山の巨人(4)

2014-12-26 21:42:58 | 童話
その次の日、巨人がいつものように、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ました。

町に着くまで、着いたら小さくなるのを忘れないようにしていましたし、あまり小さくならないようにすることも忘れないようにしていました。

そして、いつものように町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰りましたが、帰る時に山の中で暗くなってきました。

その時、巨人は普通の大人の人と同じ大きさであることに気が付きました。
元どおりの巨人の大きさになるのを忘れていたのでした。

そして、巨人は、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰りました。

それから巨人は、小さくなることや、元のように大きさなることを、もう忘れ無いだろうか?

君達みんなで『もう忘れないでね。』と言ってあげようね。

『山の巨人さ~ん、忘れないでね!』

おしまい

山の巨人(3)

2014-12-25 21:15:15 | 童話
次の日、巨人がいつものように、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ました。

そして、町に着くと巨人は小さくなったのですが、小さくなり過ぎて大人の手のひらに乗る大きさになったのです。

小さくなり過ぎた巨人は、町の人の足で踏みつぶされないようにして歩きました。

『さっき豆粒みたい物が走って行ったね。』
『そうだねぇ、あれは何だったのかねぇ。』
『もう来ないのかなぁ。』

そして、巨人は食堂に入ったのですが、お店の人は気がつきません。

巨人は小さくなり過ぎたのに気が付き、誰もいない所で大きくなって大人と同じ大きさになり、いつものように、町の食堂でお昼ご飯を食べて、お買い物をして、山に帰って行きました。

もちろんいつもの巨人のように大きくなって、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ったのです。

山の巨人(2)

2014-12-24 21:18:32 | 童話
ある日、巨人が山から町にやってきた時に小さくなるのを忘れて、巨人のままでした。

みんなは巨人の足しか見えないので、巨人だとは気がつきません。

『今、大きな足が通り過ぎていったね。』
『そうだねぇ、大きかったねぇ。』
『ドスン、ドスン、ドスンと大きい音がしていたね。』
『もう来ないのかなぁ。』

巨人は食堂に入れないので、小さくなるのを忘れていたことに気が付き、誰もいない所で小さくなりました。

そして、いつものように、町の食堂でお昼ご飯を食べて、お買い物をして、山に帰って行きました。

もちろん帰る時は、また大きくなって、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ったのです。

山の巨人(1)

2014-12-23 12:34:27 | 童話
昔、ある山に巨人が住んでいました。

山の頂上に足があり、足から上は雲の上にあるので、みんなは巨人だとは分かりません。

その巨人は、山から町にやって来る時に、右の足で山の頂上にポン、今度は左の足で次の山の頂上にポン、そして、右足左足と山の頂上をポンポンポンと跳んでやって来ます。

町に着くと巨人は小さくなって普通の大人と同じ大きさになり、町の食堂でお昼ご飯を食べて、いろいろな買い物をして帰ります。

帰る時には、また大きくなって、山の頂上をポンポンポンと跳んで帰ります。

山の巨人は小さくなっても力持ちで、町にいる時にみんなの手助けをします。

お年寄りが荷物を持っている時は代わりに荷物を持ってあげます。
そして、広場で子供と遊んであげます。

だけれど、巨人は町にいる時は普通の大人と同じ大きさなので、みんなは巨人だとは分かりません。

お話しがいっぱい(5)

2014-12-22 21:23:29 | 写真
それでは、人工衛星より遠い所にある星とは、どのようにしてお話しをしているのかなぁ。

遠くの星には僕達のような人間がいるかどうか、今までずっと調べているけれど、まだ分かっていないんだ。

だから、お話しする相手がいないんだよ。

だけれど、星と星とは何かお話しをしているみたいだね。
キラキラ、キラキラと光ってお話しをしているみたいだね。
きっと人間には分からない言葉でお話しをしているのだろうね。

君達が大きくなった頃はいろいろな星とお話しができるようになっているかも知れないね。
それとも、君達が遠くの星とお話しをする方法を見つけるかも知れないね。

おしまい