京都の拙宅に、お客さんをお招きした際、必ず、ご案内する喫茶店がある。
朝の時間帯なら、イノダコーヒーの本店、そして、午後の時間帯なら、円山公園の南側にある、長楽館だ。
この建物は、「煙草王」と呼ばれた、明治の実業家・村井吉兵衛が迎賓館として建てたもので、長楽館と名づけたのは、伊藤博文だと伝えられている。
大理石をふんだんに使った内装や、英国調家具の飾られた、喫茶室の豪華さは、必見もの、といえる。
「京都の洋館」(青幻舎)、という本によると、かつて、英国皇太子やロックフェラーも、ここを訪れたことがある、という。
コーヒー一杯700円と、京都としては、表面的には、やや割高な感じだが、
世界水準の調度品のなかで、コーヒーがいただけるのだから、むしろ、割安だろう。
営業時間は、10時から22時まで。
【追記】
らくたび文庫の「京の近代建築」に、長楽館の写真が数多く紹介されている。
京の近代建築 (らくたび文庫) 価格:¥ 500(税込) 発売日:2008-09 |