京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 ためらいがちに

2012年10月01日 | 日々の暮らしの中で
台風一過、今朝は上天気…、と言う具合にはいかなかった。あいにく一日日差しはなく、今宵の十六夜の月見にかける期待も危なっかしい曇り空だった。
夕刻から、伏見区にある社会福祉会館まで出向いた。駅の改札を出れば、6時半だというのにすでに真っ暗。こんな時間に一人ひょこひょこ歩いているのが淋しくなって、6、7分の距離だが、帰りたくなってくる。「赤おに」と書かれた赤ちょうちんが灯っていた。
一気に深まったような秋の気配を感じながら、もっと厚着をしてくるべきだったなと寒さが少々応えた。


遠方なのでいつもひと足お先に切り上げて帰るのだが、今日は帰りも一人。寒い。
ふと見上げた空に、月光を受けた群青色の雲間がくれにお月さまの姿が認められた。今にも輝くフルムーンが姿を現わしそうでいて、たゆたう十六夜の月。雲の後ろへ隠れては、わずかに輝きを見せるばかり。なにをためらうのか。伏見と言えば龍馬だが、お龍さんと一緒に眺めたであろう同じ月がそこに…。

電車に乗り遅れてはエライこと、前方上空を向いて足早に駅へ向かった。




コメント (6)
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