小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

丸木美術館で確認できる核のリアリズム~東松山市で

2024-02-23 | 小日向白朗学会 情報
 昨日、2月22日に東松山市下唐子の都幾川沿いにある丸木美術館を覗いてきた。原爆の図で知られているあの美術館である。私は数10年前一度来ていたはずであるがその時の記憶はほとんどなかった。そして今回改めて丸木位里・俊の絵画を見てきた。
 肉体のリアリズム。生々しくその肉体をさらけ出しているおとことおんな、そして母に抱かれた赤ちゃん。一面黒い、そして、毒々しく赤い。原爆の図第2部「火」の前に立った私は、体の下の方から頭の方へ突き抜けていく息苦しさを感じた。何の感動もなく思念も叙情もないのにもかかわらず、目から涙があふれ出た。これは、なんだ。生命の横溢を,若い男と女の肉欲さえも思わせるその生々しさの上に漂う幽気、生きたまま焼けただれていく肌の露出を誰かがあざ笑っているように感じた。これが、核のリアリズムだ。残念なのは、このリアルな景色をキリストもお釈迦様もマホメットも見てはいないことだ。いや、ひょっとしたらヤハウェの神は時空を超えて広島の空を目撃していたのかもしれない…自らの仕掛けた結果としての景色を。
 核廃絶は単なる理想主義の戯言に過ぎない。かつて知性の勝利に驕り高ぶり禁断のバベルの塔を築いてしまった人間は、爾来、いまもってなお壮絶な神の嫉妬に悶絶しなければならない運命にある。核とは、そんなものの一つだ。そんな時は来るのだろうか。核の一つ、二つが破裂して小さな地球に 生息するあらゆる生命を絶滅させてしまう時が。米国、ロシア、中国、イギリス、フランス辺りはまあ大丈夫だろうが、インド、パキスタンに北朝鮮、そして、イスラエル…とくると、果たしてひ弱な人類の知性とやらが持ちこたえることができるのか。(文責:吉田)
(丸木美術館のチラシと、原爆の図「火」をプリントした入場券)
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日本は歴史年表を修正すべき時期が到来 -属国時代や売国政権時代ではあまりに惨め-

2024-02-17 | 小日向白朗学会 情報
 日本史には安土桃山時代という時代区分がある。一般的に安土桃山時代とは、織田信長が室町幕府15代将軍足利義昭を擁して入京した1568年(永禄11)から,関ヶ原の戦によって徳川家康の覇権が確立した1600年(慶長5)までの約30年間をさす。
 歴史年表の区分方法は、日本を如何なる政治体制が統治していたのかで区分しているはずである。そして、現代の歴史年表では明治、大正、昭和、平成、令和と歴代天皇の在位期間を記載し、それを一括して「近・現代」としている。
 しかし、幾ばくかでも日本の近現代史や国際関係論をかじったものにとってある種独特な不思議な感覚に襲われる。
 例えばオックスフォード版「イギリス帝国史」では、日本は安政5年にアメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランスと条約を締結した以降は「非公式帝国」つまり準植民地と定義されている。明治政府は、イギリスから見たら現地執行官でしかない。それを日本の歴史学者は、輝ける「明治時代」と称して臆するところを知らないばかりか回帰を希求する者まで出現している。日露戦争はイギリスの小間使いであったことを知らないか、知っていても黙殺しているのだ。
 その典型が司馬遼太郎である。
悪代官曰く「越後屋、そちも、悪よの~」という台詞を思い出してしまった。
ついで、日本は昭和27年にサンフランシスコ講和条約と同時に、吉田茂は日本の国家主権をアメリカに無条件で移譲してしまった。
それから72年が経過した。
現在もその状態が続いている。
 この年月の長さは優に安土桃山時代の倍の月日に相当する。昨今は、漸くその統治方法が明らかになってきている。「日米同盟」を締結し、その後、「日米地位協定」と「国連軍地位協定」により、日本政府はわざわざ日本の主権を提供して、その代わりに、日本政府として日本を治めてきた。この事実は長らく日本政府の最高機密であったが、次第にこの事実が明らかになってきた。そのため、早晩、政権与党であった自由民主党は解体することになることは必定である。したがって日本国の統治方法が変わることとなる。大きな時代区分の変更が目前に迫っているということになる。
 ならば、日本の近現代史は「明治」という天皇の時代を統治方法としては「イギリス属国時代」、昭和27年からは「昭和」と云うのは天皇の時代であって統治方法は「アメリカ属国時代」とすることが年表上の正しい表記方法ではなかろうか。
 しかし日本の正史に属国ではあまりにも悲しい。
 ならば「売国政権による統治」か。
 これもむなしくなる。
 ならば「第一次擬制時代」「第二次擬制時代」とする以外に方法は無いのかもしれない。

 日本の歴史に関心を抱く者は、そろそろ日本の近現代史にまじめに向き合う時が来ている。特に何時まで近現代史とひとくくりにする御用歴史学者は明治から現代まで続く売国政府を擁護する修正史観を続ける心算なのか。覚醒を願うばかりである。

 その時に指針になるのが蜷川新(にながわ あらた、1873年(明治6年)1月14日 - 1959年(昭和34年)8月17日)であろう。
 その著『維新正観』を吟味することから始めることをお薦めする。
以上(寄稿:近藤雄三)
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高橋洋一氏曰『トランプ大統領再選はProbably(十中八九)確実』 -朝鮮戦争を政権維持に利用してきた日本政府と韓国政府は大慌て-

