金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
マンボウ氏を偲んで 今宵は「しづか」に飲むべかりけり
北杜夫氏が亡くなったね。「青春記」や「航海記」を青春の思い出とともに懐かしむ中年男性は多いだろうね。もちろん僕もそのひとり。「青春記」といえば、はやり「旧制松本高校」だね。
実は先般、仕事で長野に行く機会があり、松本まで足を伸ばした。で、居酒屋「しづか」に27年ぶりに伺った。就職した直後、仕事でしばしば松本に行っていたんだ。この店にもよく行った。だから「しづか」に行くため松本に寄ったという方が正解かもしれない。
しづかは 旧制松高〜信大ラインの ご当地の文化人・大学関係者に愛され続けた店。女将も若女将も,店のあちこちで「先生」「先生」と客を呼びます。でも、焼鳥の秋吉で誰彼かまわず“社長”と呼ぶのと異なり、本当に、客に先生が多いのです。まあ土地柄だね。
確かにこちらのテーブルからは 中東の政治情勢、あちらのカウンターからは来月の内科学会の演題発表の話が聞こえてきます。アルバイトの店員さんは しっかり教育されています。決して、センセイの前で粗相をすることはありません。なので、どうしても 値段が高くなります。飲み物も料理も!
味は普通です。というか松本で 金沢のような安くておいしい刺身を期待する方が野暮ですよね。なので、薄給のサラリーマンが週2回通う店ではない。しかし、地元の文化人・大学関係者に根強く支持されている。
僕もまた、マンボウのような「青春記」の感慨に浸りたくなったら、大糸線に揺られ、またおじゃましますね。そういう「心の隠れ家」みたいな店が 県外にあるって幸せだよね。
今宵は マンボウ氏を偲んで しづかに飲みましょうか。
「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」
「居酒屋の榾火のけむり出でてゆく軒端に冬の山晴れて見ゆ」
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