
1970年代の末に金沢に初めて来て以来、この池田町の古本屋『文学堂書店』とは半世紀近い付き合いになります。この店で一体、何冊の古本を買ったのか見当もつきません。
今は、金沢の古本屋さんも『オヨヨ書林』さんはじめ、個性的なセレクトショップのような店も増え、それぞれ人気を博してますが、この『文学堂』さんは頑なに「ザ・昭和の古本屋」って感じです。でも小生そういうの好きですよ。(私的金沢古本屋事情については、こちら)
だから今もたまに、ふらりと『文学堂』をのぞいてみます 先日も2年ぶりに行って、佐多稲子の『きのうの虹』を500円で買いました。佐多稲子って、もう完全に忘れ去られた存在ですけどね。でも小生、彼女の随筆好きやねん。
小生、この店に来ると初めて金沢に来た頃の自分に、一気にタイムスリップできるのです。あの頃は、大仰に言えば「寝るか、酒飲むか、本読むか」のいずれかみたいな生活してましたねえ。学校の勉強はあまりしてませんでした。
この40数年の間には、いろんなことがあったけど、金沢に来たことは、本当に良かったと思います。そして多分、金沢で死ぬことになると思いますが、それに一片の後悔などありませんです。この『文学堂』も、いつまでも、“昭和の古本屋” らしく、黄茶色く変色した背表紙の「学術書」や「文学書」を並べ続けてほしいなあ。
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