京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「ご明察!」

2012年10月03日 | 映画・観劇

日本では唐から「宣明暦」が伝わって以来、江戸時代初期までずっと同じ暦法が使われていた。次第に誤差や不具合が生じてきたのを改暦したのが安井算哲、のちの渋川春海で、幕府の天文方になって、苦心の末、日本独自の「貞享暦」を編纂した。改暦を機に幕府が暦の内容を統制する仕組みに整えられる。

それまでは長い間、「宣明暦」をもとにして各地の暦師がそれぞれに暦を作っていた。
岡田芳郎氏は『春夏秋冬 暦のことば』の中で、春海のエピソードを伝えている。
【春海は海で釣りを楽しもうと海辺にやってきた。が、地元の船頭に「今日は二百十日で、必ず時化る」と断られ船を出してもらえなかった。怪訝に思っていたが、水平線上に現れた一点の雲がみるみるうちに空を覆い、大風雨となった。すでに伊勢暦では船乗りたちの長年の経験により二百十日は凶日としていたのだった。
春海はこの体験に基づいて、「二百十日」を全国の暦に記載するようになった】などとある。

      ネットより
会津藩主保科正之、水戸光圀、本因坊道策、村瀬義益、関孝和…。泰平の時代に新たな息吹を…と、算哲を支える人物が好ましく描けていて、笑いあり、まあるい気もちにさせられたりと、「本屋大賞」受賞作品・沖方丁著『天地明察』の映画化を楽しんだ。

「ご明察!」「ご明察!」 この言葉がやけに気持ちよく響いた。 外は真っ青な空!
コメント (9)
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