2024-02-16 | 小日向白朗学会 情報
 先日(2024年02月15日)、『「もしトラ」と日本 -朝鮮戦争は終戦、自由民主党と外務省北米局はお払い箱、そして消費税は廃止を迫られる-』を寄稿した。それとほぼ同じころ財務省の嘘を告発している髙橋洋一氏は自身のチャンネル『968回 トランプ再選ならチーム安倍復活!?日本は相当な覚悟が必要』(クリックで遷移)でトランプ大統領が再選される可能性に付いて述べている。結論から言うと高橋洋一氏曰く『トランプ大統領再選はProbably(十中八九)確実』とのことであった。筆者は、アメリカ大統領選挙の予想をおこなおうとしているわけではないが、現代日本の宿痾である自由民主党の存在と、同党が進めてきた「安全保障政策」及びそれに深く連携している税制問題を突き詰めると宗主国アメリカの大統領選挙の行方に無関心でいることはできない。加えて、本年11月に行われる大統領選挙は2020年選挙以上の混乱が予想されていて、バイデン大統領が再選されると世界各地で戦争が続くとともに気候変動は人間が作り出したものであるという小学校理科のレベルにも到達しないトンデモ論理がさらに続くことになる。それに対して、トランプ大統領となると日本関係では朝鮮戦争終戦と消費税廃止または縮小の筋道が見えてくる。そのため、両候補とも「勝てば天国、負ければ地獄」という様相となっている。そのため各国は選挙戦の動向をしきりに気にするようになっているのだ。そして韓国政府もご多分に漏れず米朝合意をおこなったトランプ大統領が再選することに神経を尖らせていることを端的に示しているのが次の記事である。
 2024年2月14日、東亜日報は『ケリー元首席補佐官「トランプ大統領、韓日に米軍駐留、断固反対」』を配信している。
『……
トランプ前米大統領が在任当時、米軍の韓国駐留に反対する立場を明らかにしたと、ジョン・ケリー元大統領首席補佐官(写真)が暴露した。北大西洋条約機構(NATO)同盟国に対して、「軍事費を十分に払わなければ防衛しない」と米国の安全保障の約束を軽視するトランプ氏の態度は、韓国や日本に対しても同じということであり、大きな波紋が予想される。
と12日(現地時間)、CNNなどによると、ケリー氏は、来月12日に出版予定のCNNの安全保障担当記者のジム・シュート氏の本に掲載されたインタビューで、「トランプ氏は抑止力の観点から米軍が韓国に駐留することに『断固として』反対した。日本に対しても同じだ」と述べた。
ケリー氏は、トランプ氏が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記、ロシアのプーチン大統領を「問題のない人(okay guy)」と見なしたと明らかにした。そして、「トランプ氏には、米国が北朝鮮を追い詰め、彼ら(正恩氏とプーチン氏)を苦しめているように見えた」と話した。在韓米軍の存在と韓米合同軍事演習が北朝鮮を刺激したと判断していたということだ。実際にトランプ氏は、2018年6月にシンガポールで開かれた第1回米朝首脳会談で、正恩氏に韓米合同軍事演習を中止する考えを明らかにした。
ケリー氏はマティス元国防長官らと共に、突出した発言と意思決定で有名だったトランプ氏をコントロールする、いわゆる「大人の枢軸(Axis of adults)」と呼ばれたが、皆追い出された。ホワイトハウスを去った後、トランプ氏を批判する先頭に立ったため、トランプ氏の再選時には報復対象になるとみられている。
ただ、ソン・キム元国務省北朝鮮担当特別代表は同日、戦略国際問題研究所(CSIS)のフォーラムで、「韓国と日本は、11月の米大統領選挙で何が起きても、世界舞台でより積極的な役割を果たすだろう」とし、「米日韓3ヵ国がより多くの費用を分担し、より多くの挑戦に共に対応するのが自然だ」と述べた。金聖翰(キム・ソンハン)前国家安全保障室長も最近、北朝鮮の相次ぐ挑発の理由について、「バイデン政権の対北朝鮮政策が失敗したという認識を拡散させ、米大統領選で自分たちが望む候補を当選させることが狙い」と診断した。
……』
 この記事で特に留意すべき点は、トランプ大統領が選挙戦でしばしばNATO問題を取り上げていることである。この問題の根底には、極東で朝鮮戦争を終戦とせずに休戦のまま長期に渡りアメリカ軍を駐留させてきたことで、アメリカは莫大な赤字を計上する傍らで、NATO本部、日本政府、韓国政府はアメリカの軍事力を背景にして「外交及び安全保障」利権を貪り国民を苦しめてきたという狡賢い政府や機関を存在していたからである。上記記事も、NATO 問題と日本と韓国に駐留するアメリカ軍は同根であることを認めている。そして両地域にアメリカ軍が駐留するのは、朝鮮戦争が未だ終結していないからである。ならば、トランプ大統領が再選されたとなると朝鮮戦争を終結させて駐留アメリカ軍を撤収させることに同意するのは火を見るより明らかなことなのでる。
ただし上記の東亜日報は、いまだ、トランプ大統領の真意を見間違えている。その箇所が「……米日韓3ヵ国がより多くの費用を分担し、より多くの挑戦に共に対応するのが自然だ……」である。おそらくこれは韓国政府の希望的な観測である。トランプ大統領ならば「朝鮮戦争を続けたければ日本と韓国が勝手にやればよい」というはずである。そのうえ日本はアメリカ軍が駐留する根拠としてきた「国連軍地位協定」が失効することから、アメリカ軍の補給基地である日本を使用できないため日米韓が連携して朝鮮戦争を継続することなどは不可能なのだ。日本としては韓国に頼み込まれても朝鮮戦争を継続する謂れはない。このことを熟知する韓国尹錫悦大統領は2023年8月15日の「光復節」で北朝鮮と対峙するには日本の存在がないと無理だということを認めたのだ。
 いずれにしても朝鮮戦争が終戦となると、日本政府も韓国政府もその安全保障政策は破綻することは間違いなく、その過程でこれまで朝鮮戦争や反共を理由に行ってきた様々な悪事が之でもかというほどに湧き出してきて政権を維持することが難しくなることだけは確かであろう。

 対する北朝鮮にも大きな動きがあった。2024年2月16日、東京新聞『金正恩氏「韓国は敵対国」と憲法改正を言い出す 「もはや同族ではない」からエスカレートする演説、狙いは」と題する記事である。
『……
【ソウル=木下大資】北朝鮮の国会に当たる最高人民会議が15日に開かれ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が、憲法を改正して韓国を「第一の敵対国、不変の主敵」と位置付けるべきだと主張した。北朝鮮メディアが16日、伝えた。正恩氏が昨年末に韓国を「もはや同族ではない」と表明して以降、北朝鮮は過去に積み重ねられた南北の対話や協力事業を全否定する動きを急速に進めている。

金正恩氏の演説のニュースを伝えるテレビ画像=16日、ソウルの駅で(AP)
◆「戦争が起きる場合は占領して編入」
 正恩氏は演説で「朝鮮半島で戦争が起きる場合は韓国を占領し、領土に編入する」ことも憲法に反映させるべきだと指摘した。憲法改正は次回の最高人民会議で審議される見通し。
 会議では、南北対話の窓口機関だった「祖国平和統一委員会」や民族経済協力局、金剛山国際観光局を廃止することを決定。祖国平和統一委が運営する対外宣伝用サイト「わが民族同士」は10日から接続できなくなっていた。
……』
 北朝鮮の朝鮮戦争の倫理は「民族解放運動を完成させるための南北統一戦争」だった。ところが金正恩朝鮮労働党総書記は、憲法を改正して韓国を「第一の敵対国、不変の主敵」とするというのである。
 つまり、これまでの朝鮮戦争では、同じ民族同士が内戦を繰り広げてきたという建前であった。したがって朝鮮戦争を終結させるためには北朝鮮と韓国が同じ交渉テーブルに付かない限り話を進展させることはできない。ところが、今度は「南北統一」の旗を降ろして、同じ言語を喋るが敵国だと言い出したのだ。この憲法改正の狙いは、ずばり、トランプ大統領が再選された場合を予想して、アメリカと単独講和を結ぶことである。南北統一、即ち、同一民族であるという限り終戦には双方の意見を聞く必要があるが、その必要はない。したがって国際法上の戦争だといえば、主権国家同士の単独講和は可能である。したがって、いくら韓国が終戦に反対しても、北朝鮮とアメリカが終戦に合意してアメリカ軍が撤収することはありえる。
 恐らく、韓国は一本取られたというよりは「詰んだ😱 」というべきであろうか。(寄稿:近藤雄三)
【参考】


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「もしトラ」と日本 -朝鮮戦争は終戦、自由民主党と外務省北米局はお払い箱、そして消費税は廃止を迫られる-

2024-02-15 | 小日向白朗学会 情報
 目次
1.「もしトラ」で懸念されること
2.朝鮮戦争と日本政府の安全保障政策
3.消費税と「防衛三文書」との関係
4.まとめ

