美人喫茶と云うだけあって、並みより上の女性達でした。
女性達は思い思いの服装で接客していました。
今のウエイトレスが着ているような、動きやすい服装ではありません。
当時の女性歌手が着ていたような、ひらひらした薄手の服装でした。
だからと言って、男に媚びるような事はありませんでした。
義兄を含め、都会出身者は殆んどいない人達の集まりですから、
彼女達に憧れがあったのかもしれません。
決して、変な真似をする事はありませんでしたし、
彼女たちも、変な真似はされないし、
何かあったら、守って貰えると安心して付き合っていました。
サルビアには、毎日通いました。
通いましたと云うより、出勤でした。
土曜日、日曜日の休みもありません。
行けば誰かが待っていましたし、話相手には困りませんでした。
寂しかったら「サルビア」、嬉しかったら「サルビア」でした。
首をかしげる話が殆んどですが、
当たりの話もありまし、「ん!」と思える本当に良い話もありました。