くっしーの徒然日記

無線、天文、修理、剣道、体調他について書いてます。修理や改造記事のマネに関してはあくまでも自己責任にてお願いします。

土日は曇り?その2(バラ、M65・66、45P)

2011-10-28 | 天体観望・撮影(遠征地)
さて、10月末の新月期は土日の雲り空の予報を避けて仕事後の
金曜日の夜に出撃したが、時間はどんどん過ぎていく。
M42の撮影に時間をとられてしまい、M42を取り終えた時点で、
既に2時半。あと2時間ほどしか時間が残っていない。
北の空には、再び北斗七星が昇ってきていた。↓
と言う事で、M42オリオン大星雲を撮った後は、バラ星雲に初挑戦
してみる。一旦望遠鏡をオリオン座のα星ベテルギウスに戻して
そこから、NGC2237バラ星雲を自動導入する。初めて写すので、
16秒で位置確認するが、今ひとつ中心が良く判らない。何となく
恒星が集まってる辺りが中心だろうかと、位置を微調整して64秒で
撮影したのが↓下の絵。


【↑NGC2237 バラ星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 20コマ
撮影日:2011/10/29 02:47-03:30 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・彩度・レベル・サイズ調整

視野一杯に、バラの花びらを映した様な赤い星雲が写った。
中心辺りに見える散開星団NGC2244が、まるでおしべの様に輝き、
その周りに、幾重にも折り重なる赤いはなびらの様な星雲。
なかなか美しい姿である。(但しバラの花でおしべの見えている
物は少ないが、、)処理後の画像は、元の写りのせいか、画像処理の
せいか、多少花びら部分に黒い部分が目立つのは、まあ、露光時間も
多くないので、仕方の無い所だろうか。
(北アメリカ星雲、馬頭星雲の時も似たような感じなのだが、、、)

【2011.11.3再処理画像追加↓】

再処理記事はこちら

撮影しながら、バックモニターを見る限りは、多少光害の光に
埋もれて、淡いながらも、その赤い花びらが大きく写っていて、
液晶上で見ていても、なかなか心躍る物がある。

さて、バラ星雲を映し終えた時点で3時半。急いでアイピースを
変更して、次なるターゲットへ。次のターゲットは、『光害地では
難しい銀河を写したい』の思いと、近くのNGC3628と合わせて、
『笑ったピエロの顔』の様子を見てみたいとの思いから、上り始めた
しし座の足もとのM65/M66を狙う。しし座のα星レグルスを基準星に入れ
導入目標は3天体の中心辺りを狙わないといけないので、『天体指定』
ではなく『赤径・赤緯』で入力できる様、撮影の間に3天体の位置から
導入目標の座標を計算して置いて、早速入力。ちょっとずれたが
概ね良い所に来たので、少しだけ微調整して撮影開始した。


【↑M65/M66/NGC3628 しし座の渦巻き銀河】SM-R125S/D:130 f:720
UW15mm 48倍 LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm
7コマ 撮影日:2011/10/29 03:52-04:10 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・レベル・サイズ調整

確かに、3つ合わせて、笑ったピエロの顔のように見える。微妙に
左右の目の開き具合が異なるのも愛嬌と言った感じか?

実は、この後もう一天体撮りたいと思っていたので、M65/66の撮影は
10枚に留めたので、その中から9枚のコンポジットで少し銀河が
薄れた感じになってしまったか。それにまだ東の低空で東京の光害の
影響も多くだいぶかぶりを受けてる感じだ。それと3天体を一画面に
収める為、画面の端の方を使ったので全体に写りも悪くなっている
感じである。

M65/66を10枚に押さえても、既に薄明は始まり掛けているか?
次なる目標は、しし座からおとめ座に移動している45P/本田・ムルコス
・パイドゥシャーコヴァー彗星だ。先日は、導入に手間取り、
32秒露出しかできなかったので、なんとか64秒露出で、その長い
尻尾を捕らえたいと思っているのだが、近日点を過ぎて1ヶ月も
経つので中々厳しいかも知れない。前の撮影が押してしまい、今回も
薄明の中か。おまけに今日は雲海が出来ていないから東京の街明かりの
影響で、東の低空はかなり条件が厳しい。結局64秒で4コマほど
撮影したが、画面上でどうにも尻尾が余り見えないので、諦めて露出を
40秒に変更して後10枚ほど撮影した。40秒の中から6コマをコンポジット
したのが↓下の絵