1.「もしトラ」で懸念されること
 2024年2月現在、アメリカ大統領選挙の行方が、俄然、世界中の注目を集めている。無論、その中心はアメリカ共和党候補としてトランプ大統領の再選が現実味を帯びてきたからである。この現象を「もしもトランプ大統領が再選された場合に起こりうる諸政策の変更」を「もしトラ」という。では「もしトラ」の何が問題なのか。
 2024年01月18日、PICTETが「トランプ氏の再選リスク 「もしトラ」の現実解は?」と題するレポートを公開している。ピクテは、同社沿革によれば「スイス・ジュネーブに1805年に設立されました。ナポレオン戦争時に貴族たちが資産を守るために頼ったのが、ピクテをはじめとするプライベート・バンク。以降、200年の年月を超えて、どんな時も、欧州の王侯貴族をはじめとした顧客の資産を保全し継承することで、信頼を築いてきました。世界の富裕層に向けて絶えず高度化してきた資産運用サービスを、日本では一人でも多くの投資家にお伝えし、豊かな人生の実現に役立てていただくこと。それが、私たちの使命です」という会社である。
『……
1月15日の米アイオワ州共和党党員集会でトランプ前大統領が圧勝した。アイオワ州の党員集会は大統領選の共和党候補者を決める初戦であり、今年11月5日の米大統領選までまだ約10カ月もあるが、米国株式市場では早くもトランプ関連銘柄を物色する動きが強まっている。もしトランプ氏が再選された場合、米国政治はどのように変貌するのか?当レポートでは「もしトラ」の現実解を探る。
米アイオワ州の共和党党員集会でトランプ前大統領が勝利
今年11月の米大統領選挙における共和党候補者を決める初戦となったアイオワ州の党員集会で、トランプ前大統領が圧倒的な勝利を収めた。現地1月15日夜に行われたアイオワ州党員集会の結果は、トランプ氏が51.0%の得票率でトップとなり、2位のデサンティス・フロリダ州知事(21.2%)と3位のヘイリー元国連大使(19.1%)を大きく引き離した(図表1)。事前にある程度予想されていたとは言え、改めてトランプ氏の根強い人気を印象付けた格好だ。
共和党候補者の指名争いの道のりは長い。今年7月に開催される共和党全国大会までに、2,429人のうち少なくとも1,215人の代議員を確保する必要がある。代議員は州ごとに割り当てられており、アイオワ州では40人、1月23日に予備選挙が行われるニューハンプシャー州は22人だ。最も多くの予備選挙/党員集会が同時に実施されるのが3月5日のスーパーチューズデーで、16の州/米自治領で合計874人の代議員がこの日だけで割り当てられる(図表3)。獲得できる代議員数は、1月15日から3月5日までの累積でも過半数には届かないが、この日で指名争いの流れが概ね決まると言われている。
一方、民主党候補者はバイデン現大統領が有力視されている。指名者候補の戦いは最後まで分からないが、大統領選挙は今のところバイデン現大統領とトランプ前大統領の戦いになることがコンセンサスとなっている。政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した各種世論調査によれば、全米支持率は1月17日時点でトランプ氏が45.9%、バイデン氏が44.6%とトランプ氏がややリードしている(図表2)。「もしトラ(もしトランプ氏が再選)」となった場合、米国政治はどう変わるのだろうか?
外交・貿易・気候変動政策の変貌
外交面ではNATO(北大西洋条約機構)離脱やウクライナ支援の打ち切りが一部で警戒されている。だが、米議会が昨年12月に可決した2024年度のNDAA(国防権限法)には、大統領がNATO離脱を決める際の条件として議会との事前協議を義務付ける条項が盛り込まれており、仮にトランプ氏が再選されたとしてもNATO離脱は容易ではない。一方、ウクライナ支援に関してはすでに予算が枯渇した状態だ。トランプ氏の再選可否に関わらず追加支援の目途は立っていないことから、地政学リスクが今後ますます高まりかねない点には注意が必要だろう。
貿易面では保護主義的な措置がいっそう強化される可能性がある。トランプ氏は米国の輸入製品に原則10%の関税をかける構えを示す。現在の平均関税率は3%強とも言われており、実現すれば物価や景気への悪影響は避けられないだろう。また、中国に対しては最恵国待遇に相当する「PNTR(恒久的正常貿易関係)」を剥奪する可能性もあり、その場合も輸入関税率の引き上げにつながる。
気候変動対策にも先行き不透明感が漂う。トランプ氏はパリ協定から再離脱する可能性があるほか、化石燃料への投資を増やし、電気自動車や再生可能エネルギーへの転換を後押しする規制や補助金を撤廃するとも言われている。バイデン大統領が2022年8月に成立させた「IRA(インフレ抑制法)」に関しては、テキサス州やワイオミング州などの共和党支持者が比較的多い州でもその恩恵が享受されているため、完全撤廃は想定しづらい。しかし、部分的な縮小は視野に入れる必要があるだろう。
トランプ関連銘柄には早くも物色の動きが強まる
アイオワ州の共和党党員集会の結果が明らかとなった1月16日のS&P500指数は、市場の大幅な利下げ観測をウォラーFRB理事が牽制(米10年国債利回りは上昇)したこと等から軟調に推移した。市場全体では今回のトランプ氏勝利はさほど材料視されていないように見えるが、トランプ関連銘柄には早くも物色の動きが強まっている。
1月16日は、トランプ・メディアとの合併後に同社上場を目指すSPAC(特別買収目的会社)のデジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)や、20年の大統領選でトランプ陣営のキャンペーンを手掛けたソフトウェア会社のファンウェア(PHUN)、保守系動画プラットフォームのランブル(RUM)などのトランプ関連銘柄が急騰した一方、ファースト・ソーラー(FSLR)やサンノヴァ・エナジー・インターナショナル(NOVA)、サンラン(RUN)といった太陽光発電関連銘柄が急落した(図表4)。
アイオワ州の党員集会で大差をつけて勝利したトランプ氏の躍進は、株式市場において「もしトラ」を意識させるきっかけになったと考えられる。
……』
このレポートでは、トランプ元大統領が2024年11月に行われるアメリカ大統領選挙で再選された場合に如何なる変化が起きるのかを予想したものである。
第一に、NATOから離脱
第二が、ウクライナ支援の廃止
第三が、保護貿易
第四が、気候変動政策の廃止
である。
上記レポートは、G7各国で一般的に云われていることである。ところで日本では、これらアメリカの政治変化が日本に及ぼす影響に付いて口にすることを憚られる雰囲気があり積極的には行われていない。実に残念なことである。日本のマスコミは「トランプは何をするかわからない危険な人物である」というイメージを植え付けることに成功していることから、トランプ大統領が再選された場合に、日本の変化を正確に分析することはできていない。一般的に言って宗主国アメリカが激変すれば、属国日本に大激震が起きない訳はない。トランプ大統領が前回の政権時に、日本政府が標榜する安全保障政策を根底から揺さぶる事件が起きている。まずは、この件から始める。

