28日は、生演奏は「ブエノスアイレスの夏」でした。ちょっとマニアックかもしれませんが、タンゴ好きにはたまらない一曲です。
ピアソラはとにかくジャンル問わずで人気がありますから。
私は、もともとの曲を少しアレンジして弾きました。
さて、この日のテーマは「私の好きなアーティスト」。
早速、私自身が好きなアーティストを紹介しました、
一人目は日本の天才画家、山下清。
天才の放浪画家とか、日本のゴッホとか、いろいろ異名を持つ鬼才です。
山下清ほどの有名な画家になると、あまり説明の必要はありませんね。
私は2007年に上野の美術館で「山下清展」を見て心から感動し、その日はずっと美術館で作品を何回も何回も一日中見て回り、一週間後に再び訪れ、その数年後にたまたま居合わせた山梨での「山下清展」にまた足を運ぶ、という熱狂的なファンなのです。
子供の時に、病気で軽い言語と知的障害を受けたことから、少し特異な存在の画家ではあります。
誰に教えてもらったわけでもない、自ら生み出した技法と研ぎ澄まされた色彩感覚、驚異的な記憶力と集中力。確かに、普通の人にはまねができない。
でも、山下芸術は、実はそんな特異性よりも、誰よりも多くの人に感動と勇気を与え、芸術的に高く評価されているという基本的な事実にもっと意識を向けなくてはならないと思います。
TENGOのホームページのブログにもう少し自分の考えも一緒に記しているのでまた読んでいただけたら嬉しいです。
https://www.tengo.jp/category/blog/
また、私のもう一人の好きなアーティスト、ピアニストのスビャトスラフ・リヒテルについても、番組では熱く語りました。
リヒテルはもう20年前に亡くなっていますが、74歳の時のショパンのエチュード「木枯らし」を弾いている映像を見ると人間業とは思えないほどの衰えぬテクニック、力強さと入魂ぶり。。。
弾き終わって万雷の拍手を受け、客席に向かってお辞儀をしているときの顔つきはどこかまだ悩ましく、決して嬉しそうな表情ではないのです。
自分にはいつも厳しく、あくまでも理想を追求してやまない芸術家だったのでしょう。
・・・いやあ、自分がいかにちっぽけな存在であるか、思い知らされることになります。
山下清もリヒテルも、私にとっては残念ながら、励まされるとか、元気をもらってやる気が起こるとか、そういうレベルではないです。
でも、このような素晴らしいアーティストたちがこの世に存在していた。多くの人たちに感動を与えた。
芸術はそれほど大きな価値があり、人類になくてはならないものなのだと認識することになります。
私もそんな芸術に携わっていることに喜びを感じる。それで精一杯です。
最後に、山下清の作品を・・・桜島を描いた貼り絵です。