今日も ぺこぺこ

ジョリ夫婦&ぺこ。3匹とも、今日も元気に「ぺこっ」てます。

友達と見たパリ 5

2005-11-20 23:36:24 | Weblog
今日は日曜日。ということで、以前から彼女が行きたがっていた「クリニャンクールの蚤の市」へ行ってみることに。
実は・・・夫はここがキライだと言うのです。治安は悪いし人ごみだらけだし、と。でもそれはもう10年も前の話だとか。わたしは数年前に一度だけ夫に連れて行ってもらったことがあるのですが、全てが高い!の一言で、買えるものなんて無いな~と思った記憶があります。
今回、夫もついて来てくれるとあり、ガードつき(笑)で行くのでちょっと安心。

メトロのクリニャンクール駅で降りて、少し歩いたところに蚤の市があります。
最寄り駅の名前を使って日本人は皆ここを「クリニャンクールの蚤の市」と呼ぶけれど(日本のガイド本にはそう書いてあるけど)、本当はここはパリ郊外のサン・トゥアン市になるので、「サン・トゥアンの蚤の市」というのが正式名称なのです。
メトロの駅を出て郊外方面へと歩いていくと、目につくのは革ジャンやらインド雑貨などの雑多なものを売る屋台ばかり。
これが???
いいえ、違いますよ、これはお目当ての場所ではありません。
さらに進んでいくと、高架下を通ります。そこから奥が、常設蚤の市です。

サン・トゥアンの蚤の市の雰囲気はこんな感じで、迷路のような細い道が、しかし規則正しく交差しています。そしてその小道の両脇にぎっしりと店があるのです。週末しか開かれない市なのに、店を閉めているところもけっこうありました。(冬で寒いから・・・?)
客足もまばらで、全くスリなどの危険性は感じられず、ちょっと拍子抜けでもあったけれど、じっくり見ることができてよかったです。夫も「随分雰囲気が変わったなぁ」と言っていました。

余談ですが、かの澁澤龍彦氏もここを訪れているようで、「滞欧日記」(川出文庫)のP.236に1977年7月3日、氏がここに来た時の記述が載っています。以下、抜粋。
  「三人で蚤の市(サン・トゥアン)へ行く。おそるべき人の波と暑さ。
   汗がだらだら出る。正八面体の鉱物を買う。魅力的な人形を
   見つけたが、4000フランだと言われてびっくり、一般に値が高く
   われわれの手の出ない品物が多い。ろくなものは買えなかった。」

当時から値段は高かったのですね。

あちこちのお店を覗いて歩きます。
天気は良いけれど、気温は低い。立ち止まっていたらぶるぶる震えてきます。

↑よくわからないものだらけ・・・ 一体誰が買うんだ?


↑銀食器のお店かな?(見る気にもなれませんでした・・・)


↑この白いベンチ、かわいい。こんなのを芝生のお庭に置きたいな~。
(その前に、庭付きの家を手に入れなければ・・・・)


↑ジャラジャラと、装飾品が雑多に詰め込まれています。軒先に出してあった箱なのできっと安いものばかりなのでしょう。
一体誰が買うのかな? 演劇の役者さんが舞台用に買っていってたりして。

ふと気がつけば、や(妻)さんがこんなお店に吸い込まれていってました・・・

そこに見えるのは店員のおばさん。怪しい・・・(いや、店の雰囲気がね。このミラーボールみたいなのとか・・・)
や(妻)さんが店先に置いてあったカップ&ソーサーを見ていたら、なにやらフランス語で言われて奥へ連れていかれそうになり、わたしに「このお店に入ってるからねぇ~」と呼びかけたので、あわてて一緒に入ってみたのです。
すると、お店の人が「他にも良いカップがあるわよ」とや(妻)さんに見せていました。


でも、や(妻)さんは最初に見た↑このカップが気に入った様子。
値段を聞くと、10ユーロだと言う・・・。(1930~40年代くらいのチェコスロバキア製なんだとか。)
実はこの前にすでに10ユーロの買い物をしていた彼女。ちょっと値段に渋っているものの、やっぱり欲しいらしい。
「値段まけてくれなくっても、10ユーロで買う?」と彼女に念押ししてから、ダメモトで交渉してみた。でもやっぱりダメだった・・・。
先ほどの買い物の時もそうだったけど、この蚤の市では誰もまけてはくれない。値段下げなくても必ず売れると高をくくっているのです。まけさせるのは、多分、大量買いでもしない限り無理なんだと思う。


結局お買い上げ~となったので、店員さんが紙で包んでくれた。その間、わたしたちは店内をじろじろ見て回る。わたしはここぞとばかりにシャッター切りまくる。(笑)というのはね、お店によっては「撮影禁止!」って張り紙がしてあるのです。ここの人たちは、一般的に「観光客の撮影」は好まないのかも。なので、買い物したお客の立場を利用して撮影したのです。(いや、買ったのは友達のほうだけど・・・)


こんなコーナーがありました。
香水瓶・・・でもそれほど古くは無いのでは・・・・?
それよりも気になったのは、一番上にあるヤツ。これ、実は貝殻で作られたオブジェです。こんなわけのわからないオブジェをご丁寧にガラスのケースへ入れているところがなんとも・・・。

その右横にはこんな棚が。

上のほうにあるのは動物の置物。あぐらをかいてるブタさんが奇妙。
真ん中あたりにあるのはエッグスタンド。
でも、わたしの目に止まったのは一番下の・・・笑う子どもの顔。
かわいさなど全く無く、恐ろしい笑顔。そしてこれが貯金箱というのも・・・
こんなのプレゼントでもらったら、悪夢を見そうですな。


向かい側の棚にあった、糸巻きや指ぬき。
その右にあるのは・・・木製のコマでしょうか?
後ろにある貝殻びっしりついた額縁のようなのも怪しげです。

かなり怪しいオーラを持ったこのお店を後にし、そろそろ帰ろうと言いながら来た道を戻っていくと、来るときにも見たビーズ屋さんの前を再び通りました。

日本の雑誌にもよく紹介されてるみたいですね、ココ。
この店の向かい側には、シャンデリアに使われてるガラスの部品をバラで売ってる店がありました。見てるとけっこう面白かったです。

風に吹かれて凍える体で急いでおうちに戻り、お昼ご飯を食べることに。





友達と見たパリ 5 bis

2005-11-20 22:27:23 | Weblog

おうちに戻ってきて、昨日のポトフをベースにしてクスクスを作りました。

野菜が少なかったのでズッキーニなどを足しました。
ポトフの良いおダシが出てて、美味しかったです。

では、蚤の市での本日のお買い物の報告です。

↑や(妻)さん購入の、「スタンプ」です。
1900年あたりに実際にフランスの小学校で使われていたものだそうです。
宿題帳に毎日違うスタンプを押してもらえるので、子供達は宿題帳が返ってくるのを楽しみに待っていたり、これをぬり絵にしたりして遊んでたんだって。
10ユーロと言われたので値段交渉したけれどまけてくれそうになくて、「じゃあ・・・」と去ろうとしたら「待って、このカードも付けてあげるから」と交渉を持ちかけられました。この横にある黄色いカードがそれです。
これはこのお店のショップカードなのですが、Savignac(サヴィニャック)というイラストレーターと店のご主人が友達だということで、特別にショップカードの原画を描いてもらったんだとか。(写真まで見せてくれました。)
このサヴィニャックという人、フランスの「monsavon」という石鹸の広告の絵も描いてて、この牛の絵の広告デザインは今でも生きてるんです。多分日本でも彼の絵葉書など売られてるのを目にしたことがある人、いるんじゃないかと思います。(もしくはポスター展など。)


↑や(妻)さんの買ったキーホルダー。(これは非常に安かったです。)
店頭のワゴンにガサッと置かれた古いキーホルダーの中から漁って見つけたこの2つ。彼女のハートを射止めたようです。
絵柄もですが、わたしはこの止め具のほうが気になります。昔ってこんな方式だったのね・・・。
左側のは何だかわかりませんが、右側のはチーズの形をしてるんですよ。「笑う牛」という名前のチーズがあるんですが、そのチーズのマークである赤い牛の顔がこのキーホルダーにも印刷されてるように見えるんですが・・・チーズの名前はBONBELとなってますねぇ。
左のキーホルダーが汚いと、や(妻)さんが気にするので、わたしが歯磨き粉で磨くという技を教えてあげました。(「伊○家の食卓」で仕入れた知恵です。)


↑これが例の、チェコスロバキア製のカップ&ソーサーです。
触るとわかるんですが、これは白磁ではないんです。白磁は触ると冷たい感じがしますが、これは中に空気を含んでいるのか、あまり冷たい感じはしません。そしてこれが実は昔のフランスの一般的な陶土でもありました。(フランスの白磁の歴史は案外浅いとガイドブックで読んだことがあります。)
今でも、この種の陶土(名前知らないので・・・)はよく使われています。割れやすいのが難点なのですが、「冷めにくい」のでカップやディナープレートなどに利用されてます。
白磁は薄くて丈夫で良いですが、わたしはこの写真のような陶器がけっこう好きです。持つとけっこう軽いんですよ。


