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音楽の喜び フルートとともに

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無知の知

2008-09-05 02:15:24 | 哲学

今日もバタバタのまま日が過ぎてしまいました。忙しさの中どうやって自分の練習時間を確保するのか?と言うのは私の課題です。

音楽をやっていると、おもしろいことに、自分の癖。学び方なんかがわかってきます。
たとえば、学び始めた頃に良く起きたことですが、頭部管を内側に入れすぎるとこもったような音がします。

そこで、先生に「実験してみようよ。今、吹いているところをB点として、それより外側をA点、それより内側をC点にして、どちらに向けたらどのような音がするのか、試してみましょう。試してみるのだから、違いがわかるようにA点、C点を極端にしてね。」

さて、吹いてみると、なかなか吹きだせない。「実験ですから、とにかくやってみてください。」と何度も促されますが、やっぱり、はじめない。やり取りをしているうちに、私は、先生が正解を出させたいと思っているんだと疑っているということがわかってきます。
「正解は出さなくていいんですよ。」といわれて初めて、安心して吹き出すことができました。

また、ある時は、Aを吹いても、Cを吹いても同じようにかすれた音が出ます。「それでは、AとCの幅を狭くしてやってみて。」といわれて吹いても、同じようにかすれます。自分がやってきたBの時のみ音を出します。
「同じ唇の柔らかさ、同じ角度、同じ息の量で吹いてる?」と聴かれてと、『ナンだそんなことわかっているや』と思いながら「やってます。」と答えます。
「じゃあ、同じ条件と言うところに気をつけて吹いてみて下さい。」といわれて、気をつけてやってみると音がでました。
終わってから、「同じ条件で吹いていなかったです。」と頭をかきました。

またある時は違います。A点で吹いても、B点で吹いても、C点で吹いても同じ音色、同じ音質がます。何度やっても、違いはわかりません。
「おかしいな?」と思って鏡をみると、管を手で外側に向けたときには唇とあごが追いかけて、内側に向けたときも同じように追いかけていきます。

どのやり方も一つのことに執着しているのだとわかってきました。それは、「自分が今までやってきたやり方が、一番いい。先生の言うことなんて価値が無い。」という思い込みです。

おかしいですよね。私はフルートがうまくなりたいと思って学びに来ているのに、先生の言うことを素直に聴きたくない。自分のやり方はまだまだだと頭では思っているのに、先生のやり方を実行しない。素直に学ぼうと思っているのに、体がついてこない。あらゆるやり方で、自分のやり方を通そうとします。
人ってそれだけ、なじんだやり方がいいみたいです。

でも、これって本当に学ぶ効率が悪いですよね。『あーあ、私って学ぶことを知らない、あほ?』と思って聴いてみると、結構みんな似たり寄ったりの失敗をしている。良かった、仲間がいて。
ソクラテスも言っている。
「自分が無知であると知る人が賢者である。」と。落ち込んでる暇があったら、レッスン、レッスン。