カピバラさんの2泊3日(4)

2015-07-26 10:28:19 | 童話
しかし、今度は日が照っていて暑いので、一時間ごとに休憩をして、リュックの水を飲んだ。
その水は、すごく美味しかったです。

そして、お昼になって野菜を食べることにしました。
僕は
『ニンジンにしようかなぁ、それともキュウリにしようかなぁ。』
と考えていると、
お姉ちゃんが、
『両方を半分ずつ食べればいいのよ。』
と言いました。

よく見ると、お父さんとお母さんも半分ずつ食べていました。

そして、食後の休憩をしている時に、前から来た自動車が止まって、小さな男の子が窓から顔を出して
『何処へ行くの?』
と聞きました。

僕は
『田舎の友達の所へ行くんだ。』
と言ってバイバイをしました。

カピバラさんの2泊3日(3)

2015-07-25 22:39:11 | 童話
僕たちカピバラは、飼い主さんと一緒でなければ電車に乗れないので仕方ないのです。

飼い主さんと一緒でも、カートの大きさ制限が、長さ70センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチ程度となっていて、お父さんやお母さんはカートに入らないので仕方がありません。

お父さんが先頭で、次がお姉ちゃん、そして僕、最後がお母さんで、一列になって道路の右側を歩きました。
広い道路なので、前から大きな車が沢山来て少し怖かったです。

しばらくすると太陽が出てきて明るくなり、僕たちは道路の横の草むらで懐中電灯をはずし、リュックを下して休憩しましたが、みんなの背中は汗でビッショリになっていました。

その草むらには美味しい草がいっぱい生えていたのでリュックの中の干し草は食べなかったです。

1時間ほど休憩して、僕たちは懐中電灯をリュックにしまい、そのリュックをまた背負って歩き始めました。

カピバラさんの2泊3日(2)

2015-07-24 22:49:58 | 童話
そして、お父さんが飼い主さんとお話しをして、3日間のお出かけの了解を貰いました。

そして、飼い主さんから帽子とリュックと懐中電灯を貰ってきました。
帽子には「私たちカピバラは旅行中です。」と書かれていて、
リュックは前足と後ろ足が入る様になっていて背負えるようになっていました。
また、懐中電灯は、頭用とお尻用の2個ずつ有ったので、僕とお姉ちゃんは両手でハイタッチをして喜びました。

お父さんが、
『明日は朝早く出かけるから、今の内に出かける用意をしなさい。』
と言ったので、
僕たちは、お水を入れる水筒と、ニンジンやキュウリの野菜と、干し草をリュックに詰込んで、今夜は早く寝ました。

お父さんの
『出発するから起きなさい。』
の声に起こされたが、外はまだ真っ暗だった。

僕たちは、リュックの中から水筒を取り出し、水を入れて再び水筒をリュックに詰込んで、
みんな頭とお尻に懐中電灯を付けて、暗い道を歩き始めました。

カピバラさんの2泊3日(1)

2015-07-23 21:31:04 | 童話
僕はカピバラです。
両親とお姉ちゃんと4匹で住んでいます。

僕たちはお風呂が大好きです。
美味しい草をモシャモシャモシャと食べた後のお風呂が一番好きです。
お風呂の中でボ~としていると気持ち良くて、眠くなってしまいます。
そして、お風呂から出た時に飲む牛乳は最高のご馳走です。

こんな楽しい毎日を過ごしている時、お父さんが
『向うの角に住んでいたカピバラさんから手紙が来たよ。飼い主さんが定年で田舎へ引越し、みんなも一緒に広い土地の広い家に住んでいるらしいよ。』

お母さんは
『あらっ、素敵ね。』
『手紙の中に、是非、遊びに来て下さい、と書いてあるよ。』
『あらっ、いいわね。みんなで行きましょうよ。』
『そうだね、飼い主さんに聞いて見ようか?』
『ええ、お願い。』

ドッコイショ(3)

2015-07-22 21:58:22 | 童話
『ねぇおじいちゃん、ドッコイショやヨイショと言っても良いのは何才からなの?』
『決まりは無いけれど、おじいちゃんの年から良いんだよ。』
『ふぅ~ん。』
『ねぇおじいちゃん、僕もドッコイショやヨイショと言っても良いのかなぁ。』
『ああ、おじいちゃんと一緒の時だけドッコイショやヨイショと言って良いよ。』
『わぁ、うれしいなぁ。』
『だけれど、おじいちゃんと一緒ではない時は、ドッコイショもヨイショも言ってはいけないよ。』
『うん、わかったよ。』

僕はおじいちゃんから、おじいちゃんと一緒の時は、ドッコイショやヨイショと言っても良いと言ってくれたのでうれしかったです。

これから、おじいちゃんと一緒の時は、おじいちゃんとドッコイショとヨイショと言う競争をしよう思いました。

だけれど、僕が中学生になった時におじいちゃんとドッコイショとヨイショの競争ができなくなりました。

僕は時々、おじいちゃんのいる空に向って大きい声で
『ドッコイショ』、『ヨイショ』と言っています。

いつかおじいちゃんが高い空から、僕と競争するみたいに、もっともっと大きな声で
『ドッコイショ』、『ヨイショ』
と言ってくれると思っています。

おじいちゃんのドッコイショやヨイショが聞こえるのはいつなのかなぁ。

おしまい