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呉江浩駐日中国大使の『中国の分裂企てれば、日本の民衆は火の中に」発言は正しい -日本政府が日中首脳会議で「一つの中国」を再確認したことと、日本の安全保障が幻であることを知られたくないから-

2024-05-22 | 小日向白朗学会 情報
 2024年5月20日、朝日新聞デジタルは『中国の分裂企てれば、日本の民衆は火の中に」駐日中国大使が発言』でセンセーショナルなニュースを配信した。
『……
 呉江浩・駐日中国大使は20日、日本の国会議員約30人が台湾でおこなわれた頼清徳(ライチントー)新総統の就任式に出席したことについて、「公然と台湾独立勢力に加担するもの」と非難した。在日中国大使館が日本の政治家や学者を招いた座談会で述べた。
 呉氏は、頼氏が率いる民進党について「完全な台湾独立組織」とし、「平和統一の可能性が縮小する」と新政権を批判した。また、「外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとしている」と外国と台湾の結びつきを牽制(けんせい)し、「日本という国が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」とも述べた。
 呉氏は「台湾問題は中国にとって核心的利益」と強調し、「我々は最大の努力を尽くして平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない」と主張。「国家の主権と領土の保全を守る中国政府と国民の意思と能力を過小評価すれば、大きな間違いになる」と述べた。
 呉江浩・駐日中国大使は20日、日本の国会議員約30人が台湾でおこなわれた頼清徳(ライチントー)新総統の就任式に出席したことについて、「公然と台湾独立勢力に加担するもの」と非難した。在日中国大使館が日本の政治家や学者を招いた座談会で述べた。
 呉氏は、頼氏が率いる民進党について「完全な台湾独立組織」とし、「平和統一の可能性が縮小する」と新政権を批判した。また、「外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとしている」と外国と台湾の結びつきを牽制(けんせい)し、「日本という国が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」とも述べた。
 呉氏は「台湾問題は中国にとって核心的利益」と強調し、「我々は最大の努力を尽くして平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない」と主張。「国家の主権と領土の保全を守る中国政府と国民の意思と能力を過小評価すれば、大きな間違いになる」と述べた。
……』
当日、在日中国大使館で行われた会議の様子に付いて様々な新聞が報道しているが、ここは、敢えて2024年5月21日、産経新聞『中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」』を紹介する。
『……
中国の呉江浩駐日大使が、日本が「台湾独立」や「中国分裂」に加担すれば「民衆が火の中に連れ込まれることになる」と発言した20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、「基本的に同意する」と述べていたことが分かった。
招待を受けた鳩山氏は「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」と持論を展開。「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」と言い切った。
一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。
呉氏の発言は20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。呉氏は昨年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。
……』
 先ず結論を述べておく。
今回問題となった駐日中国大使の発言は100%正しいし、鳩山由紀夫元総理大臣の説明、これも、100%正しい。
悪いのは岸田首相であり、日本外務省である。

