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音楽の喜び フルートとともに

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トスカニーニとヴェルディ

2009-02-17 23:10:16 | 音楽

土曜日にロフトで買ってきた。imagesimagesフルートの練習にいいもの。
パソコンにくっつける紙バサミ。自在に曲がって、3センチ幅まではさめます。チューナーを譜面の上に置いて、いつも楽譜をめくる度に、移動させたり、落としたり。これなら、目線を下に向けずに、楽譜を見ながら、チューナーをチラミできて、首も曲がらないので肩こりもだいぶまし。メトロノームもはさめます。使ってみると、時間が経つほど、楽さを実感。…道具や、物って普段あんまり意識しないけれど、私達の日常の生活を劇的に変えてしまうことがありますね。

昨日書き忘れた大切なこと思い出しました。
トスカニーニは、若いころ、ヴェルディのオペラを指揮していて、どうしても、楽譜の中で、わからないところがあって、確かめてみたくて、とうとう面識も無いのに、ヴェルディの所へ押しかけていったそうです。「どうしてもわからないところがあって。」と言うと、ピアノでその曲を演奏し始めたそうです。問題の箇所も引き終わり、全てが終わったころ、ヴェルディが「ブラボー!」というので、トスカニーニはがっかりしたそうです。
「私は、この何もあなたが書いていないところを、ディミヌエンドで演奏しましたが、これでよかったのでしょうか?」とトスカニーニが問うと、ヴェルディは「真の音楽家ならば必ずわかるから、楽譜に何も書いていないのだ、楽譜に書いていなければ何も読み取れないというのならば、音楽家とは言えないのだ。」と答えたそうです。

なるほどとトスカニーニが思ったかどうかは、触れていなかったので、わからなかったけれど、トスカニーニは楽しそうだった。楽譜にあまりにも忠実と言われたトスカニーニだけれど、勝手なことをいいますが、この考えには賛同していたような気がします。
もちろん楽譜を無視すると言うことではなく、真逆、たくさんの音楽に接し、楽譜を読み込み、読み込んだ末、楽譜の裏にある作家の意図を類推する事ができるようになる、そんな意味ではないかと思います。

この読み込んだ末…というのが、大切ですが、どこで、ピリオドを打つか。そこがいつも迷うところです。これで行こう!と決める。いやいや、まだまだ違うやり方があるのではないか?私も、ぎりぎりまでまようところです。そして、表現する時にはどうかな?ではなく、こう思う。と自信をもって出さなくてはならない。偉大なトスカニーニでさえ、思い悩み、なかなか自信が持てなかったと言うことがよくわかるエピソードで、聴けてとってもよかったです。