2.朝鮮戦争と日本の安全保障政策
これまでトランプ大統領と朝鮮戦争の問題については下記のスレッドでまとめてきたので、その要点のみを纏めてみる。
日本政府は、サン・フランシスコ講和条約を締結したその日に、アメリカと旧日米安全保障条約(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約)を締結した。その中で日本は、自衛隊の指揮権をアメリカに移譲することを日米行政協定(後に日米地位協定に改定)で認めた。それと共にサン・フランシスコ平和条約の効力発生後も朝鮮派遣国連軍が日本国に滞在することを、しぶしぶではなく、嬉々として認めた。これは後に国連軍地位協定(日本国における国際連合の軍隊に関する地位協定)となっている。
したがって日本は二つの地位協定が存在する。この二つの協定を順守し継続させるためアメリカが準備したのが自由民主党であった。アメリカが自由民主党に求めたことは二つの地位協定を順守し継続することと、折角に取得した自衛隊の指揮権ではあったが憲法があって海外派兵ができないため改正して自衛隊を海外派兵できるようにすることであった。したがって憲法改正とは、自衛隊をアメリカ軍の指揮下で海外展開できるようにすることを求めたもので、国民の求めたものではない。
それから60有余年たったある日、突然、朝鮮戦争が終戦となる事態が発生した。
それが、2018年6月12日にシンガポールでアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長及び国務委員会委員長による史上初の首脳会談が行われたことであった。その会談後に出された共同声明は次のとおりである。
『……
共同声明
アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプと朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長は、史上初の首脳会談を2018年6月12日、シンガポールで開催した。
トランプ大統領と金正恩委員長は新たな米朝関係や朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制を構築するため、包括的かつ誠実な意見交換を行った。トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意を確認した。
新たな米朝関係の構築は朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると信じると共に、相互の信頼醸成によって朝鮮半島の非核化を促進すると認識し、トランプ大統領と金正恩委員長は次のように宣言する。
(1)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、平和と繁栄を求める両国国民の希望に基づき、新たな米朝関係の構築に取り組む。
  (2)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、協力する。
  (3)2018年4月27日の「板門店宣言」を再確認し、朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。
  (4)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮戦争の捕虜・行方不明兵の遺骨回収、既に身元が判明している遺体の帰還に取り組む。
トランプ大統領と金正恩委員長は「史上初の米朝首脳会談が、両国の数十年にわたる緊張と敵対を乗り越える新たな未来を築く重要な出来事であった」と認識し、この共同声明の内容を「完全かつ迅速に履行すること」を約束した。
アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は米朝首脳会談の成果を履行するため、「マイク・ポンペオ国務長官と朝鮮民主主義人民共和国の高官の交渉を続けて可能な限り迅速に履行する」と約束した。
トランプ大統領と金正恩委員長は「新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和、繁栄、安全のために協力すること」を約束した。
……』
 この時、アメリカと北朝鮮は共同声明で朝鮮戦争を終結させることで合意したのである。その後も両国による接触が続いて2019年2月27日、ベトナムの首都ハノイでドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2回の会談が行われ、朝鮮半島の核兵器廃絶に向けた進展について協議したもようであった。さらに、2019年6月30日、ドナルド・トランプ米大統領は、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線を挟み、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と握手した後、現職の米大統領として初めて、境界線を歩いて越え、北朝鮮側に入った。これに続き、金氏がトランプ氏と並んで境界線を越え南側に入った。そして、軍事境界線を挟んでトランプ氏が「また会えて嬉しいです」と声をかけると、金委員長はトランプ氏を招き入れるような仕草を見せ、これに応えてトランプ氏が境界線をまたいで北朝鮮側に入った。両首脳は10歩ほど進み、北朝鮮側で再び握手している。
 米朝が朝鮮戦争終結に向けて動き出した時、それを苦々しく思う自由民主党政権と外務省があった。
 それは朝鮮戦争が終結すると「日米同盟」を日本の安全保障の基盤である位置付けてきた自由民主党と外務省の根拠が失われてしまうとともに「外交と安全保障」利権が消滅するからであった。
  朝鮮戦争が終結すると、どのようなことが起きるのかというと、これまで日本政府は朝鮮戦争を継続するためアメリカおよび参戦各国と「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)を締結しアメリカ軍などが国内に駐留できる根拠を提供してきた。ところが、その協定には協定期限の定めはないものの、その代わりとして朝鮮戦争が終結した場合の対処方法が取り決められていた。それが、第六条である。
『   日本国との平和条約
昭和二六年九月八日サン・フランシスコ市で著名
昭和二六年一一月一八日批 准
昭和二六年一一月二八日批准書寄託
昭和二七年四月二八日効力発生
昭和二七年四月二八日公布(条約第五号)
……
第六条
  1. 連合国のすべての占領軍は,この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない。但し、この規定は、一又は二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国閻の協定に基く、叉はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん又は駐留を妨げるものではない。
……』
 つまり、朝鮮戦争が終戦となると国連軍は90日以内に、日本国から撤退しなければならないとあってアメリカ軍が日本に駐留する根拠がなくなるのだ。これまで自由民主党は「アメリカの核の傘」と「駐留米軍」が日本の安全保障の礎としてきたが、その駐留米軍は日本を撤退しなければならない。そしてアメリカが、朝鮮戦争継続するため国連軍を日本に駐留させるための要件を定めた「日米地位協定」は駐留アメリカ軍が朝鮮半島と日本から撤収するために、この協定は有名無実となる。
 したがって自由民主党は、これまでアメリカ軍の威信をかりて自国の安全保障政策の一環と主張して、本来は不要な基地を建設するなどして莫大な利益を生んできた防衛利権が消滅することになる。
アメリカ軍が日本から撤収するとなると思い浮かぶのは、アメリカ海兵隊が使用するということで建設中の辺野古基地は使用するアメリカ海兵隊自体が沖縄から撤収するということだ。したがってアメリカ海兵隊が使用するという理由で建設を強行してきた辺野古基地は不要になるのだ。
一事が万事、日本政府と外務省が外交と安全保障という聖域を私物化してきたことが、朝鮮戦争終戦とともに国民の目の前にその嘘をさらけ出すことになる。
 朝鮮戦争が終戦となった後も、長年にわたり国民をだましてきた自由民主党政権が、その後も継続して政権を維持できると考えるのは単なる妄想なのである。
 ただし、国連軍地位協定には、日本政府が懇願すればその限りではないとある。しかし、これは交渉事であってアメリカが拒否する場合もありうる。この点に付いてトランプ大統領は駐留を継続するならば駐留経費を増額するように求めていた。これはアメリカとNATOとの関係と同じでNATO加盟国に駐留経費の増額をもとめていたことから日本の場合も同様となる。通常の国ならば、長年にわたり国民を疲弊させてきた駐留軍が自ら進んで撤退するというのに「ぜひとも駐留継続をお願いします」と懇願する馬鹿な政権はあり得ない。そこには国民の意思とは全く異質の利権があって、その利権を守るため国民を犠牲にしても構わないという腐った政権があるからである。それが自由民主党政権なのである。
 既に、2024年2月現在、トランプ大統領は再選したばあいにNATOとの関係を見直すことを表明している。したがって朝鮮戦争終戦は、トランプ大統領が再選されると同時に再燃する問題なのである。そして、今度こそ朝鮮戦争は終戦となる。
 ただし「もしトラ」の場合ではあるが。
 ところで、自由民主党政権は「日米同盟」を根拠に「日米地位協定」と「国連軍地位協定」を締結して安全保障政策を組み立てきたが、米朝が朝鮮戦争を終結させることに合意したことで終戦とともに二つの協定は有名無実化もしくは破棄されることが明白となった。すなわち、「日米同盟」を具体化する「日米地位協定」と「国連軍地位協定」を遵守するとともに、更に憲法改正をすることで自衛隊海外派兵を可能とするということが使命である自由民主党、その自由民主党は政権党として存続する意味がなくなるとともに、これまで築き上げてきた「外交及び安全保障」にともなう特殊利権が消滅してしまうことにもなる。例を挙げるなら、アメリカ海兵隊が使用するためという理由で辺野古沖合を埋め立てて基地建設を行ってきたが、アメリカ海兵隊が撤退した後も、延々と莫大な費用を掛けて埋め立てを続ける馬鹿はいない。終戦ならば、即刻中止となる。このことに恐怖を覚えた自由民主党と外務省は、直ちに、対応策を講じることにした。
 それが「日英円滑化協定」である。
 日本政府がイギリスと締結した協定は「日英円滑化協定(Japan-UK Reciprocal Access Agreement)」という名称である。この協定で最も注目すべき項目は「日英円滑化協定」第四条である。
『……
第四条
3 この協定は、千九百五十四年二月十九日に東京で署名された日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定に基づいて国際連合の軍隊として行動する間の連合王国の軍隊が実施するいかなる活動についても適用しない
……』
とある。この条項に中にある「国際連合の軍隊の地位に関する協定」とは1953(昭和28)年に朝鮮派遣国軍との間に締結した「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」なのである。そして、日本とイギリスが締結した「日英円滑化協定」は「国連軍地位協定」が有効な間は適用しないというものである。つまり朝鮮戦争が継続するうちは「日英円滑化協定」は機能しない。
 そうなのである。「日英円滑化協定」は、朝鮮戦争が終戦となると機能するように設計されたもので、アメリカ軍が撤収したら今度はイギリス軍が日本の基地を使用することを認めるというものである。そして、イギリス軍が日本国内に駐留することから「日米地位協定」もそのまま存続させることができる。つまり、自由民主党と外務省は、もしも、朝鮮戦争終戦でアメリカが撤収しても、その代わりにイギリスを駐留させて莫大な権益を守ろうとしているのだ。つまり「日英円滑化協定」は自由民主党と外務省による特殊利権のもち逃げということになる。これれは、トランプ大統領が政権を握っているときの話である。
 ならば「もしトラ」となったらどうなるのか。
 自由民主党及び外務省、経済産業省、経済産業省(アメリカ製兵器の輸入は同省が管理している)など「外交及び安全保障」利権に群がって甘い汁を吸い続けてきた省庁にとって莫大な利権を失う最悪なシナリオということになる。そのため自由民主党及び外務省が最後の大博打に出たのがメッキの剥げた「日米同盟」を基盤とした「防衛三文書」を根拠とした「外交及び安全保障」政策なのである。
 つまり「もしトラ」まえに、もう一度、荒稼ぎをしようと云う魂胆のである。
そもそも、日本政府は、日本の安全保障の礎とまでしてきた「日米同盟」の根幹をなす「アメリカの核の傘」と「駐留米軍」であるが、「アメリカの核の傘」については米中が「一つの中国」最策に回帰したことで台湾有事にアメリカは介入しないとしたことから「核の傘を」使用することはなくなっており、「駐留米軍」は朝鮮終戦で完全撤退する。それにも関わらず「外交及び安全保障」利権の中心に座る麻生太郎自由民主党副総裁が、台湾やアメリカにわざわざ出かけて「日米同盟」の化けの皮がはがれる前に、その重要性を説いて回っているのだ。
 自分たちの利権確保以外の何物でもない動きなのである。
以上が「もしトラ」が日本の安全保障に及ぼす影響である。
【参考】
・トランプ氏と朝鮮戦争終戦問題
・バイデン政権と朝鮮戦争の関係
・朝鮮戦争が終戦となった場合の日本政府の対応