 その理由に付いて、筆者は(2024年04月19日)に「日中は「戦略的互恵関係」であるにもかかわらず中国を仮想敵国とする日本政府の矛盾 ―すべては国民生活を犠牲にして莫大な防衛予算獲得のためー』を書いているので、その中から一部を再録する。
『……
そもそも、バイデンという世界情勢に疎いだけでなく利権屋でもある大統領がアメリカ製兵器を輸出促進するためロシアによるウクライナ侵攻を「一方的状況変更は許さない」と言う屁理屈で中国敵視政策を開始した。それと同時にアメリカは、指揮権を握る朝鮮戦争の枠組みである日本、韓国、フイリピン及び当事国台湾に、安全保障強化という名目で兵器購入に必要な予算措置をとるように求めた。日本はこのアメリカの命ずるままに、空前の防衛予算を獲得することができる中国敵視政策(防衛三文書)を開始した。ところが、この日米が実施した中国敵視政策は、軍事的に中国をロシアに接近させる結果となってしまい、ついには、米ロの核バランスを狂わすという事態に陥った。これに慌てたアメリカは、急遽、中国敵視政策を放棄し1970年代にキッシンジャーがまとめた「一つの中国」政策に回帰することにした。これでアメリカは台湾有事、すなわち「中国による台湾進攻」には介入しないことにした。それが2023年に米中で「一つの中国」政策に回帰することに合意した原因である。アメリカは中国と「一つの中国」政策に回帰することに合意すると直ちに政策変更による後処理を開始した。このころの日本はアメリカの求めに応じて「台湾有事は日本の脅威」という安全保障政策を継続していたことから、日本と中国が偶発事故を起こすことす危険があった。軍事常識があるならば常識の話である。そのため、アメリカは日本にも「一つの中国」政策に回帰することを求めて岸田文雄首相と習近平国家主席の会談を準備し、日本の事情に一切斟酌することなく「一つの中国」政策を日本政府にも再確認させてしまった。その結果、今度は、日本の安全保障政策に矛盾が生じることになった。日本の安全保障は、アメリカの核の傘と駐留米軍である。それが、アメリカは台湾有事に軍事介入しないことを決定したため「台湾有事は日本の脅威」となっても「アメリカ軍は介入しない」と決まった。つまり日本政府が念仏のように唱えてきたアメリカ軍の抑止力を基盤にした日本の安全保障は、本当に空念仏で使い物にならないことが確定してしまった。
 本来ならば、日本政府は、この時点で安全保障政策を再検討しなければならないが、一度手に入れた莫大な防衛予算を手放すつもりは毛頭なかった。そのため政府自由民主党は、国民は無知であるという認識のもと、政策が根本的に破綻していることを国民に悟られないよう国会で予算が成立するまで岸田首相が習近平国家主席と取り決めた「一つの中国」政策を国民の眼に触れないように情報管理しながら防衛外交予算の成立をはかった。
 そして2024年度新予算が成立したことから外交青書でその片鱗を少しだけ公表することにした。そのなかで、岸田首相と習近平国家主席で取り決めたことが「一つの中国」の再確認であるとは言えないため、実態がわからない「戦略的互恵関係」という用語をつかい、日中の問題はあたかも中国の軍拡にあるという筋書きにして「日本と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的挑戦だ」などと責任転嫁して公表した。
 外務省は、外交青書の中で大きなうそをついている。それは外務省が主導して作成した「防衛三文書」で日本の仮想敵国を中国、北朝鮮、ロシアとして軍事拡張を行うことにしたのは日本政府である。日本政府は、莫大な防衛予算を獲得するために、できるだけ誇大に書いてしまったのだ。
そして、岸田首相と習近平国家主席と取り決めた「一つの中国」政策に回帰を確認した後も、仮想敵国に変更はない。
 実に図々しい話なのである。
 しかし、日本政府の二枚舌は、単に、図々しいだけではとどまるだけでなく、実は、日本国民の安全保障に究極的な破局をもたらす危険性をはらんでいる。日本は、国連憲章で国連憲章の旧敵国条項(第53条、第77条1項b、第107条)が適用されている。これは旧敵国、つまり日本が関係した紛争については平和的に解決する義務すら負わされていない。従って、国連加盟国は、旧敵国が起こす紛争に対して話し合いなどは必要なく、自衛のため安保理事会の承認なしに軍事行動に出ることが容認されているのだ。そして日本政府及びその重鎮麻生副総理が敵視する中国は、核保有国であり、国連の常任理事国なのだ。したがって日本の外交政策は、中国に対して台湾と連携して対峙することは、旧敵国条項をそのまま適応されてしまうということになり、危険極まりない愚策を行っているのだ。
 自由民主党の次期総裁が上川外務大臣だなどと、政界通を気取る評論家がいるが馬鹿も休み休みにしないと日本は本当に軍事的に打ちのめされてしまう危機をはらんでいる。すぐさま次期総裁候補の予測をするよりも自由民主党を政権の座から引きずり下ろすことこそ喫緊の課題なのだ。
……』
 だから言っているではないか。在日中国大使をして遂にここまで口にさせてしまったのだ。
 これでも、まだ日米安保条約の有用性を信じているとしたら、白痴、という以外にない。
 アメリカも昨年(2023年)に米中で「一つの中国政策」に回帰して台湾問題は中国国内問題であることを確認しあっている。したがって、台湾海峡で問題が起きてもアメリカは不介入とすることを核の不使用にまで踏み込んで約束しているのだ。翻って、日本政府が採用している安全保障政策は、仮想敵国を中国、北朝鮮、ロシアとして、日米安保同盟を基軸として国土、特に島嶼部防衛を高らかに謳っている。ところがアメリカは、台湾海峡有事には介入しないことから、日本安全保障の根本である「アメリカの核の傘」と「駐留米軍」は「夢幻」であって中国が島嶼部に上陸しても米軍は黙って見守るだけなのだ。さらにアメリカは、自衛指揮権を米軍が握っていることから、自衛隊の眼前で日本が侵略されても黙ってアメリカの軍司令部の指示に従い島嶼部占領を見守る以外に方法はない。
 それでも、まだ、日本は中国と戦えという馬鹿がいるが、そこまで言うならば「自分で戦場に行け。だれもとめない」と軽蔑をこめて言い置く。核爆弾と竹やりでは、しゃれにもならない。
更に付け加えておくならば、中国大使が適応を示唆した国連憲章旧敵国条項(第53条、第77条1項b、第107条)であるが、その運用には安全保障理事会の許可は不要なのだ。突然、中国が侵攻を開始しも国際法上は中国が正しく、日本が悪いのだ。すべて岸田首相が悪い。そうして岸田首相が戦犯として捉えられても誰も悲しまない。
 産経新聞にも言っておく。鳩山元首相に対して土下座外交を行う売国奴の意味合いで報道すること止めにしておくように。産経新聞はマスコミとしての使命を逸脱しているだけではなく、上述のような報道は、単なる日本政府のプロパガンダ新聞だと断定せざるをえない。書くならば日本政府の不誠実な対応が日本国民を危機に晒していることを強く訴えるべきなのだ。
 さらに言えば、時の総理大臣は、外務省が偽の「日米合同会議議事録」を提出したことで、総理大臣は退陣に追い込まれた。如何なる偽情報であったかは、平成平成二八年二月二九日、初鹿明博が衆議院に「普天間移設問題に関して鳩山元総理への説明のため作成された文書に関する質問主意書」に詳しいので全文を載せる。

