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ジェニンの心。

2009-10-08 23:08:26 | film

こないだイタリア文化会館に観に行った難民映画祭の続きで、今日はドイツ文化センターで『ジェニンの心(In the Heart of Jenin)』を観てきた。今日が最終日だったのもあってか、会場は超満員で立ち見の人までいた。そんな中、一番後ろの席だったけど、ギリギリ間に合って席を確保できたのでラッキーだった。

今回の映画は、ドイツ人監督が撮ったイスラエル・パレスチナ地方での実話を元にしたドキュメンタリー。あらすじは(以下、パンフレットから引用)「パレスチナ自治区のジェニン難民キャンプで、1人の少年がイスラエル軍に射殺された。複雑な心境の中、数時間後に、イスラエル人の子供たちへの臓器提供を決意する父親の人道的行為が、パレスチナとイスラエルの対立に一筋の希望の光を灯す衝撃のヒューマン・ドキュメンタリー。」というもの。この少年は、おもちゃの銃で外で遊んでいたら、武装兵と間違われてイスラエル軍の糾弾に倒れた。そんな、決してあってはならない人間のミスで起こった事件を元に、民族間の歴史的・宗教的に複雑な背景を持つ人たちが、苦悩しながらも出会って、理解し合っていくところが、なんとも人間味があってとても良かった。歴史的にも宗教的にも背景が全く違う私には考えてもみなかった問題だけど、きっとずっと根の深い奥のほうでは、そういうことは関係無しに、ただ人の命を救うっていうことはもっと純粋で、イスラエル人もパレスチナ人も、そして日本人も何も変わらないっていうことなんだと思った。

映画の後に監督を交えてのQ&Aの時間があって、「ドキュメンタリー映画には人を動かす力がある」と監督が言っていたのが印象的だった。最初にこの映画をジェニンある映画館で上映したときに、実際に映画の中の登場人物たちと同じ背景を持つ人々の中にもそれを感じたと言っていた。

この映画祭を主催しているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使のアンジェリーナ・ジョリーはこの映画祭に向けて、

“Film is an important medium to introduce the many aspects of the lives and circumstances of refugees across the world, and through this entertainment vehicle, create better awareness and understanding.”

(映画は、世界各地における難民の多種多様な境遇や生き様を紹介できる重要な手段であり、エンターテインメントを通じ、この問題へのより良い知識と理解を育むことでしょう)

というメッセージを送っている。そして、そのメッセージは確実にこの難民映画祭の成功への一途を辿っていると思う。 


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