3.消費税と「防衛三文書」との関係
現在、日本の国会で問題となっている消費税についてトランプ大統領は関税障壁であると痛烈に日本政府を非難していた。したがってトランプ大統領が復活した場合には、日米経済問題として「いの一番」に顕在化することである。
2018年12月07日、週プレNEWSに岩本沙弓氏『最大の障壁は国内の反対勢力ではなくトランプ政権? アメリカが日本の「消費税引き上げ」を許さない理由』とする消費税について興味深い記事がある。
『……
■消費増税に反対する「巨大な外圧」の存在
来年10月に8%から10%への引き上げが予定されている消費税。「深刻な財政難のなか、少子高齢化に伴い増え続ける社会保障費の財源を確保するには消費増税しかない」というのが、財務省や政府の一貫した主張だ。一方、立憲民主党など野党の一部は「日本経済がいまだにデフレ脱却を果たせていない状態で消費税を引き上げれば経済に深刻な悪影響を与えかねない」と、増税に反対の姿勢を見せている。ところが消費税の引き上げにおいて、こうした国内での議論とは別に日本が無視することのできない「巨大な外圧」があるという。それは消費税という制度そのものに否定的で、消費税を「非関税障壁」と見なすアメリカの存在だ。
「来年以降、『アメリカ・ファースト』(アメリカ第一主義)を掲げるトランプ政権との貿易交渉が本格的にスタートするこのタイミングで、日本が消費税10%引き上げへ向かえば、アメリカの強い反発を招くことは避けられません」
……
アメリカが消費税導入に否定的だとしても、彼らが他国の税制に「不公正だ」「非関税障壁だ」と不満を訴えているのはなぜなのか?
その最大の理由は、日本も含めた消費税導入国が自国の輸出企業に対して行なっている「輸出還付制度」の存在だ。アメリカはこれを「自由競争の原則を歪(ゆが)める制度」だとして問題視しているという。
……
仕入れから製造までを国内で行なう企業がその製品を海外に輸出する場合、消費税は実際に消費が発生する輸出相手国の税制に沿って課されることになります。
仕入れの段階でも日本の消費税を払っているので、このままでは輸出相手国と国内とで2度消費税が課されることになる。そうした『二重課税』が起きないよう、輸出製品については仕入れなどにかかる消費税が国から還付されることになっています。これが『輸出還付制度』です」
……
ではアメリカにとって日本の消費税引き上げはどんな意味を持つのだろう?
「もちろん、こうしたアメリカ側の主張については、さまざまな異論もあると思います。しかし、あくまでアメリカ側の立場で見れば、日本の消費税の8%から10%への引き上げは、『日本の輸出企業へのリベートの引き上げ』と『日本向けアメリカ輸出企業への実質的な課税強化』ととらえることになる。当然、アメリカが強く反発するのは避けられないでしょう。
アメリカは日本だけ目の敵にしているわけではありません。欧州の付加価値税や日本の消費税のような間接税については還付制度を認め、直接税では認めないWTO(世界貿易機関)のルール自体を変えるべきだと主張しているのです」
■自工会が増税支持から懸念表明に転じた理由
実は、そうしたアメリカ側の空気に最も敏感に反応しているのが、日本の自動車メーカーによる業界団体で、トヨタ社長の豊田章男氏が会長を務める「日本自動車工業会」(自工会)だ。
これまで基本的に政府の「消費税引き上げ」という方針を支持してきた自工会が、今年9月20日に発表した「平成31年度税制改正に関する要望書」では増税反対という明確な表現は避けながらも、消費税10%への引き上げについて国内市場縮小への懸念を強く訴えている。
岩本氏は、こうした自工会の消費税に対する姿勢の変化に、彼らの日米関係に対する「シビアな現状認識」が表れているとみている。
……
そんな状況で日本が消費税の引き上げを強行すれば、日米交渉のテーブルではアメリカ側が態度をさらに硬化させ、場合によっては自動車関税25%発動という、自工会にとって最悪のシナリオを招きかねません」
なるほど。アメリカはどこまで本気なのか?
「今年9月25日、国連総会出席のため訪米した安倍首相に同行した茂木敏充経済再生担当大臣がUSTR(アメリカ通商代表部)のライトハイザー代表と会談しましたが、このライトハイザー氏は消費税の『輸出還付制度』を一貫して不当なリベートだと訴え続けてきた人物として知られています。
安倍首相の訪米直前のタイミングで、自工会があえて『消費増税への懸念』を表明したのも、アメリカ側に配慮した自工会のメッセージではないかとみています。
……』
 日本政府は、輸出企業に徴収した消費税を『輸出還付金』として交付している。これをトランプ政権は、日本政府による輸出企業にたいする『実質的なリベート』だと強い不満を訴えていて自動車関税25%を検討していた。これに対して日本政府は、現在は裏金問題と派閥解消で渦中にある茂木敏充元経済再生担当大臣をUSTR(アメリカ通商代表部)のライトハイザー代表と会談と交渉にあたらせていた。
 したがって「もしトラ」となった場合にアメリカは日本に消費税は関税障壁として『輸出還付制度』を是正して『実質的なリベート』の廃止を求めてくることは確実なのだ。
 この点に関して茂木自由民主党幹事長は、充分に理解している。それにも拘らず茂木幹事長は、使い物にならに安全保障政策である「防衛三文書」を盾に「外交・安全保障」利権の拡大を狙って自民党中枢を掌握して国会を強行突破する覚悟のようである。
 したがって「もしトラ」が実現した場合に日本の税制は大ダメージを被るのは必須である。
 ところで、上記論文で気になる箇所がある。それは、消費税問題で多額の還付金を受け取っているとやり玉にあがっている自動車産業会(自工会)が、消費税を8%から10%に改定することに反対していたことである。つまり自動車産業会(自工会)は「還付金」を受取り続けることはアメリカで事業を継続することが難しくなると考えていた。現在の日本は、大多数の国民にとって賃金が伸びないだけではなく物価上昇に苦しんでいるなかで消費税を廃止もしくは縮小することがマクロ経済学から考えて最も理にかなった経済政策である。
ところが日本政府は、防衛増税と消費税を19%まで引きあげることに注力している。やはり、日本政府が理にかなった経済政策をおこなわない理由は新しい安全保障政策「防衛三文書」にその鍵がある。
 日本政府は、日本製武器輸を海外に積極的に輸出することを「防衛三文書」で決めている。しかし、日本製兵器は、性能は高いがコストも高いとう世界市場では競争力のないものとなっている。加えて、実際に輸出するとなると設定価格よりさらに廉価となることはさけられない。これでは兵器産業は安定した利益を産み出すような経営は難しい。ところが、日本には、輸出した場合の優遇政策「輸出還付制度」があって、兵器を輸出しても安定した利益を出すことが可能な仕組みが出来上がっている。
 この制度を有効に利用しようとしているのが自由民主党中枢を握り「外交・安全保障」特権を維持拡大しようとする「茂木派と麻生派」という戦争屋政策集団と、それに賛同する国民民主党、日本維新の会、立憲民主党執行部、教育無償化を実現する会、経団連、連合なのである。
 つまり「防衛三文書」による「日本の外交と防衛を行おうとする」政治集団と「消費税をさらに上げようとする」政治集団」とは同一なのである。繰り返しになるが自工会は「輸出還付制度」を利用して利益を得ることには消極的ですらあった。つまり自工会傘下の企業が受け取る「輸出還付金」を隠れみのとして、由民主党国防部会(部会長・國場幸之助衆院議員(岸田派))及び安全保障調査会(会長・小野寺五典衆院議員(岸田派))と「日本防衛装備工業会」(Japan Association of Defense Industry 略称JADI))は、連携して日本の兵器輸出ルールを定めた「防衛装備移転3原則」を破棄して兵器輸出を促進しようと積極的な活動を続けているのだ。その結果、多くの「輸出還付金」を受け取るのが「日本防衛装備工業会」の協賛企業なのである。したがって自由民主党の「外交安全保障」政策を進める限り、消費税を値上することはあっても、値下げしたり、廃止することは「兵器輸出」企業に対する「輸出還付金」が減少もしくは廃止となることであり、「兵器製造」企業としては事業継続が難しくなるため決して容認できることではないのだ。
 尚、自由民主党国防部会と安全保障調査会は「アメリカ国家安全保障戦略」を金科玉条とする部会であって「自衛隊の指揮権をアメリカに売り渡す」ことを積極的に容認する不届きな議員らなのである。そして、國場幸之助衆院議員は統一教会の韓鶴子を「マザームーン」と呼ぶほどであるとともに「日韓海底トンネル」にもかかわる典型的な統一教会系国会議員なのである。そのうえ國場幸之助衆院議員は、沖縄の「國場組」を基盤として防衛利権をふんだんに享受する根っからの防衛利権屋なのである。その様な國場議員が座長を務める自由民主党部会が取りまとめた日本の安全保障政策が、日本国民のためであるわけはない。そのうえ國場衆院議員が所属していた岸田派であるが、岸田文雄首相が2022年9月に自由民主党と統一教会は「絶縁」することを宣言しているが自派閥の国会議員は統一教会推薦の国会議員が要職を占めていることから「口先」だけの実に軽い内閣総理大臣であるだけではなく国を亡ぼす極めて危険な人物である。
 ところが、これら自由民主党が進める利権まみれの安全保障政策を賛美し愛国的であるとする同党取り巻きの文化人がいる。彼らの中には、最近、更に扇動的な「国のために死ねるか」などと言い出す者まで出現している。売国奴が自己利益のために愛国心を口にする典型的なプロパガンダであって、あまりにも馬鹿らしく相手にする気もならない。
【参考】

