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伊波普猷への旅(7)~ 深く掘れ そこに泉あり

 


 伊波普猷を代表する言葉に「深く掘れ そこに泉あり」がある。この言葉にひかれた人は数多いと思う。

 この言葉が、伊波の著書に出てくるのは、その主著『古琉球』の巻頭である。しかし、明治44年発刊の初版本には、この言葉は載っていない。大正5年に第2版が出た時に、第2版のはしがきに、かのニーチェの言葉の引用として

 汝の立つところを深く掘れ 其処には泉あり ニーチェ 

と初めて記された。

 伊波自身が ニーチェの言葉の引用であることを明示して掲載してたんだね。で、初版本にはない言葉だからなのか、現在入手しやすい岩波文庫版では、この言葉は掲載されていない。


 ところがこの第2版に、伊波自身が、このニーチェの言葉をもとに、伊波が自分の言葉で書き加えている


 ↓これです



 深く掘れ己の胸中の泉 餘所たよて 水や汲まぬごとに

 うちなー口で「ふかくふり などうぬんにちうぬ いじゅん ゆす たすてい みじや くまぬ くどうに」。

 翻訳?すると「自分が思うところを深く汲みつくせ。自分自身の問題をよそに頼って どうして解決できようか」ってとこかな?。

 言わんとすることは、ニーチェも伊波も同じだと思うよ。ニーチェは己の立つところを掘れといい、伊波は己の胸中を掘れといった。いずれも物事の、そして自分自身の本質を深く突き詰めろっていうことなんだね。

 ともに深い言葉だね。なお今日の記事の写真は二枚とも NHK番組からの借用です。
(つづく)


 
 
 



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