『……
普天間移設問題に関して鳩山元総理への説明のため作成された文書に関する質問主意書
 鳩山由紀夫元総理は、本年二月四日に行われた「鳩山元総理が明かす『辺野古新基地』の真相」と題した講演会で、普天間飛行場の県外移設に関して、平成二十二年四月十九日に、当時の外務省の担当者から「普天間移設問題に関する米側からの説明」との題名で、「極秘」というスタンプのついた文書で説明を受けていたことを明らかにしています。
 この文書は平成二十二年四月十九日付けで、冒頭、「在京米大で行われた標記米側説明の概要は以下のとおり」と記載され、米側がウィルツィー在日米軍J5部長、ヤング在京米大安保課長、日本側が須川内閣官房専門調査員、船越外務省日米安保条約課長、芹澤防衛省日米防衛協力課長が出席者として明記されています。
 本文には、普天間飛行場を徳之島へ移設することが難しい理由が記されていますが、その中に、徳之島までの距離が遠く、「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として米軍のマニュアルに明記されている「六十五海里(約百二十キロメートル)」を大きく超えているとの記載があります。
  上記の点を踏まえて、以下、政府に質問します。
一 この文書(平成二十二年四月十九日付け、「普天間移設問題に関する米側からの説明」)は存在するのか。また、政府文書として確認したのか。
二 平成二十二年四月十九日に、米側からウィルツィー在日米軍J5部長、ヤング在京米大安保課長、日本側から須川内閣官房専門調査員、船越外務省日米安保条約課長、芹澤防衛省日米防衛協力課長が出席し、協議を行ったのは事実か。
 三 「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として「六十五海里」という基準が、米国のマニュアルに明記されているのは事実か。
 右質問する。
……』
 つまり、趣意書で名指しされた官僚は、鳩山内閣が進めるアメリカ軍を沖縄県外に移転するのは「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として「六十五海里」とするマニュアルが存在するため不可能であるとアメリカ軍から言い渡されたと報告した。
 ところが、その後、そのようなマニュアルが存在しないことが明らかになってしまった。つまり、当時、鳩山総理大臣に説明した外務官僚は、幻の資料で県外移転をつぶしたのだ。偽情報に登場する官僚のその後であるが、誰とは言わないが「日米安全保障条約課日米地位協定室長」、「北米局日米安全保障条約課長」、「内閣官房内閣参事官〔国家安全保障局〕」、「内閣総理大臣秘書官(安倍晋三内閣総理大臣)」に就任している。つまり、彼らは、鳩山元総理大臣に虚偽の報告をしたことから大出世したのだ。このような政府に都合の悪い情報も正確に報じるのがマスコミなのだ。

最後に、
岸田首相、
上川外務大臣、
秋葉剛男国家安全保障局長は、即刻、つぎの様に声明を発するべきである。
「日本は昨年中国とは「一つの中国」政策に回帰することを約束したので台湾海峡問題がおきても日本は介入することはなく戦争にはなりません」と釈明すべきである。そして「日米安保条約」は、全く機能しない幻であることも国民に広く知らしめるべきである。
 もしも、できないならば、国民が広く周知するまで、根気強く、流布し続ける心算である。

【参考】

・(2023年10月27日)『王毅外相とブリンケン国務長官会談
・(2023年06月22日)『上海コミュニケ
以上(寄稿:近藤雄三)

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