4.まとめ
 「もしトラ」となった場合に、朝鮮戦争は終戦となり、併せて、「日米同盟」を基軸に安全保政策を進めた自由民主党と外務省はその責任を追及されることになる。
 ついで現代日本の税制が「六公四民」という極めて苛烈な税制度となっていて日本の発展の阻害要因となっている。その中でも悪名の高い「消費税」は「実質的なリベート」であるとアメリカ政府から追及を受けることになる。
以上により、現在の日本が国として抱える重大課題である「外交及び安全保障」問題と消費税問題は「もしトラ」で解決する可能性が高い。
したがって「防衛三文書」で規定した仮想敵国は消滅して日本近辺に日本の安全保障を脅かす国はなくなって打撃力は不要となる。さらにアメリカの要請で開始した憲法改定もその目的である海外派兵自体の必要性がなくなることになる。
 日本の論壇では「もしトラ」で憲法改定がやりやすくなるという意見もあるが、馬鹿も休み休みにしたほうが良い。日本周辺に緊張がないならば、何故に海外派兵までする必要があるのか、…もちろん全く無い。あるのは独自の核プラットフォームがある数隻の潜水艦だけであり、その耐用年数が過ぎているのに改修すらできずにオーストラリアに押し付けるだけしかできない落ちぶれたイギリス、そんなイギリスと「日英円滑化協定」を締結しても、日本にとって一円も得なことはないのだ。せいぜいイギリスの番犬に悪用されるだけなのだ。そしてもう一度日露戦争をやらされることになる。このくらいは少し歴史を勉強すれば常識である。その常識が理解できない自由民主党政権は、今後も生き延びてはいけない政党なのである。
 そして日本を疲弊に追い込んだ外交政策(防衛三文書)と特殊利権(ODA及び防衛費)及び税金(防衛費増税および消費税)は、自由民主党と外務省、経済産業省、防衛省、財務省の錬金術であって国家的な犯罪であることを充分に理解しておくべきなのである。
 これこそが日本国民を苦しめる諸悪の根源なのである。
したがって自由民主党を解体すること、外務省を憲法に則り運営できる組織に再際させること、自由民主党が独占してきた「外交及び防衛利権」に群がった官僚及び野党そして経団連と連合は国民により厳しく糾弾されるべきなのである。
以上(寄稿:近藤雄三)








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盛山正人文部科学大臣の虚偽説明 -麻生自民党副総裁は統一教会に「確認書」を提出して選挙支援を受けた第一期議員-

2024-02-10 | 小日向白朗学会 情報
 盛山正人文部科学大臣は統一教会による選挙支援を受けたいたことに付いて苦しい釈明を続けている。その様子は2024年02月09日、テレ朝ニュースで「盛山文科大臣「推薦確認書サインなら軽率」 旧統一教会側の集会参加を追加報告」が配信された。

『……
 盛山文部科学大臣は旧統一教会側との事実上の政策協定にあたる「推薦確認書」について、「サインしたとすれば軽率だった」と述べました。
盛山文科大臣
「仮にサインしたとすれば、それはいくら選挙戦のなかであったとはいえ、軽率だったなと思う次第でございます」
 盛山大臣は、9日朝の会見で推薦確認書について「署名したかどうか記憶にない」としつつも、サインしたとすれば軽率だったという認識を示しました。
 また、2021年に行われた当該の旧統一教会側の集会への参加について、追加で自民党に報告したと述べました。
 一方、林官房長官は2021年の旧統一教会側との面会で推薦確認書が示されたかについて、「定かではない」と述べました。
  そのうえで、「政策協定や推薦確認書に私は署名していない」とし、「旧統一教会の掲げる方針に一切賛同していない」と強調しました。
……』

 「語るに落ちた」とは、このことである。
 盛山文科大臣は、当初、「選挙中には多くの推薦状が送り付けられてきていた」としていたが、2月8日には「内容をよく読むことなくサインしたのかもしれない。軽率だった」と訂正した。つまり確認書と推薦状の関係に付いて、「確認書」を軽率に書いたところ「推薦状」が届いてしまったと言い出したのだ。つまり統一教会は候補者自筆の「確認書」を提出しない限り「推薦状」は出さないのだ。つまり盛山文科大臣は、「しぶしぶ」か「前のめりであった」かは別にして、自筆の「確認書」を統一教会に提出したことは事実だと認めたのだ。統一教会は、候補者が確認書を提出しない限り、莫大な費用の掛かる「熟練した選挙運動要員や秘書」を無償で提供することはおこなっていないのだ。たとえ盛山文科大臣は、間違って統一教会に「確認書」提出したとしても、候補者であった盛山氏は統一教会が無償で提供する「熟練した選挙運動要員や秘書」等の支援を受取っていたのだ。その様子は、2021年10月31日に行われた第49回衆議院議員総選挙で当選した自民党の斎藤洋明衆院議員は「推薦確認状」に付いて「……内容を自分の目で確認し、おおむね(政策の)方向性は合致しているということでサインした……」と説明している。つまり盛山文科大臣も斎藤洋明衆院議員と同様に第49回衆議院議員総選挙で「推薦確認状」を統一教会に提出しているのだ。とても盛山文科大臣が述べるような「……仮にサインしたとすれば、それはいくら選挙戦のなかであったとはいえ、軽率だったなと思う次第でございます……」という話ではない。盛山文科大臣は、いい加減に虚偽説明はやめた方が良いのではなかろうか。
 ところで、統一教会が自由民主党議員に行った「確認書」「推薦状」という選挙支援方法は文鮮明が発明したものである。このことは『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件』で紹介したことではあるが再録しておく。

