【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

法廷で見た「警視庁公安部外事1課刑事たち」は理詰めに弱い印象で「捏造だ」「経産省に聞いた」大川原化工機の外為法冤罪のそれからの民事国家賠償を傍聴しました

2023年06月30日 21時39分08秒 | 経済
[写真]大川原化工機冤罪の国家賠償の民事裁判を傍聴した筆者・宮崎信行、きょう、東京・霞が関の東京地方裁判所前で。

 国際約束「オーストラリア・グループ」の国内実施法「外為法・輸出管理令」による化学機械輸出リスト規制に違反したとして警視庁公安部に逮捕・起訴されながら、冤罪だと分かり起訴取り消しとなった、大川原化工機について、1年間の拘留などの損害に対する国家賠償請求に対する民事裁判で、警視庁公安部外事1課刑事が事件は「捏造だ」と証言しました。

経済産業省の法令解釈誤り確実に「13回のメモ」局長公開拒否、大川原化工機332日冤罪事件警察庁刑事局長「警察は解釈しない」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

 国賠の事件番号は「令和3年(ワ)第23302号」で、原告は大川原化工機株式会社、大川原正明さん、島田さん、相嶋姓3氏の1法人・5個人。被告は、警視庁を所管する東京都と国となっています。

 きょう令和5年2023年6月30日は弁論証人尋問が6時間ほど開かれました。筆者・宮崎信行は午後の2時間傍聴しました。抽選券は出ていませんが、法廷の入口で入場整理券が配られました。

 報道によると、午前の部で、高田弁護士の「輸出規制に関する経済産業省の基準が明確でなかったことに乗じて事件をでっち上げたのでは」との問いに公安部刑事は「ねつ造かもしれない」と答えました。

 午後の部に登場した、警視庁の元公安部外事1課の警部(愛宕署に異動)の証人尋問では、警視庁が経産省から同じリスト規制は過去に1社しかないと照会した、と証言しました。警視庁から経産省への「調査関係事項照会」のために調書を作成して示したところ、経産省から「もう少し幅広に裏付けをやってみてはどうですか」と言われたとしました。

 また、原告が「経産省の課長補佐との2月8日の打ち合わせで、経産省側が態度が変わったか」と質問したところ、「急に経産省が変わったということはない」と証言し、経産省側の対応も平たんだったことをうかがわせました。

 警視庁内でもあいさつしないと言われる、警視庁公安部外事1課の刑事たちは、理詰めに弱い印象がある男性たちでした。

 証人尋問は来週も続き、警視庁だけでなく経産省貿易管理部職員も呼ばれます。判決は年内ではないかとみられます。裁判長が国と東京都に対して違った判決が出ることもありえそうです。

 以上です。

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