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名所江戸百景149 第96景 堀江ねこざね(2) 行徳の野鳥病院

2014-01-31 07:55:44 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、千葉県・市川市(いちかわし)の行徳野鳥観察舎(ぎょうとくやちょうかんさつしゃ)で野鳥撮影の続きです。

 野鳥観察舎を出て、歩道からユリカモメの撮影です。ユリカモメは東京都の「都民の鳥」に指定されています。

 古来から詩歌や絵画の題材となり、古くは「ミヤコドリ」と呼ばれていました。

(1)昔の行徳鳥獣保護区は、新浜(にいはま)と呼ばれ、隣の新浜鴨場(宮内庁のカモ猟の場所)と共に干潟(ひがた)と葦原(あしはら)が茂る海岸でした。
  下の写真は行徳野鳥観察舎にあった昭和41年の行徳・浦安付近の航空写真です。右上から真ん中にかけてが行徳の町で、下の埋立地がすでにある付近が浦安市です。埋立前の浦安市の面積は、現在の1/4程度です。
 昭和40年代に行徳の海岸の第一次埋め立てが行われた結果、新浜の赤く囲った四角のエリアを除き、周りは全て埋め立て地になり、住宅と工場となっていきました。

 昭和40年代は、住宅からの生活排水により、残された水域だけでなく、東京湾や河川の汚れも悪化した時代でした。こうした中で、自然の環境を取り戻そうという運動が盛り上がっていきました。
 また、残された新浜の水辺がカモの飛来地となり、スズガモの大群が飛来するようになり、この頃より、バードウォッチングの趣味が一般に認められていきます。
 水域の環境を野鳥や生物にとって住みやすい環境を整えながら、現在の市川野鳥の楽園が造られていきました。

 下の写真は、最近のカモメの飛行風景ですが、昭和30年代は、この付近が海岸線で干潟が広がっていました。

(2)野鳥の楽園ができた当時、夜間に東京湾にいたスズガモが、朝になると行徳の野鳥の楽園に大群で戻ってきて、水面に着水するのでした。朝の日の出とカモの大群のシルエットが見事な為、野鳥撮影者にとっては有名な撮影ポイントになっていました。
 「くまドン」は、行徳のスズガモが東京湾から戻ってくるのは、昔は東京湾でカモの狩猟が昼間は許可されていて、夜間は禁止されていた為、夜はスズガモが東京湾にエサを獲りに行き、狩猟が始まる前の早朝に行徳の新浜に戻ってくると、はるか昔に誰かに聞いたことがありました。新浜保護区は、スズカモの昼間の避難所だったわけです。
 しかし、今は、そのスズガモの大群を新浜保護区で見る事はできません。

 なぜ、スズガモの飛来が減ったのか?は知りませんでしたので、野鳥観察舎の方にお聞きしました。
 スズカモのエサ場である三番瀬(さんばんせ)が銃猟禁止区域となり、スズガモが人間の法律は知らなくても、何年かすると安全な事が分かる様になり、昼間もそのまま海に残り、徐々に行徳の野鳥の楽園に飛来するスズカモは減っていったそうです。(ありがとうございました。)
 ある意味、自然の姿に戻っていったとも言えますが・・・・・・・・・

 現在では、行徳野鳥観察舎で観察できるカモは、オナガガモがほとんどです。オスの尾羽が長いので、他のカモとの区別が容易です。餌づけが容易なカモです。その他にオオバン(黒い鳥、冬鳥)もいます。
(絵画調)


(3)現在残されている三番瀬の浅瀬は、第二次埋立計画で埋め立てられる予定でした。オイルショックにと自然保護の考え方が広がり、昭和50年代に計画は凍結されます。
 昭和末期のバブル時代に名目を変えて、埋立計画が息を吹き返してしまいますが、バブル経済自体が甘い考えの塊(かたまり)ですから、わずか数年のバカ景気の放漫経営(ほうまんけいえい)の結果、過大な財政赤字・企業経営の破綻(はたん)・個人財産の消失という重い借金を残して崩壊します。
 バブル崩壊後になり、干潟の水質改善の役割が見直された結果、やっと平成11年に埋立計画は縮小(740ha→101ha)されます。計画は実行されていませんが、それでも埋立を中止にしないので、現在の三番瀬埋立問題となっているわけです。三番瀬の埋め立て問題が中止にならない原因は、国土交通省が第二湾岸道路を三番瀬に通す計画があるからです。

 オナガカモの中にコガモが混ざっていました。十羽以上のカモの群れがいると、なぜか一羽だけ混ざっていることがあるので不思議です。コガモの群れは見た事がありません。
 撮影距離があるので、小さくなってしまいましたので、トリミング(画像切取り)してます。