『……
ところで統一教会は自民党国会議員に無条件且つ万遍なく、支援を与えてきたわけではない。昭和62(1987)年頃の統一教会が国政選挙に出馬する候補者を支援する基準は、次に掲げる条件を呑んで統一教会に「誓約書」を提出した候補という条件がついていた。
第1条は「私は勝共連合勝共議員になることを宣誓する」
第2条は「私は統一教会を絶対的に支持する」
第3条は「統一思想は人類を解放することができる思想であることを受け入れる」
 要するに、統一教会に選挙運動を支援してもらった議員は誓約書を統一教会に提出済みだということが重要である。近年の国政選挙に於いて統一教会が設けた選挙支援の条件が、如何なるものかはわからない。しかしながら、統一教会が、自称他称の候補者を無条件に受け入れたわけではないことだけは間違いないところである。この点について昭和62(1987)年頃の文鮮明は「(無条件に候補者を支援するほど)私はそんなに馬鹿ではないのです」とはっきりと否定している。どう考えても統一教会の支援を受けて当選してきた国会議員は、何らかの一文を統一教会に入れていたことだけは間違いない。
そして文鮮明が「誓約書」を差し入れた候補者を支援するには訳があった(「(御言選集173巻「太平洋時代の旗手」1988年2月18日 韓国・漢南洞公館))。
 『(一番目は)国会議員との関係強化です。そのようにして国会内に(統一)教会を作るのです。国会内の教会ですよ。衆議員教会・・・。国会議員たちを120人以上束ねことのできる名簿を作成するように言っただろう? 今からそのようにして、それ(日本の国会議員)が教会の組織になるようにするのです。そこで原理を教育するだとか・・・すべてのことが可能になるのです。
 二番目は、秘書です、秘書。(統一教会から)国会議員の秘書を排出するのです。
 三番目は、国会内の組織体制を形成するのです。
 四番目は、党の収拾と連合。
 五番目、行動結束と挙国。
それで自民党の安倍派などを中心にして、(勝共の)久保木を中心として、超党派的に、その議員を結成して、その(勝共議員の)数を徐々に増やして行かなければならないのです。わかりますか?』

この文鮮明が語った内容からもわかる通り、国会議事堂をチャーチ(教会)にしてお祈りをするのが目的だとはっきりと述べている。文鮮明の目的は、最初から憲法20条「政教分離」に違反しているのだ。
その後に、文鮮明は選挙支援をした政治家を公表している。それが「思想新聞」1990年3月25日号に掲載した『勝共推進議員名簿』である。現在、統一教会問題では必ず登場する安倍晋太郎、森喜朗、細田博之、麻生太郎、衛藤征士郎の名前を確認することができる。
 その後、統一教会と国会議員の関係が明らかになったのは『週刊現代』99.2.27号で「現職国会議員128人の「勝共連合・統一教会」関係度リスト」においてである。このリストから現在も国会議員で且つ勝共連合から送り込まれた統一教会員秘書を受け入れていた議員をあげると以下の三人が目を引くところである。
細田博之  1名
麻生太郎  1名
衛藤征士郎 5名
 細田博之は、平成2年(1990)年の衆議院選挙に島根県全県区から立候補して初当選している。細田が、当選できたのは『勝共推進議員名簿』からもわかるように島根から立候補するにあたり統一教会に「誓約書」を提出していたから選挙支援を受けることができたと自ら告白していることと同義なのだ。その後の細田は、衆議院議長となった現在まで統一教会とは不可分の関係にあった。細田は、次回は選挙に出馬できないであろうからこの期限りで引退ということになる。畢竟、細田は、国会議員在任期間全てが統一教会系であった。これもすごい話である。
 憲法では、国会は「国権の最高機関」と定めている。その長である細田は、国民に政策の実現を約束しておきながら統一教会との約束を守ることを優先するという国民に対する裏切りなのである。細田は、衆議院本会議で野党党首から睨みつけられても仕方のない典型的な統一教会系国会議員だったのだ。
……

2022年10月17日に「文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件」で、文鮮明が国会議員候補を選挙支援する際の条件として「誓約書」を提出させていたことを書いた。それから僅か3日後の2022年10月20日に時事通信から「誓約書」が「推薦確認書」と契約書名を変更しているものの何らかの契約書が実在することを、その写真を含め配信された。その全文は次の通りである。

 『 旧統一教会、自民議員と「政策協定」 衆院選の支援条件、署名も』
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体が昨年の衆院選で、複数の自民党議員に憲法改正などへの賛同を求める「推薦確認書」を提示し、署名を求めていたことが分かった。一部議員は署名に応じた。教団側が選挙支援の条件を明示した事実上の「政策協定」。教団と自民党の関係の深さが浮き彫りになった。
 自民党の斎藤洋明衆院議員(新潟3区)が20日、取材に対し、昨年の衆院選前に推薦確認書に署名していたと認めた。「先方の関係者が私の事務所に持参し、秘書が受け取った。内容を自分の目で確認し、おおむね(政策の)方向性は合致しているということでサインした」と説明した。
 衆院選では、ボランティアによる電話かけの支援を受けたと明かし、「判断とその前提となる認識が間違っていたので大変反省している」と陳謝。今後は関係を持たないと明言した。
 これに関し、岸田文雄首相は20日の参院予算委員会で、実態把握に努める考えを示した。その上で「それぞれの議員が自らの行動について説明責任を果たしていくことが重要だ」と強調した。
 首相は、自民党議員には教団側と「関係を絶つことを徹底してもらう」と重ねて表明。「一議員に対するアプローチが党の政策決定全体に影響を与えるシステムにはなっていない」と述べ、政策決定への影響を否定した。
 推薦確認書は(1)憲法を改正し、安全保障体制を強化(2)家庭教育支援法・青少年健全育成基本法を制定(3)LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い(4)「日韓トンネル」実現を推進(5)国内外の共産主義勢力の攻勢阻止―との政策を列挙。「以上の趣旨に賛同し、(友好団体の)平和大使協議会および世界平和議員連合に入会する」などの条件が記されていた。
 やはり文鮮明が昭和62(1987)年頃に始めた選挙支援方法は、幾ら宗教法人の名称を変えようとも法主は文鮮明であり、その指示で始めた支援方式は、現在も脈々と受け継がれていたのだ。文鮮明が求めた「誓約書」の条件は次の通りである(『愛国運動の基地 1986年10月9日 韓国・漢南洞公館』)。
   第1条は「私は勝共連合勝共議員になることを宣誓する」
    第2条は「私は統一教会を絶対的に支持する」
     第3条は「統一思想は人類を解放することができる思想であることを受け入れる」
 現在の「推薦確認書」では「……平和大使協議会および世界平和議員連合に入会する……」とある。統一教会(世界平和統一家庭連合)と「平和大使協議会」及び「世界平和議員連合」の関係であるが、中央が統一教会で、統一教会「平和大使協議会」係と統一教会「世界平和議員連合」係という関係である。つまり、記事にある自民党斎藤洋明は統一教会に入信済ということになる。この斎藤を当選させるべく動いたのが、統一教会が準備した選挙支援システムを差配していた安倍晋三である。斎藤は、自分の政治信条を選挙民に問うて審判を受けた振りをしながら選挙民をだまし、統一教会の政治理念に賛同していた背徳者なのだ。このようないい加減な男が総務大臣政務官を務めていたのだ。日本の斎藤が署名したという「推薦確認書」でもう一つ気になることは、第一に憲法改正である。既に『国会議事録という動かぬ証拠』で指摘していることであるが、自民党憲法改正実現本部の改憲論理は「GHQによる憲法介入は排除するが、統一教会が介入する改憲は受け入れる」という馬鹿げたものなのである。そして更に滑稽なのは新潟三区選出の斎藤が地域とは無関係の「日韓トンネル」に賛成していることである。要は、斎藤にとって当選できるのなら、どちらでも良かったのだ。この日韓海底トンネルであるが、自民党の中に「党中党」を作り、統一教会系国会議員数を増やすという名目の統一教会政治組織を全国に作るための運動なのだ。これで斎藤は否応なく「日韓トンネル推進新潟県民会議」運動に協力する以外に国会議員の椅子を守ることができなくなった。斎藤は、自民党村上誠一郎がいみじくも述べた「(安倍晋三は)財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。……」ことに自分の地位と名誉の為だけに協力していたのだ。国賊の頭目に協力する質の悪い輩としか言いようがないであろう。
 齋藤はここまで悪事がばれたならば、清く議員辞職を願い出てはいかがなものだろう。統一教会系国会衆議院議長細田博之は、斎藤の願いを、ここぞとばかりに許可するであろう。ただし、当の衆議院議長は、決しておやめにはならない。詰め腹を切らされるのは下っ端だけなのだ。
 統一教会の支援を受けて当選した国会議員は、必ず「誓約書」若しくは「推薦確認書」を提出済みで例外はない。文鮮明は無償で選挙支援をするほど「私はばかでない」と断言している。例外はあり得ない。その数は、自民党内には180名以上いるということになる。
……』

