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電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳

2015-01-01 00:00:00 | 成龍的電影

ちょっと懐かしくなる1本です。この映画は劇場ではなくテレビで放送されただけだったのですが、映画雑誌ロードショーにも放送予定が載っていて、当日の放送を楽しみにしていました。(もちろんナイターの代わりではありません。。)
本編終了後、ミニ番組「ジャッキー・チェンの魅力のすべて」も放送してジャッキーの簡単な紹介をしてました。当時はこんなおまけまで放送してくれるのかと喜んで見ていたのです。ナレーターは石丸さんでしたね。(某伝説に書かれていた「ジャッキー・チェン魅力のすべて」は惜しい、”の”が抜けてた。。)
ちなみに今、ニコ動にアップされてるのは初回放送時のものですね。(時間は8分間でした!)いろいろ探してみると、予告編とかもあって面白いですね。

予告編より

あと、吹き替え入りのDVDもあとから格安で発売されましたけど、その前は北京語の夜バージョンが特典に入ってるのとかもあったりして、昼と夜のバージョンがあるなんてこんなの他にはないですね。胡散臭いある意味特別な映画ですからね(笑)

そういえばこれのVCDに入っている音声の右のチャンネル(広東語の方)には、聞き慣れたいつもの曲とはまったく違うBGMが使われいて違和感があったりしました。「酔拳」のフィルムが挿入されている特訓シーンでは「八つ墓村」(77)より「惨劇・32人殺し」の曲が使われていますね。

「必殺鉄指拳」いま見るととても懐かしいですが、昔はこんな放送もあったということで・・・。今じゃ、ありえないありえない。当時の豪華な声優さんによる月曜ロードショーの映像を引っ張り出してと。(終)


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少林寺羅漢拳

2015-01-01 00:00:00 | 七十年代作品【1975】
「少林寺羅漢拳」はメン・フェイ(孟飛)やカーター・ワン(黄家達)、そしてシー・フォン(徐楓)主演の75年の古い台湾のカンフー映画です。

注)邵氏の「少林羅漢拳」(原題『三闖少林』)とは別の映画です。

少林寺を舞台とし、ある男の復讐劇ともう一人の青年の出生の秘密がキーワード。
十八羅漢が登場しますが、形だけのものに見えますね(笑)

私が中学生のころ、この映画をテレ東で放送するって時に塾に通っていたのでその時間帯はテレビを見れなくって、とても悔しい思いをした記憶がありました!(相当昔の話・・・。)

83年の新聞のテレビ欄に載ってたのを引用してみると、幻のカンフー秘技大爆発なんて書いてあって、この宣伝が余計に悔しい思い(当時はですね)をしたんだと思います。その解説は”過去を悔いて少林寺の僧になった父と、父を捜す若者の運命的な出会い。”なのだそうです。たった一文で映画を表現する新聞欄って凄いなぁと思いますね。

この頃はテレビでの放送がとても多かったのですが、周辺とか関連するものとか、また見直してみたりしてみると面白いですね。


そういえば、同じテレ東で「少林寺羅漢拳」の前の年には、アニメ「ドラゴン水滸伝・四大魔王との戦い」も放送してましたね。
このアニメはVHSも発売されたようですが、(どうやらビデオ発売前に放送されたらしい。)今でこそカンフーのアニメなんて当たり前のようにありますけど、当時は「ドラゴン水滸伝」(劇場公開済み)のようなアニメもあったりして楽しかったですね。

さて「少林寺羅漢拳」を久しぶりに見てみると、確かに古い映画であるので作りもシンプルで、いかにも台湾らしい地味な映画だと感じますね。(どちらかというとドラマに近い。)

ロケ地は「拳精」などで有名な台湾の行天宮。半分ぐらいはここで撮影したシーンじゃないかって言うぐらいこの寺院が出てきます(笑)
ここは関帝廟だそうなので、横浜中華街の関帝廟に行ったようなものですね。

で、ここを少林寺として黄色い法衣を着た僧侶たちが羅漢となって寺を守るという設定です。(確か「拳精」も羅漢たちがこの行天宮で出てきましたね)
 1、2、3、4・・・16人。あと2人います。

このフォーメーションはラストでもう一度出てきます。

 

メンフェイさん


映画の序盤。ある武芸者(カーター・ワン)から友人に赤ん坊が預けられて10数年。成長した青年(メン・フェイ)は、育ての親から衝撃的な事実を知らされる・・・。
こう書くと主役はメン・フェイのはずなんですが、最後まで見ると結局よくわからなくなって来ます(笑)

日本語版でメン・フェイの声をアテたのが、なんと石丸博也。(これは珍しいケースでしたね。)
メン・フェイさんはいつも女優さんに囲まれている感じですが、この映画でも旅に同行するスリの女とか、いつもどうなるのかなと展開が気になります(笑)
ちょっとはしゃいでる感じ?

