インターフォンのチャイムが鳴り、画面を見ると、馴染みの宅配便のお兄さんが、大きな段ボール箱を持って立っていました。
「荷物が届いたのかな・・? それにしても大きな段ボール箱だけど何だろう・・?」
そう、思いながら出てみると、彼は、少し、恐縮した感じで 「今日は、奥さんに見てもらいたいものがあるんです」 と、箱を示しました。
「えっ? なあに・・?」
箱の中を覗き込むと、上の写真のようなポットがたくさん入っていました。
「これは、オランダから来たアマリリスの球根です。 育て方はとても簡単だし、来年も咲かすことが出来ますよ。 良かったら、ひとつ買ってもらえませんか・・・」
私は、最初、彼が個人でこの球根のポットを売っているのだと思いましたが、よく話を聞いてみると、これは会社の営業なのだそうです。
「えぇっ・・? あなたたちは、荷物の配達だけではないの・・・?」
彼の会社は、最大手の宅配業者で、以前、配達する人達の過酷な労働が問題になったこともあるような記憶がありますが、こんな事もやっているのか・・・と、ビックリしました。
「お客様に商品を売るときに、どんなものか分からないと勧められないので、僕も家で球根を育てているんですよ。 僕でも、失敗なく育てられるし、毎日眺めるていると成長が楽しみで。 それで、これ(アマリリスの球根)を持ってきました」
いままで宅配便を届けてくれたときも感じていましたが、彼の言葉からは、彼の誠実な人柄がまっすぐに伝わってきます。
私は、とりあえず2ポットを購入。
早速、説明書通りに水をやり、陽射しの差し込む窓辺に置いてみました。
暖かいせいか、早くも芽が伸びてきたようです。
彼の言うように、毎日眺めるのが楽しみになることでしょう。(*^_^*)
(あの後、「彼の段ボールの中は空になったかしら?」・・・と余計な心配をしています)