(4)現状としては、平成13年から三番瀬の再生・保全を進める千葉県知事(堂本 暁子(どうもとあきこ)、森田 健作(もりたけんさく、芸名))が続いているので、三番瀬埋立は止まっています。
 最近、世の中にバブル時代のような甘い考えが噴出していますので、予断は許されないでしょう・・・・・・・・・・・・
 さらに、ここに行徳の漁業関係者の生活が加わり、多発する赤潮・青潮などの環境問題が絡みあってきます。
 いつか暇な時に話してみたいなとは思いますが、結構やっかいな問題でもあります。

 ユリカモメの冬羽は頭部が白く、目の後ろに黒い斑点があるのが特徴です。


 ユリカモメは夏羽になると顔が黒くなります。4月の初めに上野公園の不忍池(しのばずのいけ)の話で載せた写真をトリミング(画像の切り取り)した写真です。右下に夏羽に変わったユリカモメがいます。

 冬鳥ですので、北へ帰る前です。他のユリカモメは、夏羽に代わる途中で、顔は灰色に代わっています。
 左下はカモの一種で、キンクロハジロ(金黒羽白)です。

 さて、行徳野鳥観察舎の隣に野鳥病院が併設されています。色々な鳥がいて、野鳥園みたいです。
 トビ(トンビ)は、この日の野鳥病院には3匹いましたが、羽が折れている個体もいて、正面からみると、痛々しいので、横から撮影したものを載せます。トビの主食は魚などの動物の死骸やカエルなどの小動物ですから、鷹狩りには使えませんが、猛禽類(もうきんるい)らしい雰囲気はあります。

 都市部では生ゴミなども食べる上、繁殖期以外のトビは群れを作る時もあります。
 同じゴミを食べ物にするカラスとなわばり争いをしたり、カモメとゴミ争奪戦を繰り広げることもあります。
 この三種は、自然界では鳥の掃除屋ですので、食べるものが競合しているのです。

 フクロウ(梟)もいました。昼間だから寝ています。

 ツグミやイソシギ(?)もいましたが、なにか寒そうです。どの鳥も、治療中の鳥です。


 川の向こうの堤防沿いに猫が歩いてきました。水面にいるカモが群れで追いかけます。
 観察舎の方から聞いた話ですと、カモは集団になると、相手を追いかけて、プレッシャーをかけるそうです。
(絵画調)

 手前のエサ場にカモがいて、猫が歩いてきた時は、全てのカモが一目散(いちもくさん)に水の中に逃げ込んだのですが、同じ猫なのに、今度は追いかけています。水の中で集団でいるとカモは気が大きくなるのか?猫は水に入れない事を知っているのか?不思議です???
 猫は毎度のことなのか、全く気にせず歩いて行きました。

 夕方になり、だいぶ日が傾きました。干潟でカモメがエサを探しています。カニでしょうか?ゴカイでしょうか?

 ユリカモメは雑食性で、小魚類、水棲昆虫、生ゴミなどを採食しています。
 撮影も終わりかなとのんびりしていると、周辺の方々が写真の方を指して、「あそこにいるよ」と話しています。
 何かなと思いましたら、タヌキ(狸)でした。赤○の所です。

 普段、人の入れないエリアにタヌキが住むようになったそうです。撮影した写真を拡大してみましたが、距離が遠く、後ろを向いて歩いているので、写真見ても、何だか分かりませんが・・・・・ともかく、タヌキがいました。

 行徳野鳥観察舎の中にあった説明書きです。(撮影しておいて良かったです。)

 今年もタヌキがいるみたいです。なお、タヌキの野性の生活を守る為に「エサやり禁止」です。宜しくお願います。

 最後は、歩道のロウバイ(蝋梅)の花です。大寒も過ぎましたので、これからは春に向かって日も長くなりますね。
(絵画調)


 過去の鳥関連のブログを再度載せておきます。
 「名所江戸百景137 第108景 芝うらの風景 浜離宮恩賜庭園の鷹(1)」
 「名所江戸百景138 第108景 芝うらの風景 浜離宮恩賜庭園の鷹(2)」
 「名所江戸百景144 第26景 八景坂鐙掛松(1) 東京港野鳥公園」

 今回は、これで終了とさせていただきます。

 くまドンのブログに訪問していただき、ありがとうございます。
 今月は、正月休みがあったので、15回のブログで1月分7景と12月残分2景のを作りましたが、仕事や撮影もあったので、1月分は予定分未達成です。
  11月:15景中11景完了、4景残り
  12月:12景中12景完了
   1月:14景中 7景完了、7景残り(未確定4景は、雪が降らなかった場合の仮景は撮影済)
 残りは多分27~29景程度ですが、2月は年末のお城訪問ブログも作りたいので、いつ頃全て揃うのか・・・?(汗)

 次回から2月分ですが、野鳥の話が続きます。野鳥はこのシーズンに集中させてますので、前後関係から野鳥関連の話を先行させています。

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