4年生の就職戦線も終盤を迎えてきた。ゼミなどで指導してきた学生たちが就職活動をしているのを毎年見守っていると、「どうしてこの学生が決まらないのだろう」と思うことがたびたびある。「大学の教師は勉強の面しか見てないが、企業の人事はプロなのでちゃんと評価している」と反論するむきもあるだろうが、私はそうは簡単に信じられない。
もちろんこちらが思っていた以上に善戦する学生もいて、嬉しい誤算もあるが、企画力やプレゼンテーション力、マナーやモチベーションなどの点でも極めて優れた学生でもすんなり決まらないことも少なくない。学生の志望業界と本人の適性とのミスマッチや、未だに残っているように思われる就職市場での女性差別などもあるのだろうが、優秀な学生の就職が決まらず、悩んでいる姿を見るのは教師としても心苦しい限りである。
最近の大学は就職指導にもかなり力を入れている。未だに「ゼミや大学の勉強をちゃんとやっていれば自ずと就職は決まるのだ」と根拠のない自信を抱いている先生も少なくないが、その反面、将来のキャリアデザインを意識してゼミ指導をしても必ずしもうまく行かないことを思い知らされることも多い。企業は応募する多数の学生を比較的短時間で判断している。我々大学の教師は、特に少人数ゼミの学生の場合は1~2年間、場合によっては3~4年、学生を見ているので、協調性や判断力、適応力、忍耐力、それに一年間でどれだけ成長するかといったこともかなりじっくり観察しているつもりである。そう考えると、推薦状ではないが、大学側の学生評価と企業側の学生評価をすり合わせれば、企業としてももう少しいい人材を採用することができるのではないかと思うのだが、現状では企業は自分の企業文化に染めることを優先して、あまり大学での教育を評価していないし、結局、それ自体も一企業に過ぎない就職情報産業が伝えるノウハウだけが学生の就職活動の唯一の指針となってしまっているような気がする。リクルート事件で逮捕される前の江副浩正氏が「日本中の大学生のデータを提供してもらえば、すべての企業に適正に配置できる」と豪語していたらしいが、そうなっては困るのだ。
就職活動を終えた学生は自信もつき、語り口もしっかりとして、大いに成長する。しかし内定をもらう学生ともらえない学生の間には紙一重の差しかない。就職委員として、学生の就職体験談の発表など様々な行事を手伝っているが、企業の人事の一面的な判断をあまり持ち上げたくない気持ちもある。企業の人事担当者にはただ自分の会社の文化に合うか合わないかだけでなく、場合によっては企業文化に挑戦するかもしれないが、ポテンシャルの高い学生を採用して欲しいと思うし、学生たちは謙虚さを失わずに、でも落とした企業の判断を過大視せず、前向きに、自分を必要としてくれる企業を見つけて欲しいと思う。
もちろんこちらが思っていた以上に善戦する学生もいて、嬉しい誤算もあるが、企画力やプレゼンテーション力、マナーやモチベーションなどの点でも極めて優れた学生でもすんなり決まらないことも少なくない。学生の志望業界と本人の適性とのミスマッチや、未だに残っているように思われる就職市場での女性差別などもあるのだろうが、優秀な学生の就職が決まらず、悩んでいる姿を見るのは教師としても心苦しい限りである。
最近の大学は就職指導にもかなり力を入れている。未だに「ゼミや大学の勉強をちゃんとやっていれば自ずと就職は決まるのだ」と根拠のない自信を抱いている先生も少なくないが、その反面、将来のキャリアデザインを意識してゼミ指導をしても必ずしもうまく行かないことを思い知らされることも多い。企業は応募する多数の学生を比較的短時間で判断している。我々大学の教師は、特に少人数ゼミの学生の場合は1~2年間、場合によっては3~4年、学生を見ているので、協調性や判断力、適応力、忍耐力、それに一年間でどれだけ成長するかといったこともかなりじっくり観察しているつもりである。そう考えると、推薦状ではないが、大学側の学生評価と企業側の学生評価をすり合わせれば、企業としてももう少しいい人材を採用することができるのではないかと思うのだが、現状では企業は自分の企業文化に染めることを優先して、あまり大学での教育を評価していないし、結局、それ自体も一企業に過ぎない就職情報産業が伝えるノウハウだけが学生の就職活動の唯一の指針となってしまっているような気がする。リクルート事件で逮捕される前の江副浩正氏が「日本中の大学生のデータを提供してもらえば、すべての企業に適正に配置できる」と豪語していたらしいが、そうなっては困るのだ。
就職活動を終えた学生は自信もつき、語り口もしっかりとして、大いに成長する。しかし内定をもらう学生ともらえない学生の間には紙一重の差しかない。就職委員として、学生の就職体験談の発表など様々な行事を手伝っているが、企業の人事の一面的な判断をあまり持ち上げたくない気持ちもある。企業の人事担当者にはただ自分の会社の文化に合うか合わないかだけでなく、場合によっては企業文化に挑戦するかもしれないが、ポテンシャルの高い学生を採用して欲しいと思うし、学生たちは謙虚さを失わずに、でも落とした企業の判断を過大視せず、前向きに、自分を必要としてくれる企業を見つけて欲しいと思う。