御土居から出土した 石仏
御土居から出土した石造物
「御土居」は豊臣秀吉が天正19年(1591)に戦乱のため荒れていた京都の洛中、洛外を区画し、外敵の来襲に備えるため
京都の周辺に築造した延長23キロメートルにおよぶ土塁である
ここに祀られている石造物は この御土居から出土したものと伝えられている
すべて花崗岩製で横顔は阿弥陀仏、二尊石仏、地蔵石仏、五輪塔などがある。
これらの制作年代等は銘文がないため不詳であるが、
奥中央の石仏等はふくよかな顔立ちから想定して
室町時代頃まで溯る可能性がある
また、地輪、二尊仏を彫刻した五輪塔は室町時代末期頃の製作と推定される。
これらの石仏は庶民信仰の歴史を研究する上でも大変貴重な遺物である。
なお、この辺りはもと御土居があった所で
近くの天満宮境内や平野鳥居前町には
国の史跡に指定された御土居があり、
当時の面影を伝えている。
関連記事 ➡ 秀吉が造らせた御土居堀