食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人、初めて見た猪Ⅰ』

2013年07月19日 17時56分31秒 | 趣味

猪は獲物としては大きく、捕るにはチームワークによるところが大きく独りでも捕れ

る兎.鳥とは別の喜びがある。うまくすれば一人でも捕れるが余程の熟練者か、偶

然に近い幸運が重ならない限りたやすくはいかない。猪猟は足跡を見つけ、寝屋

山を特定する見切りを行い射手の配置、勢子が犬を連れて行き寝屋の近くで放す。

犬が猪を起こし前後から襲いかかり足止めを食わせることを『止める』と言い、勢子

の近くで止めがあったら勢子が撃ち、止めることはできず逃げ出したら、待ち伏せ

をしている処に来るのを待つ。

待ちの配置は獣道で、猪の場合は姿が見え難い暗いような所が多く杉林や、谷で

あれば一番狭くなっているような場所、急傾斜の崖も軽々と下ってしまうから、猪を

捜索している時に、待ち場所の情報も得ておく必要がある。人数は多ければ多い

ほど待ちに掛かる確率は高くなる。後で分かったことだが、ヘッドに熟練者、気心

しれた人同士で物事を誇張しない確実性のある人(見切り段階で確実性のない情

報ばかり集まってくると本当のことが分からず、猪不在なのに在宅として度々、空山

で猟をすることになる。仲間が4~5人いれば十分な猟は可能になる。猪の大きさは貫

で表現され15貫あればマアマアで20貫位から大物の部類になる。身長は 1メータ

位。体毛は薄く首から背にかけては7〜8センチの長い毛があり、二又、三又の枝

毛になっているので、これを財布に入れておくと二方、三方から金が入り貯まると

言われる。私も沢山の猪の毛を財布に入れてみたら、沢山ではなかったが小金が

貯まったから本当のようだ。色は茶系統の黒で歳を取ると白髮混じりになってくる。

爪はブタと同じでハイヒールを履いたような形をしており足跡を見れば、先端に2

つの爪痕があるので猪だとすぐ分かる。猪猟を始めて間もない頃、村内で猪猟に

参加することになった。その時のメンバーはグループとしては纏まりがなく、まともな

グループになるには淘汰を要する状態だった。捕れない理由を当り触りのない私

ち愚痴交じりで溢す人やら、他人の犬をけなしたり、猟方の批判ばかりしていた。

れで自分は前向きにやっているのではなく、捕れたイノシシの肉が欲しいだ

けで猟をしているように見えた。これでは捕れるはずはないし纏まりを欠く一方で

悪循環は捕れないことに拍車をかけた。

朝から足跡を探し見切りを済ませ、待ちの配置につくことになった。猪猟を始めた

ばかりで何も知らない私に『この道を降りると猪の足跡がある。そこで待て』と愚痴

の主が言った。雪が残っており素人同然の私でもその場所は直ぐ判った。

小さい谷で雑木が多い茂り、いかにも猪が通りそうな場所だった。大きな杉の木

があり、この陰に隠れていれば周りはよく見えるが、もし間違って猪が反撃をして

来たら逃げ場所がない・・・迷いに迷った挙句10mほど上の獣道で待つことにし

た。茂みの中で見難いが、猪がこの道を上がってくれば、銃をこう構えてあの場

所で引金を引けば、確実に獲れそうだと頭の中でシミレーションしていた。


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