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地蔵尊八幡052  水嫌地蔵尊

2019年06月13日 17時21分09秒 | 地蔵尊

 

 

水嫌い地蔵 八幡の昔話

今から130年ほどの前の話です。八幡さまのある男山の南の麓に橋本という所があります。

橋本は、木津川と宇治川と桂川の3つの川が合流して淀川になる所で、きれいな水が流れて青い光につつまれ、春には菜の花や葦に黄金の花が咲き乱れます。

橋本の渡しは、いつも三十石船や、八幡さまにお参りする人々で賑わい、宿場町として栄えていきました。しかし、一方では、梅雨どきになり大雨が続くと、昔から水がつき、水害に悩まされていたのです。

橋本の小金町に住む久次郎の家には、古い井戸があり、大雨のために水が溜まっていました。

ある日、久次郎がその古い井戸に近寄ると井戸の底から「ウオオーン、ウオオーン、ウオオーン」という不思議な音が響いてきます。家の人達には全く聞こえないのに、久次郎にだけ聞こえるので、不思議に思っておりました。

その夜のことです。久次郎が眠りにつくと「久次郎さんやー、この井戸から出してくれー、出してくれー」とはっきりした声が聞こえるのです。はっと目をさますと、お地蔵様か久次郎の夢枕に立っておられます。
「井戸の底から、ウオオーン、ウオオーンと何やらふしぎな音がしたのは、お地蔵様の声でしたか」と翌日早速、井戸さらえをすることにしました。つるべで井戸の水をくみ出し、久次郎は井戸の中へ降りていきました。

すると、井戸の底からお地蔵さまが現れたのです。両手で抱きかかえるほどの小さなお地蔵さまでした。「これはきれいなお地蔵さまや、さぞ苦しかったことでしょう」と声をかけ、しっかりと抱きかかえて家にお連れしました。これをふしぎなご縁と思った久次郎は、早速家の前に祠を作り、お地蔵さまを大切におまつりしました。

子供たちも大喜びでお地蔵さまのそばに集まり、仲よく遊ぶようになり、それからは病気1つしませんでした。

地蔵盆には提灯をともし、お供えをして楽しく一日を過ごすようになりました。

それ以来、大水が近くまで来ても、このお地蔵様のおられる小金町は、水がつかなくなり、水害にも遭わなくなったことから、いつからか『水嫌い地蔵さま』と呼ばれるようになったのです。

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