なぜか箸がうまく使えない。
指を所定の位置にセットする「わっか」が3つ付いた練習用の箸を買ってみるという。大勢において左が利き腕なのかと見る中で、右で持たせるべきか母親と思案。
「箸ぐらいどっちでもいいでしょー」「そうやな、私も左やし」ってなことで左きき用に決まった。
哺乳類は知能が発達している。経験つまりは学習に頼って行動する度合いが高い。
本能的なところは少なく練習次第で慣れればできる、と普通は考えられるわけだ。
オーストラリア特産のコアラはユーカリの葉以外は全く食べないといった頑固者だが、それに比べたらJessieにはそんな偏屈さもない。
喜び上手のアクティブ精神は、たちまち食べることへの楽しさを発見させた。
「見て!見て!」「わ~~、じょうずやな~~」
ぽろぽろぽろぽろこぼしながら、完成を目ざしていく。当然つまずく。「マミィー、食べさして―。」つまずきのない青春などあり得ない。
つまずきであって挫折ではないので、次回は起き上がる。お茶漬けでさえも“つまんで”食べるのだから。「じょーずしょ~」
本能むき出し? 味噌汁の残った椀で手をすすぎ、納豆の糸をはらいはらい今日もしたたかに箸を動かす3歳児。
手を休める間に口を動かし、しゃべり疲れたか大きく一息。お疲れね。
まあ、こんなものでしょう、青春は。
(写真が左利き用の練習箸)