↑これもや(妻)さんお買い上げの品です。
ビーズ屋さんの向かいにあった、シャンデリアの部品をバラ売りしていたお店に置いてあったんです。かわいいけれど・・・けっこうな値段でした。(ボソッ)
青いのをよーく見てください。これだけ洋ナシ型をしてます。
窓辺に吊り下げて飾ってみたり、このまんまお皿などにガサッと入れておくだけでもかわいいですよね。


↑実は・・・ワタシも密かにお買いモノ。(夫にはナイショで。笑)
シャンデリアの部品のお店で見つけたんです。ガラスの玉に、吊り下げるための穴があいています。これもシャンデリアの部品だったのでしょうか。
こういうガラス玉って、向こうにあるものが反対に写って見えるので面白いんです。

↑ホラね。(ピカシェットのパンフレットを背景にしてます。)
こうして、反対向きになって湾曲した世界を眺めていると面白いです。
コレをウチの居間に吊り下げようかと考えているのですが・・・。
(ちょうど、シャンデリアが下がっていたらしき跡があるので、そこに重い物でも下げられるのです。)
でも一体どのように下げようか、思案中です。
(今、そこにはワタシお手製のモビールが下がっています。)

さて、仕切りなおし。
日曜の午後で閉まってるお店も多いけど、お出かけをします。
や(妻)さんが雑誌でチェックしていた6区にある「Marie The」(マリー・テ)というサロン・ド・テに行きました。

ご近所の店はことごとく閉まっているというのに、ここだけ開いてました。
気さくなお兄さん(ちょっとオジサン?)がオーダーを取ってくれ、お店の雰囲気もとっても気軽。

わたしたちの頼んだものです。手前のがワタシのです。
や(妻)さんは紅茶を頼んだのですが、またしても鉄瓶に入って出てきました。(パリでこういうのが流行ってるみたいなんです。)が、しかし、ここの鉄瓶はなんかおかしい・・・。これは中国製だか韓国製だと見た。なんとなくイヤなテカリがあり、持ち手部分もおかしかったし、南部鉄瓶にしては造りが粗く見えたのです。
ま、それはともかく。
肝心のケーキのお味のほうですが・・・

色を見ておわかりでしょうか、チョコレートケーキなのにチョコの色が薄めなのです。小麦粉の割合が多いか、カカオパウダーを増やしてチョコの量を減らしているか、そんな感じなのでしょう。(わたしが作るチョコレートケーキはもっと黒々してて、中がしっとりですから。)
アメリカンタイプ、とでも言えばいいのかな。軽い味わいのケーキでした。
や(妻)さんがチェックしてた雑誌に「手作りな感じのケーキ」と表現してあったので、そういう意味では合っているのです。が、日本の雑誌にわざわざ取り上げるほどのお店だろうか?とちょっと思ってしまいました。(決してこのお店をけなしてるわけじゃないんですが。)
日本の雑誌社、出版社の人たちも、記事にするため、パリの喫茶店開拓で苦労してるんでしょうね。

夕方おうちに戻って、今夜のゴハンの用意。
今夜は・・・シーフード・リゾット!(ワタクシ作。)

昨日のムール貝の鍋の底に残ってたお汁と、残ってたムールと、前にマルシェで買って下ごしらえして冷凍してたイカと、冷凍エビとを使って、適当に野菜を入れて作った簡単リゾット。
味付けはムール貝のお汁だけです。
エビは殻付き頭付きのまま投入して、エビに火が通った頃に取り出して殻をむきました。(めんどくさがり屋の我が夫のために・・・。)

お皿に盛ったリゾットを見ながら「ほら、ちゃんと殻をむいてあげたのよ」とワタシが夫に言うと、「しっぽの殻が残ってるよ~。全部むいてくれたらよかったのに。」と小言を言う。(ムカッ!)
「あんなに熱い思いをしてこんなに殻をむいたのに、そんな言い方は無いでしょう!」と言ってやった。(しめしめ。)
だってねぇ、日本だったら多分「殻付き」のままエビを出すだろうし、それに頭とかの殻は取ったとしても、「しっぽ」の殻は付けたままにするよねぇ?
フランス人がそうなのか、ウチの夫が超めんどくさがり屋なのか、どっちなんだろう・・・。
そんな話はともかく、リゾットは超!美味しかったです。(手前味噌ですみません・・・)