YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

YBRの暗電流測定方法

2014年02月23日 | YBR電装系

YBR125は今や老若男女問わず通勤通学の足、ファーストバイクとして、ベテランライダーの
サブバイクとしてやっと普及した感じがあるよね。
ただ、冬季になるとあまり乗る機会が無いのか数週間不動状態になってしまって、いざエンジンを
かけようと思ってもバッテリが弱くなり、かかりにくい状況もあちこちのブログや呟きで見かける。
YBRに限らずどんなバイクでも起きるものだ。

我がYBR125は一応電装系の健康管理を遂行してる。
簡単なのはバッテリ電圧を計る程度だけど、時々気が向いたら「暗電流」の有無を確認してる。
暗電流とはメインスイッチがオフの状態でも電気が流れてるかもしれない状態で、待機電力
とも呼ばれて、不動でも勝手にバッテリーを消費する厄介な存在だ。

YBR125系は実に単純明快な電装回路なので、回路上では暗電流は発生しないはずなんだけど、
不幸にして漏電や追加配線、改造やレギュレーターの不良などで起きる場合がある。
魔の11年式とはなんだ? の項でも説明したような事も個体によっては起こってる場合もある。

11年式の見分け方はこのタンクデザインで判断するか実際の配線を確認されてください。

銘板の製造年だとモデル年式と一致しないので判断が難しい。
YBRに限らず冬季になってバッテリー上がりや始動困難の話題が多いバイク界だけど、
意外と御自分のバイクの暗電流の有無や程度を把握してるオーナーは少ない。

そこで、ちょっと暗電流の測定方法を紹介してみるよ。
どんなバイクでも応用できる方法だよ。

まず直流電流測定機能がある回路テスター(デジタルマルチメーター)を用意する。
プロでもなければ特価680円~3,000円程度の物で十分だ。
俺も随分昔に買った激安テスターがあるので、久しぶりに内蔵電池を入れ替えて使ってみた。

小難しい話をすっ飛ばして
、YBRで実際の測定方法を紹介しよう。
テスターの測定値が「電流が流れていない状態」であれば「暗電流は発生していない」
「数ミリA以上、具体的な数値を示していれば影響する暗電流は発生している」と思っていい。
まず、車体のメインスイッチは必ずオフ状態にする。
キーを抜いておけばいいよ。

左サイドカバーを外してバッテリーのマイナス端子(左側)のボルトを抜き、配線端子を分離させる。

ボルトは紛失しないように仮止めしておけば良い。

テスターリード棒の「赤」を外した配線端子へ、「黒」をバッテリーのマイナス端子に接続する。

ワニ口クリップ型のリード線を別に用意すると捗るけれど、手で当てても構わない。
ここは感電する事が無いのだ。w

安価なテスターでも電流レンジが切り替えられる。
まずは測定可能最大値200mA(0.2A)レンジで測定。

表示はゼロを示し、暗電流は発生してない。

レンジを20mA(0.02A)に変えてみる。

微小な電流はレンジを徐々に低く切り替えて測定するのだ。
まだゼロにまま。

さらに2000μA(0.002A)で測定。

単位は学校で習ったとおりだから2000μAは2mAでもある。
またまたゼロだ。

最後にレンジ200μA(0.0002A)で測定。

まったく流れていない。
つまり俺のYBRは暗電流が存在しないのだ。

これで放置期間が長くてもバッテリーの自己放電のみで徐々に弱くなる事が分かったから、維持管理の
参考にできる。
また、漏電やレギュレーターの故障などもなさそうだ。
極たまに測定値の単位を読み間違え、例えば30mAの暗電流があるにもかかわらず30μAだと
勘違い
して安心してしまう人が居るらしいけど、30mAは長期間では必ず影響するくらいの暗電
流である。

テスターの使い方と共に単位の概念も再勉強すると良いだろう。

不幸にして暗電流が存在してるのなら、メインスイッチまでのどこかで何かが待機電力として
消費してる
わけだ。
例えば後付のUSBシガソケ、イモビライザー等の盗難防止装置やHID制御ユニット、コンデンサー
チューン
を配線してる場合はそれらが原因になる時がある。
イモビライザーはその機能上仕方ないけれど、他は配線ルートを検討しなおす必要がある。
コンデンサーチューンは低品質なコンデンサーの漏れ電流はバカに出来ない。
極稀にレクチファイヤレギュレータの故障で暗電流が発生する場合もあるが、レクチファイヤレギュレー
タのコネクタを抜いてみて電流が流れなくなれば故障または魔の11年式不具合配線と判断できる。
なお、年式によっては俺も把握しきれてないから、YBR125KやKG、FIやYB125SP等も
油断せず
に一度は測定してみるといいだろう。
特にこの寒い季節に数日乗らなかっただけでセルスタートが弱くなったりしてたら、充電も大切だけど
暗電流の有無にも注意するといいと思うよ。

測定が終わったらバッテリー端子を元に戻せば検査終了。
回路テスターはどんなバイクにも使える便利な道具なので、安物でも構わないから一個買い置きして
おくといいよ。
なお、電流測定のためにテスターリードの位置を電流測定位置に差し替えるモデルは、必ず通常の電圧
測定位置に戻す事。

ついでにバッテリー電圧でも測定するかと電流測定位置のままリード棒をバッテリーに当てるとテスター
内部でショートしてテスターが故障するか運が良ければテスター内部の保護ヒューズが切れる。
測定モードを電流から電圧に切替えなければ同様な故障が起きる場合もある。
電流と電圧の違いと測定方法をちゃんと理解しておかないと余計なトラブルが起きるので、詳しくは
テスターの説明書で。

さて、暗電流問題がない事が分かったので今日もちょっと散歩ツーリングしてきた。

わき道に入ると雪国だった。

「YBRは雪上車!」      嘘です。