玉川な日々

一日の疲れは玉川に流して・・・

錯視で心が動く?

2013-01-19 13:29:03 | 左様出尾蛇瑠
「蛇の回転」が回って見えることと、「心のはたらき」と何か関係あるのでしょうか。

この錯視が眼球の動きに起因するものShifty eye movements behind famous optical illusionと、セミール・ゼキのように錯視図を見ているときの脳の活動を計測して、本来静止画で刺激される領域以外のMT野という領域が活動していることから、心に感じる動きだ、として主張するものもある。1)

脳科学の進歩により、視覚刺激にたいして脳のどの部分が活性化するのかはかなり猿を調べてわかってきた。人の場合、見るという働きに大脳皮質全体の三分の一を使っているのだという。そして視覚にかかわる脳の部位としては、後頭葉のすべてと、頭頂葉と側頭葉の一部がつかわれる。また、視覚機能に関して脳のどこが壊れるとどんな運動障害がおきるかもいくつか知られている。

老人介護施設へ行くと、この本にかかれていることを実感できる。脳出血などにより後頭葉から側頭葉の一部が壊れると視覚機能は正常(見えているもの絵にかかせると書ける)だが、その見えているのが何かを識別できなくなるといった障害などである。

・・

引用した藤田先生の本を読んでも、脳と心の関係がわかることはない(学部二年の講義内容がベース)。しかし、おもしろいのは、セミール・ゼキが言っているようなこと- 視覚刺激に対応し、通常に脳の反応する以外の領野が活性化すると、心が動いたといっていること - いかにも唯物論科学ではないか(笑)。

そして脳科学では、心の動きに合わせて働くニューロンがあるはずだとして、それを探していること。

ならば何故に禅寺へいって坐禅する坊さんの脳を測らぬのか?いっぺんに解決するでしょうに(笑)。

冗談はさておき、大脳生理学からすると心は前頭葉にあることになっていました。言語知識のさらに上段の抽象化された推論エンジンに関係するニューロンがどこなのか?が問題のように素人でも感じる。いくら脳の大部分を使っているといっても視覚刺激は五感刺激の一つにすぎない。静止画が動いたから心が動いたでは、いかにも西洋的ウソ話に引きずられているのかねぇ~。



引用
1)「見る」とはどういうことか-脳と心の関係をさぐる 藤田一郎著、化学同人