【↑45P/本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星】
SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍 LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200
F:2.0 f=4.9mm S:40秒 6コマ 撮影日:2011/10/29 04:31-04:43
撮影場所:静岡県駿東郡 Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正
                ・トリミング・レベル・サイズ調整

近日点を過ぎて丁度一ヶ月が過ぎた事もあり、今回は前回よりも、その
尻尾はかなり短くなってしまっている様だ。本体の光度もだいぶ下がって
いる感じだ。天ガの予報では先日撮影した日より2等級ほど光度が下がる
予測になっている。雲海が出来ていればもう少し良く写った可能性もあるが
残念ながら、今日の結果は、写りも尻尾も先日以下と言った感じか。
もうこの先太陽から遠くなるばかりだから、光度も尻尾も暗くなるばかり
だろうか。

45P/本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星を撮り終えて、東の
空はだいぶ白み掛けてきた。もう、長秒露出をしても背景が明るくなる
ばかりなので、今日は、これにて撤収した。白み掛けた水平線が赤と青の
2色で塗り分けられ始めた空が美しい。↓


この後、朝焼けが始まり日の出を迎えるのだろうが、日の出を見る為に
低い排気音を響かせながら、中年2シーター軍団が10台位現れて
ミラージュの両サイドも含めて、駐車場の端に車を止めた事もあり
日の出を待たずに山を降りた。

時間は5時半を回り、帰りの富士五湖道路の温度計は2度を示していた。
やはりこれだと五合目は零下だっったかな。でも段々五合目の寒さ対策も
充実してきたのと、それ程風が無かったので、思ったほど寒くは感じ
なかったが。

本当は、このまま土曜の夜まで待ってみようかとも思ったが、当初
家内も行く筈だったので、一度帰るつもりで準備した事もあり、朝の
薬を持ってきていない事に気づき、諦めて帰途についた。

結局、その後GPV天気予報は好転しなかったので、土曜の再出撃は
取りやめたが、千葉ではそこそこ晴れたみたいだったから行けば
良かっただろうか、、、、

2011.10.28-29(11/1)


土日は曇り?その1(網状、M74、M42・43)

2011-10-28 | 天体観望・撮影(遠征地)
今週は新月期で週中は結構いい天気が続いたが、週末となる今週の土日は
GPV予報によると雲の多めの天気に成りそうだ。土曜の夜の遠征を予定して
いたが、どうにも微妙な感じだ。と言う事で、取りあえず金曜の夜に、
仕事を終えてから、富士山に遠征に行く事にした。

【↑途中の富士五湖道路の気温は4度】
準備を整えて、7時過ぎに出発。当初家内も一緒に行く予定だったが、
土曜の休みが取れずに私一人での出撃となった。途中の富士五湖道路の
温度計は午後9時前で既に4度の表示。きっと明け方には零下だろうな。
こりゃ今日も寒いぞ~!

五合目に着いたのは9時を少し回った頃。
低く昇って来たオリオンの足下辺りには、多少薄い雲が出ている物の
全体的には、概ね晴れている感じ。但し残念ながら、雲海は出来て
おらず、東~東南に掛けては、かなり街明かりが明るく見えている。
と言う事で、今日はLPS-P2フィルターを手放せそうにない。

【↑オリオンの足下には多少の雲が残っていた】

先ずは、先週の日曜日に西側だけ撮って、東側を撮れなかったNGC6992-5
網状星雲が西の富士山に隠れる前にねらう。はくちょう座のα星デネブを
基準星に導入して、NGC6992を入力するが『NOT FOUND』になる!
え、何で?試しにNGC6995と入力しても同じ!。おかしい。念の為、前回
導入できたNGC6960と入力すると正常に導入を開始する。

