つはぶきはだんまりの花嫌ひな花
三橋鷹女がそう詠んだ石蕗の花が咲きだしている。
妙に暗いコンクリート塀近くだが、鮮やかな黄でぽっと明るさが増した思いがしている。「石蕗」は冬の季語、本来なら寒さがつのる中で、懸命に背筋を伸ばして耐えているふうにも見て取れるのだろうが、季節的にはひと月も早いかと思われる開花だ。比叡おろしが吹くのにだってまだ少し間がある。
鷹女は嫌った「だんまり」だが、石蕗に感じ取れる寡黙な芯の強さは私には潔いと思える。毎日茎の先端が少しづつほころび大きくなっていくのを楽しんできた。そこに咲いていてくれるだけで嬉しい。
低く雲が垂れた山向こうから朝日が差しかけてきていた。雨上がりの朝の冷気が肌に心地よく、我に返る思いで思わず深呼吸になった。よいことありそうな予感。楽しい日々を気ままに過ごし虚脱や放心と言うほどではないが、、それでも時には人生の類まれな美しいものを見せられたような衝撃を得ることもある。人生の装飾品、宝石にも増さる財産にして、そろそろ目覚めよと今朝の空気が。
深まりゆく秋をもうしばらく楽しまなくては。気分一新、でも、ポチポチに日常に戻ろう。ちょっと支離滅裂…??