goo blog サービス終了のお知らせ 

京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ただ広いだけでいいのに

2009年03月01日 | 今日も生かされて
週末、思わぬプレゼントをもらったような好天気に恵まれた。
植物園では温室内の「花の回廊」を巡り、豊な色彩に酔う今が盛りの“春”がそこに。
母親と動物園に行った3歳児、小さな観覧車が音をたて揺れた怖さを真っ先に報告してきた。ここも少し規模を大きくする計画があるようだ。

下京区の梅小路公園隣接地に水族館を整備する構想、さらには交通博物館の計画までがある。
「森と海と都市を一つの空間に融合」とうたいあげ、内陸型大規模水族館・環境共生型水族館・地域に愛される水族館―を提案している。

休日は家族連れで賑わい、子どもたちが駆け廻れるところ、大人の憩いの場にもなる、ただ何もない広い空間が存在する。
周囲から生きている緑が消滅しようとしているとき、何かしみじみ、切実な感情で本当に必要なんだろうかと考えさせられる。

海がないからこそ、海を体感できる学習施設には大賛成だという声、そう言われればそうかも、だけれど……。
大きな「箱もの」を一度作ってしまえば、概してその維持や運営の状況は厳しいことも各地に認められる事実ではないのか。

健全な人間が、よく学び、よく働き、何よりもよく遊んで自然界の中に存続できるように、緑の復元に協力することならともかく、素直に喜べない部分が大だ。
自然界の中で一番ちっぽけで弱いのが人間だと思えば、大きな自然、豊な緑があることは生きる上で前提でもあり、不可欠なのだろうに。

「箱もの」で視界をさらに遮られるよりも、子どもが思いきり走り回り、お弁当食べてお昼寝でもできる何もないスペースをそのままに、とどうしても考えてしまう。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする