見つけた

　まず地下街から出るとすぐコンビニがあった。しかしトイレは混んでいた。
　隣りに郵便局のＡＴＭコーナーがあった。奥にトイレがあって、中に入った。
　ドアを横すべりさせて開けると暗かった室内が明るくなった。ドアの貼紙に書いてあったが「自動点灯自動消灯システム」らしかった。
　便座に座ってしばらくすると急に電気が消えて真っ暗になった。
　これが自動消灯システムなのだなと感心した瞬間に体が浮くような感覚に包まれた。
　気がつくとぼくはトイレの外にいた。荷物も持っていた。パンツやズボンも履いていた。
　カギをかけたはずのドアも解錠されていた。
　ぼくはトイレという密室からいきなり消失したのである。
　ドアの貼紙をもう一度よく見た。
「自動点灯自動消失システム」と書かれてあった。
　すごいですね。