YB&YBRダイアリー

中国ヤマハのYB125SPとYBR125でバイクライフを満喫するブログ
(自己責任を伴う整備・改造を多く含んでいます)

点火系チェック(3)完結

2014年02月01日 | YBR電装系

 [実車試験]

やっと動作確認がとれたCDI・IGコイル・点火プラグの3点セット。
車体に戻して自転車ダイナモをピックアップコイルの中継コネクタにつなげて試験してみた。

プラグに火花が飛ぶ事を期待してローラーを回したら…

「火花はどこ?私はだれ?」  まだダメだぁ~~~/(^o^)\

仕方ないから各部の配線をテスタでもう一度導通試験する…つながってる…なんで?

CDIのコネクタをじっくり観察しながら色々考えてみた。

まさか、中の端子が異常なのでは?
いや、導通試験してるのでそんな事は無いはず…だけど、一応まだ見ぬ端子自体も外して観察してみよう。

初めて分解する防水型コネクタ。

やっと端子ロック機構の場所がわかって解除しながら端子を抜いてみたところ…

なにかポロリと落ちたよ?

あ、これは接触をうながす接片ではないか?・・・分かった、きっとこれだ!!

この手の端子は構造的にこんな感じで端子の赤い部分が互いに接触してるけれど、接片が折れてしま
うとオス端子が宙ぶらりんになりがちで、振動等の条件で未接触状態になる場合がある。

コネクタを接合した状態での導通試験はCDI側の代わりのコネクタ治具でも作らないと分からない。

[端子の修正]

どうしよう?特殊コネクタなので端子の入手も大変だ…
仕方ないから応急処置でラジオペンチで少しだけ幅を狭めてCDI側へ差し込み確認し、機械的に
抵抗を
感じる程度の接触が起きるようにしてみた。
1箇所ずつ丁寧に作業し、全6箇所に処置をする。

CDIに“できるだけ真っ直ぐ”コネクタを差し込み、再び自転車ダイナモで火花チェックをしてみる。

 ヽ(´ー`)ノ .:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:* 火花でた~~~

これでメインワイヤーハーネスも含めてピックアップコイル以後の点火回路はすべて大丈夫。
半信半疑でピックアップコイルを接続してセルモーターを回してみた。

「火花!出た!火花出た!得意技!火花出た!火花!これ!火花出たよ~!(`・ω・´)ゝ敬礼! 」
 俺は限界だと思ってた。w

さっそくプラグをエンジンに付けて再びセルモーターを回してみると…

*゜゜・*:.。..。.:*・゜(゜∀゜)゜・*:.。. .。.:*・゜゜・1発でエンジンかかったぞ~~~~

長かった・・・本当にここまでの道のりは長かったw

[ピックアップコイルの動作観察]

アイドリングは安定してるし吹け上がりも良好。
だがピックアップコイルの抵抗値が規定外で10Ω低かったのが気になるから、ちょっと動作時の信号でも
テスターで見てみる事にした。

急いでピックアップコイルのコネクタに割り込む中継分岐配線を作ってエンジンを回しながら測定。

アイドリング時1200回転は約0.4Vだがテスターでパルス性脈流の電圧を正確に計る事は出来ない。

点火してるので実際の波形はCDIが感知するくらいの電圧は発生してるから、単にテスターの表示速度が
追いついていないだけだ。

3000回転では0.9Vの表示でしきい値は超えてるように見える。

これも正弦波ではないパルス波形だから当てに出来ないけど、回転が上がるとピックアップコイルの発電
電圧も比例して上がるので、もしもオシロスコープで波形を見たらもっと高い電圧であろう。

やはりピックアップコイルはテスターで測定検査できるのが静特性の抵抗値くらいで、動特性である電圧
周期オシロスコープでないとダメなんだ。
この手の測定は理論で分かってるけれど実際に体験してみると理解が深まる。

ただし正確な測定ができなくても無駄な行為とは言えず、見かけ上の測定結果は今後本当にピックアップ
コイルに異常が起きた時には、良否の参考に使えるので点火系配線図に記入して保存しておこう。

ご老体バッテリーも満充電してたので車体に戻してみると元気に始動し、バッテリーも完全無罪であった。

[試走]

やっとエンジンがかかったので一応修理道具を積んで試走に出かけてみる。
とりあえず、エンジンが止まった思い出の場所で休憩。

ここは戦国時代の合戦場跡で、怨念でまたトラブルが起きるかも?とビクビクしながら再スタートしてみたけど、
ちゃんとエンジンはかかった。

振動による再発の検査のために、このまま近くの短い未舗装林道を走ってみた。


特に問題も起きずに峠に到着。

[考察]
結局、ピックアップコイル、CDI、IGコイル、点火プラグ、配線は無罪“コネクタ端子の接片折れ”
による
接触不良がエンストの原因だったYBR号。

なんでCDIのコネクタ端子の接片が折れたのか考えてみたが、思い当たる節を羅列すると、

・予備用に入手した中古CDIの動作確認で抜き差しした事があり、固かったのでグリグリと
 こじりながら
抜いた記憶がある。

・キルスイッチ改造でも抜き差ししてる。

・強化配線改造でも1回抜き差ししてる。

・端子の材質は意外と硬く、繰り返しストレスで接片に亀裂が生じて破断しやすい可能性があり、
 長年の振動
で致命傷に至ったか?

・日頃の行いが悪い。

たぶん原因は最初と最後だろうw

今回のエンコに関しては完全に俺の作業ミスが原因で、油断して乱暴に
コネクタの抜き差しを行ってたのが
悪かった。


みなさんは御自分のYBRでも起きないかと心配されるだろうが、CDIコネクタを触らなければ起きないと思う。
10万キロ越えYBR,XTZの整備や改造例でもCDIの話は出てこなかったので、触らぬCDIに祟りなし。
もしも配線改造などで抜き差しする時は“固くてもできるだけ真っ直ぐに抜き差しして、不必要に何回も
行わない事”でトラブルを防ぐ事ができるだろう。

もしもピックアップコイルが故障であったら中国の春節(旧正月)休暇によって部品の発注ができずに3月まで寝て
待つはめになるところだった。
幸い、CDIコネクタに関しては規格品の端子が使われてるから、これから調査して型番を探し出して国内通販で
補修用を購入しておこうと思う。