う~ん??!取説の天体データ表の散光星雲の所を確認すると、NGC6960は
リストに有るが、NGC6992も6995もリストのどこにもない。なんと、こっち
の二つは、スカイセンサー2のデータに入ってないんですか?まあ、古い
機種なので、メモリ容量の関係から入って無くても仕方ない所か、、、

と言う事で、ステラリウムの赤径、赤緯を読み取って、入力しNGC-6962-5を
導入して、なんとか64秒で撮影を開始。30コマほど撮影して、その中から、
15コマをコンポジットしたのが↓下の絵。


【↑NGC6992-5 網状星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 15コマ
撮影日:2011/10/28 22:39-23:40 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整

直焦点じゃないので、細かい組模様までは写せていないが、それでも、
上のエビの頭のような、とがった所から、所々青いガスが入り交じった
所もしっかりと写せた。
前回の西側より、今回の東側の方が濃いとの事だが、確かに前回は何となく
にょろにょろという感じだったが、今回は割と細かく捉えられた様だ。

と言う事で、なんとかはくちょう座が山に沈む前に、撮影する事が出来た。

【富士山の右側に沈む天の川と↑はくちょう座】

なんとなく網状星雲で流れ気味のコマが多かったので、極軸を確認すると
三脚が少し傾いていた。どうも下が砂利なので、板を敷いても今一つ
安定が悪い様だ。水平を出し直して極軸を調整しなおした。

さて、次の対象だが、事前にリサーチして作って来た、今時見える天体と
見える時間の表を参照する。暗い山では、光害の三鷹で撮れない銀河を
なるべく撮りたいと言う思いもあり、次のターゲットをM74とした。
M74だと小さいので、アイピースを9mmにして倍率を稼ぎたい所だが、
光度も9.2等と、そう明るい方では無いので、我慢して15mmのアイピースに
変更して64秒で撮影したのが↓下の絵


【↑M74 うお座の渦巻き銀河】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 7コマ
撮影日:2011/10/29 00:22-00:52 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整

直視径が10分角程度で余り大きくない対象だが、なんとかトリミングして
切り出した画像では、しっかりと銀河の腕が捉えられ、右側のちょっと
歯車の山の様な形をした部分の様子も写し撮る事が出来た。

しかし、18枚ほど撮影したが、相変わらず少し流れ気味の画像も多く
7コマしかコンポジット出来なかった。撮り終わって、もう一度極軸を
確認すると、板の上で三脚が少しずれたのか、全体に横に極軸が
ずれていた。しょうがないので、もう一度極軸を合わせ直して、
次なるターゲットを決める。

先ほどの表を参考に、次はバラ星雲を撮ろうと思ったが、まだ少し高度も
低く南東方向で、多少光害の影響を受け気味の空の様な気がしたので
少しだけ西にあって高度も高いオリオン星雲をその前に写す事にした。
前回、富士山ではオリオン星雲は、薄明迫る中での32秒露出だったので
もう一つの出来だったので、丁度良いので再挑戦してみた。


【↑M42・M43オリオン大星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S F:2.0 f=4.9mm ISO:800 S:8秒 10コマ
ISO:3200 S:16秒10コマ 32秒8コマ 64秒 8コマ 
撮影日:2011/10/29 01:35-02:26 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxで各秒毎コンポジット/YIMGで4露出画をコンポジット
→YIMGでかぶり補正・トリミング・レベル・サイズ調整

しっかりと64秒露出まで使えたので、かなり星雲の淡い所まで写って
くれた。極軸もようやく合った様で、各10枚撮影して、使えなかったのは
一般車のヘッドライトでかぶりが出た物だけだった。

ちなみに、M42・M43部分のみトリミングした画像がこちら↓

中心部の階調を何とか残したかったが、ぎりぎり埋もれてしまった感じ
で、もう少し露出の少ないカットの比率を上げれば良かったか、、、
でも、あまり中心を残すと、周りの淡い部分が出なくなるので微妙な所
である、、、

と言う事で、画像処理が追いついてないので、後半はその2へ続く。

2011.10.28(10/30)

少し晴れそう? (M101/M17/北アメリカ/網状)