ここの敵のお相手が楽しい!(孟飛版「笑拳」!?)

「カモン、カモン」

最後は「まわし蹴り」。ひょうきんなメンフェイ

テレビだとメンフェイの登場シーンがいくつもカットされてます。たとえば、夜、姉に怒られ家に戻らされた後の次の朝のシーン。
町を歩いて、輪投げのゲームをするメンフェイがカット。確かに本筋とは無関係のあまり重要なシーンじゃないんですが、輪投げのウマさにビックリします。(NGを何回出したか知りませんけどね(笑)

逆に海外盤DVD(短縮版)だと、スリの女が食堂に入って来てからのシーン、夜、屋敷に来たチャンイーらとシーフォンが戦うシーンがカットされています。

↑で、よくわからないと書きましたのがチャン・イー(張翼)です。この映画では盗賊のボスになったり、後半には政府の回し者(ラストはさらに別人に・・。)といろいろ変わってしまうのです(苦笑)
チャン・イーって武侠片の若い頃は主役を張ったりしてたのに、悪役をやるようになったのはいつ頃からなのかちょっと気になりますね。
チャン・イー

衝撃のラストシーンを演じたカーター・ワン。カンフーアクションは少ないので、ちょっと物足りないですが、冒頭で少しアクションを見せた後、少林寺の僧になって
ヒゲを生やした物静かな人物を演じています。(「少林寺への道」よりちょっと前ぐらいになるのかなと思います。)
少林寺管長になったカーター・ワン

あまり活躍する場面が無いですが、シー・フォンがメン・フェイの姉という設定でした。(年齢的にそうなってしまうのかな??)
出番が少なくてちょっと勿体無いですね。
姉御

この映画は「カンフー十八羅漢陣」というタイトルのVHSが発売されていましたが、気になるデータとしては、字幕なしの英語版ビデオの話は有名でしたけど、これが約90分のロングバージョンであるということ。

また、英語タイトルは"18 Shaolim Disciples"と、shaolin じゃなくて最後がm の"shaolim"になっているのがちょっと不思議といえば不思議。
(通常なら少林はshaolinとなるはず)
映像でも海報でも同様の表記でした。

”十八”の人文字のフォーメーションで十八羅漢完成!
 THE END

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必殺ドラゴン鉄の爪

2015-01-01 00:00:00 | 劇場公開作品研究

ブルース・リャンの主演作が74年のブームのとき劇場公開されました。『生龍活虎小英雄』という原題の「必殺ドラゴン鉄の爪」です。過去、ブログ記事でも確か書いたことがありました。何を書いたのかまったく記憶なしですが(汗)

ブルース・リャンをはじめてみたのはいつだったのかなぁ?最近は70年代のさまざまな映画の香港での出来事ばかり研究していたので日本国内での劇場公開作については少し遠のいていました。

 

『生龍活虎小英雄』オープニング

出演したスターはブルース・リャンをはじめ、「クレイジー・パートナー」のウォン・ユンサン、ジェームス・ナムなど。女性は少ないのですがフー・チンさんも出演。

では名場面集をどうぞ。

彭老大ことブルース・リャン登場!

テレビではここから始まった(!)


探偵(黄一清)のウォン・ユンサン(左)


”鉄の爪”木野中佐、ジェームス・ナム

敬礼!(左から孟海、王元泰、韓国材、呉明才)

