今年もCoronaに明け、Coronaに振り回された一年でしたが、なんだかんだと言いながらも、残すところあと2日。
そんな年の瀬になって、とても嬉しいニュースが入ってきました。
以前、我が家でホームスティをしながら日本の大学で学んでいた留学生(名前をG・Cとしておきましょう)から、これまで付き合っていた彼女に正式にプロポーズをして、婚約が決まったと報告があったのです。
彼が、留学生として来日したのは20歳の時でしたから、もう、十数年も前の事になります。
その頃、我が家は、ある大学の留学生のプログラムにホストファミリーとして参加、ホームスティを希望する学生達の受け入れをしていました。
留学生とホストファミリーのマッチングは、大学側がお互いの希望や条件等を考慮して決めます。
でも、我が家では希望も条件も出すことは一切ありませんでした。
だから、国籍も、人種も、育った環境も、あるいは思想も全く違う、本当に様々な学生達がやって来ました。
G・Cは、白人のアメリカ人でしたが、来日当初の彼は、少々扱いにくい青年であったと思います。
それは『祖国愛』とでもいうのでしょうか、『America is no 1 』という思いが非常に強く、何事に対しても「Americaでは・・・」という言葉が出て、日本や日本人を批判するのです。
まるで、日本を、日本人を、そして私達家族を、上から目線で見下して、馬鹿にしているようにさえ感じました。
「ふ~ぅん、Americaではそうなのね? でも、此処は日本だから・・・」
彼の言葉に、私はそんな風に返していたと思います。
彼が、我が家で、日々快適に暮らせるような心配りはしたつもりですが、かといって、彼に迎合することは有りませんでした。
食事も、私達家族と同じ、ごくごく普通の日本食です。
彼が「これは人間の食べ物では無い」と侮辱した納豆も食卓にのせました。
(嫌なら、食べなければいいのですから)
彼のことは否定もしないけれど、迎合もしない・・・と言うのが、我が家のやり方でしたが、もし、そのやり方に不満があれば、学生は『ホストチェンジ』を申し出る事も出来ます。
(それは、家族側も同様です)
でも、彼も私達も、それをしませんでした。
そして、時が過ぎ、気が付いたときには、いつの間にか彼の中の『America Is NO 1』が影を潜めていました。
当初は食べられなかった、日本食(普通の家庭の食事)も完食できるようになり、あの、『人間の食べ物ではない・・・』と言っていた納豆でさえも食べられるようになっていたのですから驚きです。
そして、もっと驚くことは、『America is No 1』だったはずの彼が『日本、最高!』と口にするようになっていたことでした。
『日本人になりたい!』・・・とも。(@_@)
留学のプログラムを終えて帰国をするとき、成田まで見送りに行った私に、彼は言いました。
「おかあさん、ぼくは、また、絶対に日本に戻ってくるから」・・・と。
その言葉通り、彼はAmericaの大学を卒業すると、再び日本に戻り、日本の企業に就職をしました。
日本人の彼女も出来、結婚したら、日本に永住したいと言っています。
彼女が出来たとき、彼は、すぐに私に会わせてくれました。
素敵なお嬢さんでした。
でも、残念なことに、コロナ禍で帰国も思うようにならず、彼女のことはAmericaのご家族にはスカイプでの紹介に留まっているようです。
でも、Americaのご両親は「日本のママ(私のことです(*^_^*))が良い人だと言ってくれたのなら、それで安心が出来る」・・・と言ったそうです。
(Americaのご両親も、我が家に来たことが有り、今でもメールでの交流が続いています)
当初は、扱いにくく世話が焼ける学生・・・と思っていました。
でも、今にして思えば、優等生タイプの多い留学生の中で、彼は、飾ること無く、自分の全てを私達の前にさらけ出してくれていたのでしょう。
その彼の素直さが、私達に、留学生とホストファミリーの関係以上の関係を作り上げてくれたのだと思います。
夫が亡くなった時も、仕事を休んで駆けつけてくれました。
日本人と結婚をする彼の未来がどのようなものになるか分かりませんが、幸せになって欲しいと願っています。
G・C おめでとう!
Coronaが落ち着いたら、みんなでお祝いをしましょうね!!