2011-10-23 | 天体観望・撮影(遠征地)
今週末も雨模様で、週末の遠征が出来ないな~と思っていたが
日曜の夕方には少しだけ晴れ間が覗きそうなので、明日の仕事に
差し支え無い様に、10時か11時に切り上げるつもりで富士山に向かった。

【↑午後の富士山には少し雲が残っている】

ちなみに、今まで1600ccのくせに大きなミニバン並に7km/lしか走らない
ダートラ仕様、ETC無しのミラージュだったので富士山への交通費が
毎回1.2万位掛かっていた。たまりかねて、今更ながらだが、オート
バックスで買って来たETCを昨日自分でミラージュに取り付けたので、
今回から↓ETC専用レーンを楽々通過。(今更かよ!汗!)

だいたい遠征の時間は割引料金なので、高速代は多少節約になったか。

いつもの5合目の駐車場に着いたのは午後4時。もうじき登山シーズンも
終わりなので、上の駐車場の一般車もごくわずか。天気は多少雲の残る
天気だが、この後晴れる事を祈りつつ、機材のセットアップ。

設置が終わる頃にはかなり晴れて来た↑

暗くなって来たので、極軸を急いで合わせて、まだ薄明が終わらないうちに
前回、ピンボケで今ひとつだったM101とスーパーノバ(超新星)を狙った。

淡々とスカイセンサーの設定をすると、前回同様サーチエラーが出るので
時刻を5時間ほど前に設定してスカイセンサーを騙すと、無事にサーチ
エラーも出ず、M101を導入できた。導入できたが、まだ薄明なので余り
はっきり銀河が写っていない。山裾に沈むまでに時間が余り無いので
取りあえず薄明のうちから、山に沈むまで撮影して、まともに写ってそう
な物を集めてコンポジットしたのが↓したの絵。


【↑M101回転花火銀河と超新星2011fe】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm
48倍 LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 21コマ
撮影日:2011/10/23 18:20-19:08 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整
            
仰角が低く、まだ薄明で北西の空が暗く成りきって無い事もあり、全体に
うっすらとした感じで銀河の周辺部分の形をはっきりと捕らえきれない感じ。
結局ピンボケの前回より少しはましになったが、もう一息と言った写りの
感じに成った。明け方ならうまく捕らえられただろうか?

矢印部分の超新星は、前回9/24に捕らえた時から一月近く経つが、その
明るさは多少暗くなっただろうか?それでもまだ、かなり明るく写ってる。


【9月24日撮影と今回の比較】
前回の画像はちょっとピンボケで申し訳ないが、こうやって並べてみると
銀河中心部やそのすぐ右上の星の明るさと比較して確かに1月前より暗く
なっているのがはっきり判る。名寄市立天文台の観測結果によると
概ね1等級ぐらい暗くなっているようだ。

まだしばらくは、明るく見えるだろうか?次に撮る時まで輝き続けて
いるだろうか?出来れば、もう少し条件の良い時にM101と共に写真に
収めたい物だ。

M101とスーパーノバが山に沈んだ後は、やはり沈み際の夏のあでやかな
いて座の星雲で、唯一、暗い山で撮って無かったM17オメガ星雲を狙った。
M17は三鷹から結構写ったので、山で撮らなくても良いかななんて思って
いたが、やはり暗い場所での映像も納めておきたい所だ。

沈みかけた、いて座のヌンキを基準星に導入を掛けるが先程時刻を遅らせて
入力したので、例によって南中前の判断で、反対方向へ鏡筒が回る!慌てて
スカイセンサーの時刻を正しく戻す。M101を撮影していた為、こちらも、
もう山に沈むまでに幾らも時間が残ってない。あせりながらM17を導入して
目一杯の64秒で撮影した。こちらも仰角は低かったのだが、さすが三鷹でも
結構写っただけ有って低仰角でもはっきりとその赤い色がバックモニターに
写っていた。結局、撮影を始めて直ぐに山に隠れてしまったので、使えた
カットは6コマしかなかった。


【↑M17オメガ星雲】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 6コマ
撮影日:2011/10/23 19:23-19:35 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整

