試食して 買わされたら それは敗北
買わないから 試食はおいしい
買わずに 試食だけした時 真の勝利者となる
“みさえさんの訓示”
人は共に何かをする(do)事でつながりを実感し意識も高まるようだ。子供達の遠足・修学旅行、スポーツ選手の強化合宿も然り。同じ釜の飯を食い、個々を知り連帯を深めていく。畑仕事に共汗し、やがて実りを前にしては共感、共食。それは嫁姑の関係改善に一役も二役もかうのだろう。
困った時のデパート頼み、食品売り場の試食フルコ~ス。そうなると……。
アイディア満載、何でも自分で試してみたい婆さまは、「おいしい」と口にしながらその作り方を聞き出そうとする。「買ってよ~買ってよ~」、しきりに促す3歳児Jessie。
(バカモ~~ン、ナニヲツマランコト……)「ハヨウ 行くよー」と軽く婆さまを押すのが、外食嫌いで本の谷間に暮らす大黒柱。
人数さえ集まれば多少の恥は掻き捨て、「ちょっとからくな~い?」「買って帰りましょうか~?」とニコッ、傍らから即座に「いらな~い」と3歳児の助け船。惜しそうにその場を去る役回りは私。
とまあ、我が家を想像すればこんなキャラをひっさげて、真の勝利者を目指したフルコースの舞台を回るのだろう、きっと。
3歳児でさえ、最近はしきりと「恥ずかしーじゃない」って顔を覆う。
根はかっこ悪いのがお嫌いの見栄っ張り族、しかし、それぞれの思惑もちぐはぐなこの家族、孤独の奈落に沈むことのないよう、どんな手でつながり合おうか。フルコースさえだめとなると……。
主婦の鏡に映るものは、新聞折り込みのチラシばかり???