内藤いずみさんは在宅ホスピス医で、甲府市で小さな緩和ケア診療所をやっている。
末期がんで治療法がなくなった人を、きめ細かく往診して、その方が家で家族と共に豊かな最期を迎えられるようにする仕事をしている医者です。
この本には、患者が痛みのない最期の日々を過ごすのに必要なモルヒネについて、基礎知識や正しい投与法の説明が詳しく書かれていて、とても頼もしい。
内藤いずみさんは、諏訪中央病院の鎌田實氏との対談の中で、自らの仕事をふり返りながらこう言っています。
<がんの場合、治療法がなくなっていよいよ最期を迎えるとなった場合、私が診てきた人たちの在宅での平均寿命は80日です。
家で夫なり妻なり親の最期を看るのは家族もとても大変ですし、相当の覚悟が要ります。でも、それがずっと続くのなら心身ともに参ってしまうでしょうが、三ヶ月弱です。交代で看るなど、やりようで豊かな最期を迎えることは十分可能だと思っています。そしてそれは、残された人たちにとっても、とても豊かな経験になるはずです。>
内藤いずみさんは、死が日常から遠ざかった現在の日本を危惧して「メメント・モリ(死を思い出せ)」と言ってる。
そうだよね。
もう後半人生になってる私は、少しずつ準備のために時々メメント・モリね。
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