毎回、M17の画像を見るたびに、深海魚に似ていると思うのだが、今回の
絵は、深海魚の胴体の左端から右上に向かって伸びる赤い星雲も写り、
まるでサソリかエビの尻尾の様だ。深海魚の胴体部分の右端の、ぱっくり
開いた口に相当する部分の下にも、これ又淡い赤い星雲が数カ所下方向に
伸びて、まるでエビの前足の様にもみえる。なんだか深海の甲殻類の様な
怪しい感じが全開のM17だ。

この絵なら、深海魚の胴体部分とその上の尻尾に見える部分をつなげて
Ωの文字が左に倒れた様にみえる。これがオメガ星雲の由来なのか。

M17が南西の山に沈んで、さて次は何を撮ろう。実は山に行く前から前述の
二つは押さえて置きたいと思って、撮影の順番まで考えていたが、その後
何を撮るか決めてなかった。と言うか、何が見えて、何が撮れるかあんまり
予習してなかった。この辺が初心者なので、直ぐに頭に天体が浮かばない。
ノートPCでステラリウムを見ながら、あれこれさがして、何となく目に
ついたのが、『Saturn nebula』。う~ん、良く知らないがどんなもん
だろうと、試しに導入して撮影してみる。写真とかを見た事がないから、
大きさも良く判らない。そのままのアイピースで撮影してみたが、何やら
写ってる物のはっきり言って、↓何がなんだか判らなかった。

【NGC7009 Saturn nebula近辺?】(撮影条件はM17に同じ、JPEG一枚画像)
ステラリウムに書かれていたSaturn nebula。いったいなんだろうと思って
いたが、後でNETで調べると土星のサターンなのね。大きさもずいぶん小さい
様で、この倍率ではっきり捕らえるのはかなり厳しいみたい。上の写真では、
どこがどこだか、さっぱり判らない。大失敗だな。貴重な時間を無駄にして
しまった。

またしばらくステラリウムとにらめっこして、次のターゲットを決める。
次は、前回、三鷹でかすかにしか写らなかった、NGC7000北アメリカ星雲
撮ってみる事にした。

北アメリカ星雲は隣りにペリカン星雲があり、良く並んだ写真を見かけるが
くっしーのシステムでは、両方は入りきらない。北アメリカ星雲だけでも
一杯一杯だ。そんな訳で、はくちょう座のα星デネブから自動導入を掛けて
NGC7000を導入する。数秒撮影で位置確認するが、大きすぎて全体像が良く
掴めないので、自動導入のまま位置を動かさないで、64秒で撮ったのが
下の絵↓

【↑NGC7000 北アメリカ星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 6コマ
撮影日:2011/10/23 20:57-21:35 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整

だいぶ雲が出てきて、雲にじゃまされたカットが多く使えたのは6コマしか
なかった。

写った星雲の形を見ると、ちょっと写りが薄くて大陸の真ん中の方が少し
赤くない部分が有る物の、全体としては、確かに北アメリカの形をしている
様に見える。左下に突き出た部分はメキシコ半島っぽい形をしているし。
なんとなく、これはその形と名前に納得と言った感じだ。

【2011.11.3再処理画像追加 ↓ 】

再処理記事はこちら

北アメリカ星雲の撮影が終わると、時計は10時に近づいていた。そろそろ
撤収も考えないといけない時間だが、もう一天体と思い、次の対象を何に
するか、PCを眺めていて目についてのが『網状星雲』。そう言えば、
Nikon 8cmさんの所で、その一部を撮影していたのを思い出して撮影して
みることにした。全体の形は、本で見た事があるが、天体としてはNGC6960
/6992/6995と三つに別れているが、どれがどれか良く判らない。

取りあえずNGC6960を導入して、10秒位で撮ってみるが、どうも良く判らない。
そのまま、64秒で撮ると何となくにょろにょろとしたのが明るい輝星を中心に
伸びている様なので、そのまま撮影を続ける。途中雲にじゃまされながら
最後は、デジカメの2個目のバッテリー切れで撮影終了となるまで撮影した
20コマの中から雲の少ない使えそうな9コマをコンポジットしたのが
↓下の絵

