【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

経済産業省の法令解釈誤り確実に「13回のメモ」局長公開拒否、大川原化工機332日冤罪事件警察庁刑事局長「警察は解釈しない」

2022年03月08日 11時40分19秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 化学機械の輸出管理に関する国際紳士協定「オーストラリアグループ」の国内実施法である「外国為替法」に違反したとして、大川原化工機(横浜市)の社長ら3名が警視庁公安部に332日間逮捕・拘留されながらも、東京地方検察庁が起訴を取り消し、釈放されたこと事案について、警察庁刑事局長は8日の参議院経済産業委員会で「外為法の不正輸出事件では、警察が法令を独自に解釈することはない」と断言し、警視庁と13回やり取りした経済産業省貿易経済協力局貿易管理部の解釈ミスであることを強く示唆しました。

 警視庁公安部、東京地検でなく、経産省のミスだとする国会答弁、報道はこれが初めて。

 森裕子氏に対する答弁。

 これについて経産省局長は「警視庁のときに打合せしたメモは、国家賠償請求事件が係争中のためノーコメントだ」と答弁。森さんは「13回やり取りしたメモがある」と暴露しましたが、局長は「警視庁が作成したものだ」とし、経産省内にはメモが無いとしました。

 森さんは政府が経済安全保障法案を今国会の目玉としている中で「経産省はしっかりできているのか。332日も自分たちのストーリーに社長ら3人を拘束して、銀行取引全停止となったが、まったく倒産しなかった。業界の7割のシェアをしめる。そして、3人のうち顧問は拘束中に病死している。これが今の日本かと思う」と強くなじりました。

 森さんは、西松・陸山会事件をめぐって、途中から登場した黒川弘務法務省官房長(当時)を早くから批判。また、新潟県政界では、田中角栄元首相が外為法で逮捕されたことがあります。

 政府は「経済安全保障推進法案(208閣法37号)」を出しましたが、外為法改正条項は全く落とされており、この事件の関係があると思います。政府は5年後見直し規定を原案に盛り込んだことから工作機械の「ワッセナー協定」(旧名称・ココム)も含めた経産省の法律による締め付け強化は、2027年過ぎまで見送られた格好となっています。

 森さんは「経済安保法案は企業を委縮させるだけでメリットが無いのではないか」と述べ、今後も追及するを予告しました。


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