DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

DV加害者にカウンセリングは必要か2

2016-08-19 00:11:27 | 【DV加害者更生教育プログラム】
前回、次の記事の内容でカウンセリングを必要な人かをどう見分けるかを書くことをお約束していました。
そこでいくつかのタイプを提示しましょう。なお、リエゾンで行われているカウンセリングは倉成央先生監修のインナーチェンジングセラピー(感情消化型の再決断療法。注1)を指します。


「1」大人とは思えないほど子どもっぽい考えで自分優先。難しい話になると怒り出したり、逃げ出したり、妻をお母さんとしかみておらず自由を奪う。今さえ楽しければ良くて、大事な事が決まらない。すぐ感情的になり、嗜癖に走りやすい。ギャンブル、お酒、たばこ、薬物等にはまると止められない。周りが険悪な雰囲気になるとその場を取り直そうとする。
 この方は加害者プログラムだけでは難しいと思われます。カウンセリングが必要でしょう。

「2」親に対してとても良い息子である。親の顔色を伺っており、妻の気持ちはまるで聞こうとはしない。実家のために妻が奉仕するのは当然という考えで、妻がどんなに奉仕しても感謝の気持ちがなく召使いのように扱う。ジャンダー意識が強く子ども達にも怖い父親である。子ども達はいつもビクビクしている。妻はもう少し家族を大切にしてほしいと思っているが、本人は充分大切にしていると思っている。
 この方は加害者プログラムだけで改善は難しいと思われます。カウンセリングが必要でしょう。

「3」何かというとすぐ手が出る。怒鳴る、ものを投げる、壊す、怖がらせる。親から大変厳しい躾を受けてきた。我慢を沢山してきた。結果を出すことでしか認められなかったので、ものの価値基準が学歴や、資産、仕事の内容、に偏る。努力をしないものをゴミ扱い。妻に対しても能力を比べたり、馬鹿にしたり、人間としてみていない。
 この方は、加害者プログラムだけでは改善は難しいでしょう。カウンセリングが必要です。

以下はカウンセリングが必要ないと思われるタイプです。

「4」ジェンダー意識が大変強く、男たるもの、女たるもの、こうあるべきという考えが強い。妻にもそれを要求し、周りが思い通りにならないと不機嫌になる。夫と夫の親との関係は、妻が気になるほどはっきり親に自分の意見を言う。子ども時代は甘えられて育っている。子どもに対して男の子は女の子は、に拘りそういう躾をする。妻の考えをまるで認めず、従属物のように思っていて、妻の自由がない。
 この方は加害者プログラムのみで改善の可能性が大きいです。カウンセリングの必要性はないでしょう。

「5」 夫婦喧嘩が絶えず、言葉でお互いをなじり合う。いかに相手を傷つけるかを目的にしている。お互いにゲームになっていて降りられない。別れる気はなく、バトルの毎日。

どちらも相手を怖がっていないなら、加害者プログラムのみで改善されるでしょう。子どもが巻き込まれて被害に遭っている(両親の感情のはけ口)のなら両親にカウンセリングの必要性があります。

以上予想される禁止令から見たカウンセリングの必要性でしたが、あくまでも予想ですので実際はもっと細かな背景の聴取が大切になります。

加害者プログラムでは、事例に基づき妻、夫の立場や気持ちを考えて行きます。裏面に隠された気持ちの機微などを読み解いて行きます。学んでいくうちに自分の行動言動の原因、妻がなぜこう言ったのか、あの行動だったのかを自然に感じられるようになります。(グループワークで行います)
感情消化型の再決断カウンセリングでは、生育歴のどこで自分を諦めたり卑下したり、無力感を感じたのかを考えて行きます。この時々に禁止令を幼児決断していますから、カウンセリング時に再決断をしていきます。自分を変えるのは 自分しかできません。(個人面談で行います。)
どちらにしても自分を変えたい、変わりたいと思うことがなくては変わることはできません。
裁判対策で来ている人には変わることができないのです。
すべては自分次第なのです。

注1。感情消化型の再決断療法…倉成央先生が再決断療法の弱い部分を補うために考案、実践された。インナーチェンジングセラピーとも言う。多くの実績、効果がある上に、愛着の問題にも対応可能である。
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