【↑NGC6960 網状星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 9コマ
撮影日:2011/10/23 21:56-22:39 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
            ・レベル・サイズ調整

全体的に星雲が、ミミズの様にうねうねと伸びた超新星残骸がしっかりと
写っていた。さすがに赤と青の細かい組模様状態までは写っていないが、
何となく、部分的に赤い所と青い所が見て取れるかな?と言った写りだ。

倍率を上げると少しはその組模様を写す事が出来るだろうか?
でもそうすると、全体が入りきらないから、コンデジの撮影では、なかなか
この辺が良い所かも知れない。

そんな訳で、本当は、直ぐ側のNGC6992/6995も撮りたかったが、丁度
コンデジの電池が切れたので、切りよく撤収する事にした。11時には片付け
終わり、月出前の暗い夜空に後ろ髪を引かれながら、帰途に就いた。途中の
富士五湖道路の温度計は12度だったのでこの間よりずいぶん暖かかった
みたいだ。

2011.10.23(10/26)


M33を比べてみたら

2011-10-22 | 画像処理
先日、M33を富士山の上で64秒露出で撮影して、結構良く写ったと思っていたのだが、先日Nikon 8cmさんのHPで、5cmのミニボーグで
30秒露出で撮影した画像
を眺めていて、なんだか銀河の周辺部の
写りがだいぶ違うことに気が付いた。
【8/24撮影のM33↓コンポジットのみで画像処理無しの物】

周辺部の明るい青い星の部分までディスクが広がってるNikon 8cmさんの
画像
に比べて、私の画像は青い星の部分の銀河の腕は、うっすらとしか
写っていない↓(Nikon8cmさんの画とは180度方向が違う

【8/24の記事に掲載のM33↑】

元の画像の時点で写っていないのか?画像処理の問題か?
そこで、Nikon 8cmさんにお願いして、画像処理前のコンポジットのみの
画像をUPして貰った。

ちなみにかなり大きさが違うので、Nikon 8cmさんの画像の大きさに
合わせて、うちの処理前の画像を並べるとこんな感じ↓

【Nikon 8cmさんの↑元画像と、くっしーの↑元画像】

見た感じ、フィルターの関係で色は違うが、銀河の写り具合は、
そう大きな違いは無い様な感じ。(と言っても32秒で64秒と同等なのは
光害フィルターによる減光も効いているのだろうか?)

では画像処理だろうか?と試しにいつもの手法でNikon 8cmさんの画像を
処理してみると、だいたいNikon 8cmさんのブログの写真に似た様な感じに
仕上がる。画像処理が間違っている訳では無さそうだ。

う~ん、と考えていたが、はたと気が付いたのは、画像処理の方法は
いつもの方法なのだが、最後にレベル調整をする時に、入力の最大を
いつもより小さな値にして、同等の画像になっている事だ。

ふ~ん、どれどれともう一度自分の撮ったM33の最後のレベル調整前の
ファイルを開いて、同様にレベル調整で入力の最大値を80位まで下げて見た。

【↑再処理後のM33さんかく座銀河】

すると今までより銀河の周辺部の腕がはっきり出てきて、青い明るい星の
辺りまでディスクが広がった。そうか~!画像処理が甘かったのね。
バックの黒との兼ね合いで少し控えめにしたのが敗因だったようだ。

画像処理って難しい、、、、
2011.10.22(10/24)

国立天文台の特別公開に行ってきた

2011-10-21 | 天体観望・撮影(遠征地)
今日は、国立天文台の三鷹キャンパスで特別公開が行われていた。
診察で午後半休を取っていたので、診察後、特別公開を見に行った。

【外見で普段と違うのは、誘導員位。↑表に特別公開の看板は出てない】

行く途中で残念ながら小雨が降り出した。途中のコンビニで傘を買って
天文台へ。表からは特別公開が判る看板は特になく、『自転車降りて
押してください』と言う誘導員ぐらいだ(笑)


