「似顔絵描きなのに、何でクロッキーなんてやっているんだ?」
と思われている方も多いと思います。
その理由は、直観です。
「なんだか描いておいた方がよいのではないか」
と思うのです。
また、「なんでデジタル化の時代にアナログなんだ?」
と思っている人も多いと思います。
デジタル化の波はますます強くなっています。
クロッキーでさえ、IPADを使うアトリエまであります(ヌードの会は、電子機器が禁止のところが多いです)。
そういう流れでもしかしたら、「顔を似せる」という技術が、人工知能AIにとってかわれてしまうのではないか、と想像するのです。
スマホのアプリでは、すでに顔写真から似顔絵を作るものが出てきています。
色々なものがデジタル化され、しかし、それでも残るのは「似顔絵」ではなく、「絵」ではないかと思うのです。
全てがめんどくさくなる怖さもあります。
私は彩色をデジタルで行うことが多いのですが、アナログで塗ることを面倒だと感じています。
それが、画材を完全にデジタル化してしまったら、絵の具を出す、紙を買うなど、そんな些細なことでさえ、(私の場合は)辛くなってしまうのではないかと思うのです。
そして災害の想像です。「電磁パルス攻撃」を受けることはまずないと思いますが、災害で電子機器が使えなくなったとき、(私の場合は)重労働は難しいので、貢献なのかは分かりませんが、似顔絵を描けるようになっておきたいのです。
アニメーションの中には、二次元に見えても、3DCGを線化して描き出して2Dのアニメ塗りをしている作品も見られるようになってきました。
それに対抗するため、できるだけ3DCGのように構造的にとらえるだけではなく、空間的な線や、誇張も含めた3DCGの線に負けない線がひけるようになりたいのです。
完全に矛盾しますが、デジタルもやらなければいけないのかもしれません。
どのくらいできて、いつデジタルにとってかわれるのか、知っておくのも重要だと思うからです。