食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『1月8日から15日、カナダ、イエローナイフにオーロラ観賞の旅』

2016年02月16日 17時00分00秒 | 日記

正月行事を終えるとあっという間にカナダへの旅立ちとなる。

ど素人の私がオーロラを写真に撮ってやろうという無謀な計画、-20℃~-30℃の極寒の地ではカメラの防寒対策

は元より星空を撮影するための技術をも要求される。そもそも一眼レフの知識はないがひょっとしてきれいな写真

が撮れるのではと、使い始めただけなのに、ハードルの高いオーロラ撮影は0からの勉強が必要だった。レンズは

ズームと望遠を持っているがオーロラ撮影では広角で明るいレンズ(F1./2.8など)がいいとか、露出を開放するレリ

ース云々など準備する物も多い。三脚にしても金属製のものを素手で触ると肌が金属に貼り付くこと、場合によっ

ては凍り付き使用不能になるなど想像もつかないことが注意すべきこととして列記されている。

シャッターを開放モードにして露出時間を変えるとどうなるのか寒い夜空で実験を繰り返す。夜空に今まで見向きも

しなかったISOの役割は大きく、これも変えてどうなるのか体験教育を繰り返し現場の環境と合う設定ができるように

ならないと写真には撮れない。調べてみると1回のシャッターでISOを3段階に変えて撮影してくれる便利な機能があ

ったりするが・・・・カメラのことで知恵熱が出そうだ。

最も大切なことは焦点を無限大に合わせておかないとオーロラがぼけてしまうことらしい。

星に焦点を合わせて星が1点になったらMF(手動フォーカス)にして焦点が変わらないようにテープを貼り付けておく

こと。また極寒の地ではバッテリーが直ぐに消耗するので予備を持ち、肌身離さず保温をしておくことも重要な事だ。

見よう、見真似の防寒対策と必要品の調達をして旅立った。

カルガリーからバンフに移動してカナディアンロッキーの冬景色を観光した後、カルガリーからイエローナイフまで

1,700kmを飛行機で2時間半の旅。この間は白い大地と凍った湖ばかりの見える景色、カナダは国民1人に1つの湖

あると言われるほど湖だらけの国だ。

イエローナイフは北緯62度の極寒の地、着陸しタラップを降り空港施設まで徒歩で向かうが、タラップを降りた途端、

氷点下20℃くらいの気温は寒いを通り過ぎ『痛い』と感じる。防寒のため飛行機を降りる前に防寒ズボンをもう1枚は

き、ダウンジャケットの上にはフード付きのオーバーコートにマフラー、毛糸の帽子と完全防寒のつもりだが肌が出て

いる所は寒さの洗礼を受ける。

到着したその夜がオーロラ見物初日。

ホテルから30分くらい離れた灯りのない施設で暖を取りながらオーロラの出没を待つ。

現地の係員が『弱いけどオーロラが出始めています』の声に心ときめかして外に出て見る。

空を見渡すがそれらしきものは見えない。『ほら、あの辺り』と言われてもオーロラはおろか霧状のものさえ見えないの

である。それでもと思いレクチャーを受けたシャッター速度20秒くらいで撮影してみるが空全体が薄緑色に映るだけで、

グラビアなどで見るオーロラは何にもない。何枚か写真を撮ってみたがうっすらとオーロラらしきものが写っているもの

を凝視しても『This is Aurora』とは言えない。

この日はこんな状態でオーロラを観たという気分にはなれなかった。もし、明日も明後日もこんな状態だったら遥か遠

方の日本からここに来た意味はなくなる、しかしそれを承知で来たのだから文句は言うまい。だが私は旅の運はいいか

ら必ずオーロラに出会うことは出来るはずだと勝手に思い込んでいた。

このツアーは変わっている。22時頃にホテルを出てオーロラ施設に行き2時ごろ帰路に着く。ホテルに帰り風呂に入り寝

るのは3時から4時くらいになり起床は10時から11時だから朝食は無い。もし早起きしたならば自分で勝手に朝食を摂る。

朝食兼昼食を食べて夜のオーロラ観賞まで自由時間でこの間にOPツアーとして、市内観光、犬ぞりツアー、スノーモー

ビルツアーなどに参加して楽しむ。

2日目のオーロラツアーは前日と異なる施設に向かう。施設に着いてカメラの準備をする。施設では暖房用のストーブが

ガンガン焚かれているから外で冷えたらここに戻り暖を取ってから再び外に出ていく。『オーロラが見え始めましたよー』の

声に、期待を込めて外に出る。遠くの方にオーロラらしきものが確認できる。写真を撮ろうと色々、手を尽くすが思うように

行かない。防寒用具はレンタルで上下の防寒服、防寒手袋、防寒靴。私自身はヒートテックのシャツ・2枚重ね、ヒートテッ

クのパッチ、カジュアルシャツ、セーター、ライトダウンを着た上に防寒服を着用する。総重量は約15Kg。

重い装備を抱えてオーロラの活発な活動を待っていると、遠くからユラユラと明るい光が移動してくる。それを皮切りにオ

ーロラのワンマンショーが始まった。大爆発というものではないらしいが最高時は昼間のように明るくなり、カーテン状の縁

にはピンク色や薄い赤が混じっていた。

オーロラは目でみると白っぽい霧や雲のように見える。だが明らかに霧や雲とは異なる。

これをカメラに通してみると緑色や白が混じったオーロラとして見える。運がいいと赤やピンクを見る事ができる。

百聞は一見に如かず、オーロラの魅力や神秘は拙い文字では説明しきれない。

手袋は2枚重ねでも凍傷になるくらい冷たくなり何度か小屋に戻りストーブで暖を取りながら撮影をした。準備したタイマー

付きレリースは防寒対策をしていたのに動作不能になり、簡単な手動レリースが活躍した。悪戦苦闘で写真は駄作ながら

200枚くらいは摂ることができた。カメラの防寒対策として安物のカメラケースを改造したものにフリースでカバーをかけ2重

構造のものを作ったが、設定を変えるなどの操作の際、手袋では非常に困難を極めた。結局、レンズを残してサランラップ

を何重にも巻くと外気と遮断されること、カメラの設定も容易にできる、またバッテリーの持ちもよかったので、これがベストの

寒だったと思っている。この夜は全員が大満足で疲れなど感じずにホテルに戻る。

3日目は昨晩ほどではなかったが十分堪能することができ、このツアーは大成功に終わり、おまけまでついた。カルガリー

に戻る飛行機の中でCAの方が『Northern light….right side』と教えてくれ、活発ではないオーロラをチョロッと観ることが

できた。 

その何枚かを披露します。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