中にはいると、MAPと特別公開用のプログラムが張られていた。

左手の特別駐輪場の方に自転車を止めて、受付へ行くと今日のプログラムと

↑手提げの袋を貰った。資料のパンフレット入れ用に配ってるらしい。

受付の直ぐ右隣のいつもの観望会の受付ホールに入ると、直ぐ正面に

【↑Nano-JASMINE衛星のモデルと説明】が展示されていた。
星までの距離を測るプロジェクトで、なんでも地球の公転で、太陽の
右にいる時と左にいる時の星の見える角度を測ってその差と地球の公転
半径から距離を計算するらしい。地上からだと大気の影響で測定値が
不正確なので、軌道上の衛星から測定して星までの距離を正しく測るのが
目的で2013年頃に打ち上げるらしい。

その奥は、2006年に打ち上げた『ひので』の解説コーナーだった。


ひのでは、ご存じの方も多いと思いますが、50cmの反射望遠鏡、磁場測定
X線望遠鏡等を積んでいる太陽観測衛星だそうです。


【↑ひのでのメッキ前の主鏡のバックアップ品】
上の写真はメッキ前の主鏡で、なにやら6角形の柱が中に立っている様に
見えるのは、裏面(写真下側)から沢山の穴を開けて鏡を軽量化している
そうです。衛星搭載品は軽さが重要だからね!


こちらは、ひのでの前面に付いてる、熱(光?)を反射するパネル。
熱く成り過ぎない様にする為だとか説明して貰いました。

ちなみに、ひのでのクイズに解答して、なにやら
↓クリアファイルとペーパークラフトを頂きました。


なるべく特設展示や、特別公開日のみの公開部分に行こうと思い、
16~17時公開の↓東大天文センターへ。


行くと、何やらmini講演会をやっているので、何か良く判らないが
試しに聞いてみた。


どうやら、チリのアタカマ砂漠のチャンナントール山(5600m)に設置
した望遠鏡(主に赤外中心らしい)の説明だった。


なんでも、世界で一番高いところに望遠鏡を設置しているとのことらしい
本番の6.5mの望遠鏡設置の事前試験として、直径1mのminiTAO望遠鏡が
2009年に設置され、それの運用について紹介していた。

そこで撮った星景写真も紹介されていたが、さすがにこんなに高くて
人のいない暗い所では、天の川も肉眼でもくっきりはっきりだそうだ。
こんな所で天体写真を撮ってみたい物だ。
おそらくコンデジコリメート撮影の最高写真に成ること間違い無しだ!


【↑今後のTAOプロジェクトでの計画】

ちなみに、最近無線LANによるリモート化がされたそうで、

この無線LAN、うち製じゃないよな?うちでも、こういう遠距離用の
公共・産業ユースの無線LANもやってるけど、、、、

そんな訳で、ミニ講演の後、少しだけ残った時間で、天文センターの
中の特別展示を見学して、17時に東大天文センターを出た。

今日は、雨が降ってるので、残念ながら、50cmのカセグレンの公開観望も
グランドでの望遠鏡メーカーによる観望会も行われていなかったので、
この後の、公開場所が最初に行った中央棟のみになってしまった。

と言うことで、暫く中央棟でのデモ実験をいくつか見た。

【↑特別な星の軌道のデモ】


【↑太陽の磁場からの爆発をイメージした、ガウスガンのデモ】

ちなみに、質問コーナーが有ったので、以前から聞いてみたいと思った
『球状星団の直視径は何で決めてるの?』と聞いてみたが、残念ながら
私が聞いた人は、この辺は専門じゃなくて良く判らなかった。
光度の何%までを径とする方法なんかが他では使われたりするから
その辺かな?なんて感じでした。

判らない事でも、その場でネットで調べて判れば、答えてくれるらしく
ノートPCが解答員の机にあり、ぱらぱらとキーワードを打ち込んで
出てきたサイトに飛んだら、そこの一番上には、いつもの、恍惚の表情で
天を仰ぐ猫の写真
が出てきて、思わず『そこのページに答えは無いと
思います』と言ってしまいました、、、だって一緒に質問してる側
ですもんねぇ、Nikon8cmさん(笑)

と言う事で、観望会はなくて残念だが(晴れてたら遠征に行って公開
には行ってなかったと思うが、、、)なかなか楽しい時間だった。
2011.10.21(10/22)