フーチンとリャン

若き日のチャン・ウーロン

せまい道をゆくハン・コーツァイ

そういえば先日、知り合いの大先輩からこの「必殺ドラゴン」に関するお話を教えていただきました。「必殺ドラゴン」を当時劇場でも鑑賞されていたそうで(これだけでもかなり貴重な体験談と思います)、少しあとになってテレビで放送されたときは大幅にカットされていて番組解説の後、チェン・ラウの変装を見破った後のリャンのアクションシーンあたりから始まったそうです(少し編集かな?)。日本軍も某民族連合と呼び名を変えられてたんだそうです。当時はまだ70年代前半でしたから今とは世の中も随分違っていたかと思うのですが日本の置かれた立場はいまとさほど変わっていないようにも思えます。
先日挙げました倉田氏の数々の出演作もブームに乗っていくつかの作品は日本の劇場でもかかっていました。私は「復讐のドラゴン/武道大連合」ぐらいしか知らなかったのですが、倉田さんの出演した香港や台湾の映画でも結局のところ日本人が大いに関係ありますし私のように古い作品が大好きなファンだって日本には大勢いるのですからね。日本のこと、日本の将来、そんな話はここでは置いといて、いつでもそんな昔の映画をみていたい。敵が日本人であろうとなかろうと戦う(もちろん、スクリーン上で。)映画を見る理由なんて不要で、気軽に映画を楽しむ。私はそんな楽しみ方をしています。
またいつか74年頃のようなブームが何かをきっかけに起きて欲しいなぁと思います。新作もいいけど旧作の上映。どれか一本だけでいいのですが(でもやっぱりコレ。「必殺ドラゴン鉄の爪」!!!)劇場で上映したのならファンは絶対足を運ぶはずです。いまの映画館の宣伝マンは軍服を着ているじゃないですか、・・ってあっちは鷹の爪だったか(爆)

でもチョビヒゲと言い、マントといい、このオッサンてば、あの総統さまに似すぎだよなぁ(笑)

 

 

 

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香港艾曼紐

2015-01-01 00:00:00 | 七十年代作品【1977】

『香港艾曼紐(女へんが正字)』という作品。77年製作、香港版の「エマニュエル夫人」。→リンク

監督は、カーター・ワン主演『人鬼蛇狐大決鬥』の監督として知られる文華。

この映画ではニコラス・ツェーの母、デボラさんが主演をしています。

アップ。どうでしょう、こうして見るとニコラスに似てるかな?

内容的にはあまり大した話ではありませんので割愛しますが(意外にソフトです)
金帝とか唐天希など、よく見かける人物も出て来ますが、たとえば冒頭から出てくる主役の一人・劉志榮(「ポリスストーリー香港国際警察」での憎っくきボスの弁護士役が印象的!)がこんな役をやっています。演技はあのまんま(笑)。

ラウ・チーウィン

主人公の父親は邵氏などで活躍していた張佩山(女優ではこちらのブログではおなじみ歐陽莎菲や劉雅英)

 劉雅英さん(時期的には『蛇鶴八歩』に近いと思います。)

 

唐天希が加わってちょっとした乱闘シーン

特筆すべきはとても若いン・マンタが出演しているところではないでしょうか。
とても若いので誰だかわかんないかも!?雰囲気出てるでしょ

 素敵なニコママでした~。

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除霸

2015-01-01 00:00:00 | 成龍的電影

今夏劇場公開された武侠作品「レイン・オブ・アサシン」ですが、皆様御覧になりましたでしょうか?
ジョン・ウーが台湾の監督本人と脚本を気に入って映画化したんだそうですが、ミシェール・ヨー、チョン・ウソンをはじめとする豪華キャストやジョン・ウーがこの映画で愛娘をデビューさせたりするなどなにかと話題になってたのが記憶に新しいところです。 
また、「フェイス/オフ」でも見せていた顔を入れ替えるという荒唐無稽さは人生の再生を意味するジョン・ウーの世界観になっていたと思います。

今回記事の作品は72年製作の帝國公司作品『除霸』です(ジャッキーも端役出演)。この『除霸』と「レイン~」の共通点はどちらもジョン・ウーが関わっていることになります。(ジョン・ウーが『除霸』の助監督。実質的には監督だったのではないかと睨んでいますが。)

『除霸』は"Hong Kong Face-off"という別名(というかアメリカでのビデオソフト題名)も付けられていましたが、実はこの『除霸』という映画は過去に邦題が付けられており、東京フィルムサービスから発売されていたSUPER8(8mmフィルム)がそのダイジェスト版(白黒!)でした。

Fists of the Double K

 11/9現在、この貴重な8mm映像をyoutubeで見ることが出来ます。 
痛快!スーパードラゴン ダブルK

 ついでに同社が発売していたのが「死闘!香港のゴッドファーザー」(The Godfathers of Hong Kong)です。

 

フィルムはこちら

少し解説しておきますと、この「死闘!香港のゴッドファーザー」は原題を『満州人』といい、73年に製作されましたが検閲に引っかかり香港で上映禁止となった作品です。これもジョン・ウーが助監督をつとめ、ジョン・ウー本人いわくジャッキーも関わった作品になります。

