京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「大志を抱け-」

2012年10月08日 | 日々の暮らしの中で

京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞された。昭和62年の利根川進さん以来である。国の舵取りに関わるはずの総裁選、内閣組閣の話題でさえ、また大阪のとある集団の国政参加云々のニュースなど何の感慨もなく見聞きしていたが、この知らせはとびっきり嬉しい、誇りに思える快挙だ。
朝刊で「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」年次総会が国立京都国際会館で開幕した記事を読んだばかりの日の、夕刻のことだった。

世界約80カ国・地域の政府関係者や科学者が集う総会で、6年前にiPS細胞を作り出した氏は「技術が有用でもコストが高ければ途上国など多くの国の人が使えない」と述べたことが記されている。「コスト高が新たな医療技術の普及を妨げてしまう」と。

民間企業による独占の特許ではない、「独占させないための特許」を京都大学で取得している。研究が進むだけではなく、患者が恩恵を一日でも早く受けられるように…と、氏のビジョンには、iPS細胞を患者に届けるという確かなものがあり、研究者の努力で技術が進められていっている。

わずか6年での受賞。もう20年もしたら山中さんがノーベル賞を、などと聞いてもいた。だが、「革命を起こした」と授賞理由が述べられていたが、過去の業績に対する評価ではなく、“これから”への期待が大きく込められているようだ。世界中に花開いているというではないか。
若い人が、素晴らしいと受賞の喜びを語っていた街角インタビュー。大きな夢を!!そして地道な努力を!とどなたかも語っていた。

「9回失敗しないと1回の成功は手に入らない」、高校生に向けたこの氏の言葉もある。
やはり、「青年よ、大志を抱け」ですね。
コメント (6)
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