土曜日の行動その５

　鴨がいるから鴨川だなんて誰も信じないし疑う余地しかないだろうと思うのだけれど、万が一信じて大恥をかかれるとなんか悪いので言っておくけれど、「鴨がいるから鴨川」だなんて嘘である。『クビシメロマンチスト』に書いてあるので一度、読んでみるといい。
　歩いていると１１時を過ぎたのでそろそろ昼飯を調達しないといけないなと思い、二条通りに出た。
　その際、河原に遊びに来ていた幼い姉妹の後をつけるようなシチュエーションになってしまった（もちろん不可抗力だ。たまたま偶然だ）。
　後ろからついてくる変な青い人を一瞥(いちべつ)してその姉妹は逃げるように駆けて行ったが、まぁ、よくあることなので気にしない（いちいち書くということは気にしているように思われるかもしれないが）。
　河原町二条のコンビニで「３９０洋食デラックス」という３９０円の弁当を買い、再び鴨川に戻った。
　橋（たぶん二条大橋だろう）の下で豪華な弁当をパクつく。霧のような雨が舞い、橋の下にいても少し濡れた。
　それにしても、このときのぼくはかなり頭がいかれていたようである。いくら会社から朝食代として５００円もらって朝食を食べなかったとはいえ、それにしたってたかだかランチに３９０円も使うとは言語道断である。なぜならそもそも朝出発のバスにしていれば昼食などバスの中なのだから買わなくて（買えなくて）済んだわけで、つまり夜出発のバスにしたのはぼく自信のミスなわけで、それなのにこいつは本来不要だったはずの出費をこんなにも堂々と豪華にやり遂げてそれでいてなんの罪悪感もいだかずに鴨川っていいなぁとかアホみたいに浮かれているのである。
　なんて卑劣。
　なんて劣悪。
　なんて悪逆。
　頭大丈夫ですか？
　……と、今のぼくなら思うのだ（いや、そのときだって思ったけどその思いは無視された）。
　まぁ、いいか。終わったことを責めてもしかたがない。次から気をつければいいのだ（とかなんとか言って次以降もおんなじ失敗をつづけに続けるのがぼくの欠陥であり失格人間たるゆえんなのだけれど）。
　……なんの話をしていたのだっけ。忘れたので次に移るとしよう。