ちなみに芳賀書店刊・ドラゴン大全集によれば他にも「ホンコン・コネクション」(原題:『黒人物』)や「サンダーキック!」(原題『一網打盡』)の8ミリフィルムも未確認ではありますが発売していた模様でした。

話を戻しますと、『除霸』という映画はユエン・ウーピンが武術指導して父親であるユエン・シャオティエンも出演、当時波に乗っていた呉思遠の流れを汲むスタッフ、出演者で構成されているのに関わらず、国内ではあまりにもB級すぎて完全に無視されている状態が続いていました。
今回の”ジャッキー100作”の詳細が明らかになった今、ジャッキーが無名だった頃の初期作品群ももっと注目を集めてもよいのでは?と思い、今回の記事を書いてみた次第です。

『除霸』では主人公ユー・ヤンが目の見えない少女の明るい将来を奪った悪者と対決し、少女の未来を見事奪い返して再生してみせたなかなかの内容だったと思います。
私事ではありますが、この10月から職場が変わって心機一転、半年前から仕事をしながらの充電期間(!?)を経て徐々に進行して新しいスタート(でもより過酷な戦場に(爆。)を切ったのでした。
これはジョン・ウーのテーマでもあった”再生”を私自身がしてみたことになるんだと思います。 (何にでもチャレンジして行けるうちはまだいいですネ・・)

あなたも人生の再生をしてみませんか? 

 

これがホントのHong Kong Face Offだ!(嘘)


 

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黄飛鴻酔打八金剛

2015-01-01 00:00:00 | その他・研究
先日放送された「ドランクモンキー酔拳」ですが、ジャッキーが演じていたのが御存知、ウォン・フェイホンでしたね。この若きウォン・フェイホンが使っていた酔っぱらいの拳法(=酔拳)の元ネタであると言われているのが68年に製作されたクワン・タクヒン主演の黄飛鴻シリーズの1本である『黄飛鴻酔打八金剛』です。



ジャッキーの「酔拳」で蘇化子を演じたユアン・シャオティエンが猿拳を使って、タクヒンの”酔拳”と一戦を交えるなんて夢のようなシーンが見られます。





ちなみに本作品では、「燃えよドラゴン」シー・キエン(残念ながら昨年亡くなってしまいました)や「酔拳」などでもおなじみのフォン・ギンマン、そしてシリーズではレギュラーの西瓜[包リ]なんかも勿論出演していますね。





クワン・タクヒンはその後70年代にもハーベストで「スカイホーク鷹拳」(74)や「燃えよデブゴン7」(79)に登場して、まだモノクロ映画だった頃と同じ衣装でウォン・フェイホンを演じていました。 50年代のスター・タクヒンが数々の黄飛鴻映画に主演し、そしてその青春時代をジャッキーが演じることになってブレイク。不動の人気を手にしたなんて実に素晴らしい事ではありませんか。酔拳を楽しんだら、機会がありましたら旧作の黄飛鴻シリーズも是非!


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嘉禾「鐵漢柔情」&「奪命金劍」発売!!

2015-01-01 00:00:00 | ソフト情報
ついに、ジョン・ウーの「鐵漢柔情」がJoysalesより発売されます。
”これを待っていた!”というファンも多かったのではないでしょうか。
当ブログでは紹介していなかったと思いますので、簡単に紹介します。
これはジョン・ウー初監督作品「カラテ愚連隊」の再編集版です。
素晴らしい内容なので是非!(詳しくは別途)

また、「奪命金劍」は黄楓監督の武侠片ですが、洪金寶が武術指導したことで良く知られています。
こちらで黑珍珠さんがレビューされています。
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JoySalesから永恆的經典系列VCD(香港版)

■「鐵漢柔情」(6/29発売予定)
■「奪命金劍」(6/29発売予定)

当ブログでも登場しました豊年影業のこちらも発売です!
■「雍正與年羹堯」(6/29発売予定)
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少林寺拳道

2015-01-01 00:00:00 | その他・研究
今日はリューチャーフィ主演作品について。(2005年に封印した記事をベースに加筆して書き直しています。)

SB製作「少林寺拳道」はラウカーリョン監督作の中では割と好きな作品である。私が最初に見たのはテレビだったのだが、知人から89年当時劇場で上映されたことがあったとの情報を以前に聞いていました。

