
妻の口から浮気の事実が確認されたとき、
夫はどんな態度に出るのでしょう。
ドラマ「今週、妻が浮気します」では、
夫は愕然と立ちつくし、次の瞬間コーヒーカップを叩き割っていました。
悲しみ、怒り、悔しさ……。
壊れたコーヒーカップは2人の関係を象徴しているようでした。
夫(ユースケサンタマリア)はなぜ妻が浮気したかを考えるよりも、
「なめられた」ことに我慢できず、
浮気相手のもとへ直接乗り込んでいく姿勢を見せています。
彼は怒ることで攻撃的な姿勢に出るタイプなのでしょう。
前回触れた太宰治のように、自ら生を断とうとする気配はありません。
(「「今週、妻が浮気します」。もしその現場を目撃したら?―太宰治―」(07.1.31)参照)
健全といえば健全だし、状況もまた太宰と違います。
妙な言い方ですが、浮気相手に勝負を挑みに行くということで、
それまでとは違う“生”を燃焼させています。
離婚は結婚よりも何倍ものエネルギーを必要するそうで、
うかうか内に引き込んでもいられないのかもしれません。
しかし、それ以前に妻の口から浮気の事実を聞かされたときのユースケサンタマリアの表情は、
見ているこっち側が胸の痛くなる思いでした。
「もし自分がその立場だったら……」
と、考えた人も多いのではないでしょうか。
太宰のように死のうと思う人もいれば、
彼のように決着をつけようとする人もいます。
太宰と同じタイプとして、妻という関係ではありませんが、
恋人がほかの男性と関係を持ったことを聞かされて、
その場に立ち崩れる「別離」(つげ義春)の主人公も思い浮かびます。
電柱に片手を絡ませ、そのまま崩れるその後ろ姿は、
彼の絶望そのものです(画像)。
彼が次にとった行動は自殺でした。
女からたかった金でクスリを買い、下宿先の台所で呑み干したのです。
現在のところ、つげ義春氏の最後の発表作となっている「別離」はどこにも救いがなく、
ユースケサンタマリアのような激しさはありません。
(その陰鬱さが魅力ではあるのですが……)
外に出るか、それとも内に向かうかの2タイプあるとしたら、
ぼくはどちらかというと後者の気がします。
「今週、妻が浮気します」のタイトルは、実質「浮気した」に変わりました。
ユースケサンタマリアは今後どのような態度に出るのでしょう。
まさか自殺を図ることはないと思いますが、
精神的な重さを抱えるかもしれません。
妻を許すのか否か、どう決着をつけるのか……。
「どうすべきか?」と問われたとき、
このドラマの場合、男と女の意見がはっきり分かれるかもしれませんね。
参照文献
つげ義春著『義男の青春・別離』新潮文庫
※つげ義春氏は埼玉県羽生市を舞台にした「枯野の宿」という作品を描いています。
詳しくは記事「郷土史家さんの本棚(2)―つげ義春著『枯野の宿』―」(06.4.4)参照。
夫はどんな態度に出るのでしょう。
ドラマ「今週、妻が浮気します」では、
夫は愕然と立ちつくし、次の瞬間コーヒーカップを叩き割っていました。
悲しみ、怒り、悔しさ……。
壊れたコーヒーカップは2人の関係を象徴しているようでした。
夫(ユースケサンタマリア)はなぜ妻が浮気したかを考えるよりも、
「なめられた」ことに我慢できず、
浮気相手のもとへ直接乗り込んでいく姿勢を見せています。
彼は怒ることで攻撃的な姿勢に出るタイプなのでしょう。
前回触れた太宰治のように、自ら生を断とうとする気配はありません。
(「「今週、妻が浮気します」。もしその現場を目撃したら?―太宰治―」(07.1.31)参照)
健全といえば健全だし、状況もまた太宰と違います。
妙な言い方ですが、浮気相手に勝負を挑みに行くということで、
それまでとは違う“生”を燃焼させています。
離婚は結婚よりも何倍ものエネルギーを必要するそうで、
うかうか内に引き込んでもいられないのかもしれません。
しかし、それ以前に妻の口から浮気の事実を聞かされたときのユースケサンタマリアの表情は、
見ているこっち側が胸の痛くなる思いでした。
「もし自分がその立場だったら……」
と、考えた人も多いのではないでしょうか。
太宰のように死のうと思う人もいれば、
彼のように決着をつけようとする人もいます。
太宰と同じタイプとして、妻という関係ではありませんが、
恋人がほかの男性と関係を持ったことを聞かされて、
その場に立ち崩れる「別離」(つげ義春)の主人公も思い浮かびます。
電柱に片手を絡ませ、そのまま崩れるその後ろ姿は、
彼の絶望そのものです(画像)。
彼が次にとった行動は自殺でした。
女からたかった金でクスリを買い、下宿先の台所で呑み干したのです。
現在のところ、つげ義春氏の最後の発表作となっている「別離」はどこにも救いがなく、
ユースケサンタマリアのような激しさはありません。
(その陰鬱さが魅力ではあるのですが……)
外に出るか、それとも内に向かうかの2タイプあるとしたら、
ぼくはどちらかというと後者の気がします。
「今週、妻が浮気します」のタイトルは、実質「浮気した」に変わりました。
ユースケサンタマリアは今後どのような態度に出るのでしょう。
まさか自殺を図ることはないと思いますが、
精神的な重さを抱えるかもしれません。
妻を許すのか否か、どう決着をつけるのか……。
「どうすべきか?」と問われたとき、
このドラマの場合、男と女の意見がはっきり分かれるかもしれませんね。
参照文献
つげ義春著『義男の青春・別離』新潮文庫
※つげ義春氏は埼玉県羽生市を舞台にした「枯野の宿」という作品を描いています。
詳しくは記事「郷土史家さんの本棚(2)―つげ義春著『枯野の宿』―」(06.4.4)参照。
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