私が買物に行くとき、たまにですが、息子がドライバー兼ポーターとして同行してくれることがあります。
そんな時は、少し遠くのお店まで足を伸ばします。
そのお店には、お肉と鮮魚の専門店が入っていて、値段は少々高めながらも、とても美味しいのです。
昨日の日曜日、「休みだけど、午前中は特に予定も無いから、買物に行くなら付き合うよ」と息子から声がかかり、私も「待ってました!」ばかり出かけてきました。
いつもの鮮魚店のお刺身コーナーには、今、捌いたばかりと思えるような艶の良いお刺身が並んでいます。
どれもこれも本当に美味しそう!
「ねえ、お刺身が美味しそうね! ランチは『海鮮丼』にしようか?」
実家に来れば、ご飯を食べて帰るのが当たり前になっている息子達ですが、大抵は、あり合わせの物か、手間を掛けない簡単なものばかりです。
『海鮮丼』も、ご飯さえ炊けばすぐに出来ますし、これにお味噌汁と冷蔵庫に入っている常備菜でも添えれば、立派なランチメニューになるでしょう。
(*^_^*)
私の気持ちの中では『海鮮丼』に決定・・・でしたが、一応、そばにいた息子にも声を掛けてみたというわけです。
「ああ、美味しそうなお刺身ですね。『海鮮丼』最高じゃないですか!」
私の言葉に、穏やかな声で丁寧な返事が返ってきました。
「えっ? 息子にしては丁寧すぎる・・・?」
違和感を感じて、ふと隣の人を見ると・・・。
なんと、そこにいたのは息子とは似ても似つかない白髪の男性でした。
すっかり、そばにいるのは息子だと思い込んでいた私は、他にも色々とその男性に話しかけていたようです。
もう、恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・。 (>_<)
「すみません! 息子と間違えてしまいました!」
しどろもどろになりながら、私が謝っていると、トイレに行ってきたと言いながら息子が戻ってきました。
「息子さんと買物ですか? 優しい息子さんをお持ちで幸せですね!」
その人は、私達親子を見比べながら、そう言ってくれました。
その人と別れた後、息子は少し無口になっていました。
きっと、自分を『優しい息子』と褒められたことが照れくさかったのでしょう。
そして私はと言えば、夫が亡くなった後も、息子達が側にいて、嫁を含めて関係が良好なことに感謝をしていますし、幸せだとも思っています。
でも、それだけに、彼等の生活の邪魔をしないよう、重荷にならないようにと、今まで以上に心しなければ・・・と改めて思いました。
自分が穏やかな老後をすごすためには、自分を律することも大切かな・・・と。
余談ですが『海鮮丼』は絶品でした!! (*^_^*)