劇場での上映情報に関しては雑誌では”ぴあ”の地方版とかあれば一番いいと思うのですが、当時のバックナンバーを入手するのはかなり困難であり、各映画雑誌なんかでも該当する目当ての記事をそう簡単には見つけられないんですね。
やはり手っ取り早いのが新聞ということになります。日々の新聞に広告が載っていて上映時間も書いてあったりするので映画雑誌なんかよりはずっと正確である。
いくつかの新聞でその上映広告が確認出来たのだが、全ていわゆる”スプラッシュ公開”というものになりますね。
「少林寺拳道」以外でも過去には「いれずみドラゴン嵐の血斗」や「血斗竜門の宿」(これは先行上映)も同じ地方スプラッシュだったとされる。

例えば、高松東映での上映時にはこんな新聞広告が掲載された。(四国新聞89年9月7日付。)
邦画「悲しきヒットマン」と同時上映

キャッチフレーズが”鍛えれば全身が武器になる”とか、”未来よりも遠い「今日」があることを知る”とか書いてあるのだが、驚いたのはその英語タイトルだ。何と"Fire spirit of shaolin"になっていたのである。このネーミングとてもいいですよねぇ。もう最高!!(何かに使わせてもらおうかな)他では蔦のようなものがからまったロゴの広告なども見られたが実際に使われていたかどうかは分からない。

さて、過去にテレビで放送したこともあった「少林寺拳道」だが、私が見たのはテレ東の木曜洋画劇場だった。(少林寺映画なんて最近は洋画劇場じゃ全然やらないのだけれど)放送日は1991/7/25になっていた。

これが劇場版と同じ素材であったのか全く不明なのだが、DVDなどで見られるものとは異なる「少林三十六房續集」の題名(要するに台湾ver)で放送されていたのだ。

本編は普通の少林寺の修行僧の話なのかなと思ったら凝った作りだしコミカルでなかなか面白い映画だなと思ったものだった。映画には笑いもないとね^^/

テレビ用の日本語吹替に関してはいま思えば豪華な声優の起用だったと思う。韓国人コンビの権永文と張一道には大塚芳忠と二又一成。サンテ管長(京柱)には小川真司が。江島なんて「燃えよドラゴン」でブルース・リーをアテたこともある谷口節であったのだ。これは吹替ファンにはうれしいメンツだ。主役のジェンチェには、ちょっぴり違和感もあった堀内賢雄だったけれど、明るい役どころにはピッタリ。ホントでよかったですね。
尚、テレビでの役名で台本からそうなっていたと思われるのだが、張一道が演じている元力豪(Yuen Li Hou)と権永文演じる権民(Chuan Min)は役名が逆になっていた。些細な事だが念のため付け加えておく。

80年代のブームも既に去ったであろう'91年夏、突如としてこの作品が放送されたが、先の驚くべき89年のスプラッシュ公開前にも予兆(?)があった。
「少林寺」大ヒットで83年に近代映画社から出ていたトップページのリーリンチェイの笑顔が印象的なクンフー映画大全集には「少林寺三十六房」公開時の特集頁があった。後で気づいたことだがこれには写真がいくつか使われていてその大半が「少林寺拳道」のものだったのである。その写真からはコミカルな要素は感じられず全く違和感がなかった。(これらは三十六房のどこかで使われているシーンなんだなと思っていたからなのだが。)逆に言えば当時からその様な資料が存在していたということにもなるが、おそらく三十六房公開後すぐに劇場公開を控えていた事も可能性としてはゼロではなかったと思う。まぁ内部の事情は分かりませんけどね。

ついでに、この映画の原題についてのメモを。香港での原題は『少林搭棚大師』。製作当初は『搭棚小子』と呼ばれていた。搭棚とは広東語の辞書で調べてみると搭が棒や柱の組み立てを表し、棚が工事現場のテントなどを指すので棚(足場)を組み立てる意味になるようだ。
海外に目を向けると英語圏のビデオは『RETURN OF MASTER KILLER』のタイトルで本編は同じものになる。(出演者のクレジットは最初に出る。)MASTER KILLERの方が有名なのだからこれは続編扱い。また2003年春、米ミネソタ州で中国電影展が開催された時は『少林大膨大師』として紹介されていたらしい。

最後に、この映画で一番好きなシーンを挙げるならば、竹紐を使ったアクションになるだろうか。これを見た時、とある引っ越し業者の職人の為せるワザを思い出した。彼は腰に付けたビニール紐とカッターを器用に使って私の目の前でぱぱぱっと荷造りしてみせたのだ。あまりの手際の良さに感動し、これこそ現代の搭棚大師だと思ったのでした。終


参考文献:
1997年 キン・フー武侠電影作法
1983年 スクリーン増刊クンフー映画大全集
1984年 香港電影百科


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