの顔。
かわいさなど全く無く、恐ろしい笑顔。そしてこれが貯金箱というのも・・・
こんなのプレゼントでもらったら、悪夢を見そうですな。
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向かい側の棚にあった、糸巻きや指ぬき。
その右にあるのは・・・木製のコマでしょうか?
後ろにある貝殻びっしりついた額縁のようなのも怪しげです。
かなり怪しいオーラを持ったこのお店を後にし、そろそろ帰ろうと言いながら来た道を戻っていくと、来るときにも見たビーズ屋さんの前を再び通りました。
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日本の雑誌にもよく紹介されてるみたいですね、ココ。
この店の向かい側には、シャンデリアに使われてるガラスの部品をバラで売ってる店がありました。見てるとけっこう面白かったです。
風に吹かれて凍える体で急いでおうちに戻り、お昼ご飯を食べることに。