確認調整をサボるといつの間にか伸びてたるんでしまうチェーン。
正確にはビロ~ンってゴムみたい伸びるのではなく、関節のピンの摩耗で長さが変わってしまうので
整備の頻度によって寿命が左右される。
YBR125の取説(オーナーズマニュアル)では指定の振り幅で管理調整をするように指示されていて、
これに従ってロングツーリングの前とか運行前点検で確認・調整をするといいだろう。
・センタースタンドにて車体を立てた状態で確認する。
・許容範囲はたるみ幅を定規で確認して20~30mm。
完全にノーマル状態の車体ならこの数値に従って調整しておけばOK。
問題はスプロケットやリアサスペンションをノーマル以外の仕様に変更している時で、たるみ幅の
数値が適切じゃなくなる場合がある。
俺のYBRはスプロケは歯数が変更されてるしリアサスも長さが違うので、いつもチェーン調整で悩む。
そこで先日実車で現状を確認してみた。
まず、取説どおりにセンタースタンドを立ててたるみ具合を確認。
赤い線は前スプロケとスイングアームの支点を結んだ直線で、センタースタンドではタイヤが下がってスプ
ロケ間の距離が短くなる。
前スプロケの軸を支点にスイングアームが動くわけではないために起きるマジックだ。
リアサスペンションを15mm長くしてあるのでタイヤの下がり具合がノーマルよりも大きい。
そこでリアサスを仮に外してタイヤの下に板を敷いて持ち上げ、スイングアームとスプロケ間を一直線状に
してみると、ごらんのようにスプロケ間の距離が長くなってチェーンが張られる。
チェーンの垂れ下がり具合を見比べると分かりやすいだろう。
この様にフロントスプロケットカバーを外して棒を添えてみると分かりやすい。
各スプロケットの中心とスイングアームのピボットを一直線にした状態が一番チェーンが張られた
状態になる。
体重をかけたり走らせてる時に一番チェーンが張られるのがこの位置で、チェーンのたるみがまっ
たく無いと無理な力がかかってチェーンの伸びが早まったり、スプロケの偏磨耗、最悪時にはチェ
ーンが切れてしまう場合がある。
よって、この直線状態でもチェーンがわずかだが余裕があるように調整するのが適切な方法だと思う。
おおむね10mm程度で良いと思う。
調整後にリアサスを取り付けて再度張り具合を測定すれば、それが今現在の車体に対する適正値なので
ノーマル状態との比較も含めてメモしておけば次回はわざわざリアサスを外さなくても調整値が分かる。
実測の結果、最小値30mmが適正だったので次回から40~30mmを目標に確認調整しようと思う。
やはりスプロケとサスの変更の影響は出るものだと認識できた。
サス交換をする人は多いだろうが変更後のチェーン適正値確認をしてる人は少ないんじゃないかな?
レーシーな走りを堪能してる途中でチェーンが外れたり切れたりしたら大惨事になるだろうから、早期に
確認することをおすすめしますよ。
特にサスを長くしていて固さ(プリロード)を柔らかくしても、どうも動きがにぶい場合は最長位置付近でチェーン
がパンパンに張ってて動きを妨げられてる場合もあるから特に注意した方が良い。
スプロケやリアサスの変更改造に伴う盲点の一例でした。