DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

親交親密な夫婦関係?

2017-11-18 05:45:17 | 【DV加害者更生教育プログラム】
60代男性Hさんからの投稿

親交親密な夫婦関係?

リエゾンでは交流分析を教えてもらうので、交流分析特有な言葉が出てきます。
もっと適切な日本語の訳はないのか?と思うことが時々あります。
 会の代表の中島さんは、「親交親密な夫婦関係を築く。」と度々仰っていましたが、「円満な夫婦関係を築く。」と行った方がスッキリするのにと思っていました。
 そのように思っていた時に、新しい事例研究のプリントが配られました。
その内容はリエゾンに通って別居を解消できた夫婦の、同居後のエピソードが題材になっていました。
 病気で数日寝込んでいた妻が、やっと起きられるようになった時に、小さなミスをしました。その時夫は、軽く妻を揶揄ってしまいます。翌日になって、妻はそのことに対して夫に謝罪を求めてきます。プリントに書かれている内容を読むと、夫のDVに対する復讐?と思えるような感じです。妻は揶揄われたときの気持ちを夫に気が付かせようと話し合いを続け、なんとか夫に理解させました。
 そのプリントの設問に、「この夫婦は親交親密な関係か?」というものがありました。少なくとも、夫婦円満な関係には見えません。しかし、この夫婦は親交親密な関係なのです。
 サザエさんの磯野家の波平さんとフネさん、マスオさんとサザエさんは円満な夫婦だと思いますが、実際にあの様な夫婦はほとんどいないと思います。夫婦のそれぞれが育ってきた環境、夫の会社での人間関係、妻の交友関係など、二人の考え方や感じ方が異なる要因はたくさんあります。そのような異なった考え方や判断を一致させていくには、お互いを信頼し理解して一致点を探す話し合いが必要です。
 事例研究で出てきた夫婦は、妻が夫から受けた嫌な思いを夫に気が付かせて謝罪を求めているのです。信頼関係が無ければ争いになって終わってしまう内容ですが、妻は夫を信じて気持を伝えて続けます。夫も「ミスした君が悪い。」と言わずに、妻の主張を聞き続けます。妻から責められている感じなので相当な辛抱があったと思います。
 一見すると円満な夫婦には思えませんが、お互いを信頼していることが分かります。「親交親密な夫婦関係」は親友との関係に似ていると感じました。
傍から見ると円満な夫婦が、いろいろな場面でどちらか一方が我慢をしていたとしたら、本当に良好な関係とは言えないと思います。リエゾンが親交親密な夫婦関係を目指している意味が分かったように感じました。


リエゾンからのコメント

Hさんが言うようにリエゾンの目指している親交親密な夫婦関係とはぶつかり合うことがない夫婦関係ではありません。
心に思ったこと、例えば(これを言ったら怒るかな)とか(言い辛いな)ということを
言い合える夫婦関係です。
交流分析で言う親交親密は仲良しクラブではないのです。
うわべの装った関係ではなく、本音で向き合える関係を言います。
だからそこには、信頼関係が必須になります。
この人は私を理解してくれるだろうという妻側の信頼がないと築くことが難しいのです。
この事例プリントで取り上げた夫婦は3年前まで家庭内別居でした。
彼はリエゾンに来て交流分析を学んだ時に、親交親密の言葉を初めて聞いた時
さぞかし大変なのだろうな、と思ったそうです。何故ならその時の彼には
もう自分が全てを我慢していく夫婦円満関係だと感じたからだと思います。
親交親密な関係性は世間一般の夫婦円満とは少し意味合いが違うかもしれません。
世間一般の夫婦円満とは、相手を思いやり、言いたいことも時には呑み込む我慢がどちらかに存在しながらの夫婦関係をいうと思います。
でもリエゾンで言う親交親密な夫婦関係とは、言いたいことを吞み込みません。
分かってほしい事を面倒くさくても伝えあいます。
そこには相手が切れるかも、とか、怒るのじゃないか、という心配がつきものです。
とくにDVを受けてきた妻には至難の業でしょう。
でもできるようになります。
その時には、私の気持ちをちゃんと理解してほしいということをあきらめないことが大切になります。
リエゾンには「夫には切れずに受け止める姿勢」を、妻には「呑み込まずあきらめずに伝える姿勢」を身に着ける実践力があるのです。
日本の夫婦たちは相手の顔色を見ることが上手ですし、良い事だとも捉えている節もあります。でもそれが結局DV関係になってしまっているのではないでしょうか。
顔色を見ることは子どもにも伝播していきます。安心した家族関係を作ることがリエゾンの理念ですので、子どもが「これ言ったら怒られるかな?」と考える親子関係にならないようにします。
そのためにはまず妻が安心して夫に気持ちを伝えられること、これが一番のベースになるのです。親交親密とは、安心と信頼の上に成り立つ本音の付き合いなのです。
ちなみに事例の男性は親交親密の関係性についてこう話しています。
「親交親密って大変なのかと思ったけど、すごく楽なんだね。心理ゲーム(親交親密の手前の段階)にいるときの方がきつかったね。」と。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福岡にてマクニールご夫妻と... | トップ | 12月の予定 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【DV加害者更生教育プログラム】」カテゴリの最新記事