 ところで盛山文科大臣に限らず林官房長官も統一教会と関係が取りざたされていた火消しに躍起である。
 その二人は岸田派閥に属していたことと、統一教会を使って選挙運動を進めたのが安倍晋三元総理大臣であったことを考え合わせると、何やらきな臭いものを感じるのは筆者だけであろうか。

自由民主党と統一教会の関係は未だ氷山の一角しか明らかになっていないのだ。
以上(寄稿:近藤雄三)
【参考】
・(2023年11月26日)『宗主国アメリカからみた現地政権「自由民主党」の衰退と荒廃 -アメリカの意向は「自衛隊海外派兵を可能にする」政権に再編すること-
・(2023年9月28日)『自民党はいよいよ総選挙に打って出るが、いまだ、統一教会の「禊」は済んでいない!
・(2022年11月30日)『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(2) ―統一教会を犯罪者集団と断定した「フレーザー委員会」報告書―
・(2022年11月28日)『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(1) -「内部告発者を裏切り者として刺殺未遂」、脱税、国体破壊等の犯罪-
・(2022年11月29日)『『文藝春秋』1984年7月号( 134-151頁) これが『統一教会』の秘部だ  世界日報事件で『追放』された側の告発
・(2022年11月24日)『自民党総裁と統一教会が連携して行った選挙運動
・(2022年11月14日)『統一教会と「日韓トンネル推進全国会議」
・(2022年11月07日)『統一教会が秘蔵する「御言選集」が流出していることが確認された
・(2022年10月21日)『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件(続き)
・(2022年10月20日)『統一教会と同教会認定国会議員の巨大利権
・(2022年10月17日)『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件
・(2022年10月12日)『寄稿文   統一教会製空気散弾銃「鋭和B3」
・(2022年11月10日)『統一教会製空気散弾銃「鋭和B3」の使用が疑われる朝日新聞襲撃事件
・(2022年10月07日)『統一教会と系列国会議員の「日韓海底トンネル」という巨大利権
・(2022年10月03日)『寄稿文  ≪統一教会と萩生田光一政調会長≫
・(2022年09月08日)『(続)統一教会って? 51年前の国会で   えっ? 銃を輸入していた!!
・(2022年09月05日)『(続)統一教会って? 昭和51年の国会でも…46年前
 ・(2022年09月02日)『統一教会って? 37年以上前の我が国の国会で・・・




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岸田総理と熊本在住の熊本国権党・佐々友房の末裔との関係

2024-02-08 | 小日向白朗学会 情報
 なぜだかわからないが、昨年12月にアップした「2019年に岸田首相が米国で面談したのは『日韓海底トンネル』の最高幹部であり、2020年設立の岸田熊本会長及び「日韓トンネル推進熊本県民会議」議長は閔妃暗殺事件主犯の末裔」で指摘した岸田総理とあの佐々友房の末裔との関係が取りざたされているようである。改めて復習しておくのもよいのではないでしょうか。(文責:吉田)
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上川外務大臣による外交演説は「内政と外交」矛盾の極み -麻生副総裁は莫大な「外交及び防衛」利権を統括する戦争屋―

2024-02-07 | 小日向白朗学会 情報
 令和6年1月30日、上川陽子外務大臣は、第213回国会で上川外務大臣の外交演説をおこなった。その全文は外務省ホームページに『第213回国会における上川外務大臣の外交演説』(クリックで遷移)として掲載されている。尚、断っておくが、下記の演説内容に番号を追加したのは筆者である。
『……
1.情勢認識
 ……
2.年始の外国訪問、WPSの取組
 ……
3.中東情勢への対応
……
4.法の支配の推進
 ……
5.FOIPの推進、同盟国・同志国との連携
 ……
6. ウクライナ侵略への対応
 ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。私は今月ウクライナを訪問し、侵略の生々しい傷跡を自分自身の目で見て、力による一方的な現状変更を決して認めてはならないと改めて確信しました。また、ロシアによる核兵器による威嚇、ましてや使用はあってはなりません。
 一日も早くロシアによる侵略を止め、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するため、国際社会と連携し、対露制裁とウクライナ支援を強力に推進していきます。
 ウクライナの復旧・復興のため、官民一体の取組を進めます。昨年11月の経済ミッション等の成果を踏まえ、来月の日・ウクライナ経済復興推進会議の開催に向けて調整を加速していきます。

7.日本及び地域を守る取組
 ……
8.日本自身の取組
 ……
9.日米同盟の一層の強化
 日米同盟は日本の外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎です。日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化、拡大抑止の信頼性・強靱性の維持・強化のための努力、日本における米軍の態勢の一層の最適化に向けた取組を進めます。同時に、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古移設を進めるなど、地元の負担軽減と在日米軍の安定的駐留に全力を尽くします。……

10.経済外交の新しいフロンティアの開拓
……経済安全保障も新しい時代の外交の重要な柱です。サプライチェーンの強靱化や経済的威圧への対応などに、同盟国・同志国との連携を一層強化しつつ、ODAも活用し、官民で緊密に連携しながら、取組を強化していきます。
 これからの日本経済は、「グローバル・サウス」と呼ばれる途上国・新興国の成長を取り込んでいかなければなりません。地域ごとの課題や特性等も十分踏まえた上で、きめ細かで、戦略的な経済外交を推進していきます。……

11.近隣諸国などとの関係
 日本及び地域の平和と繁栄を維持すべく、近隣国等との難しい問題に正面から対応しつつ、安定的な関係を築いていきます。
 昨年11月の日中首脳会談に続き、私も王毅外交部長との間で日中外相会談を行いました。
 日本と中国の間には、様々な可能性と共に、尖閣諸島を含む東シナ海、南シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、中露の連携を含む我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの課題や懸案が存在しています。また、台湾海峡の平和と安定も重要です。さらに、中国の人権状況や香港情勢についても深刻に懸念しています。
 同時に日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を有しています。「戦略的互恵関係」を包括的に推進するとともに、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと重ね、共通の諸課題については協力するという、「建設的かつ安定的な日中関係」を日中双方の努力で構築していくことが重要です。
 その中で、中国による日本産食品に対する輸入規制の即時撤廃を引き続き求めていきます。
 重要な隣国である韓国とは、多様な分野で連携や協力の幅を広げ、パートナーとして力を合わせて新しい時代を切り拓いていくため、様々なレベルでの緊密な意思疎通を重ねていきます。
 インド太平洋の厳しい安全保障環境を踏まえれば、日韓の緊密な協力が今ほど必要とされる時はありません。日韓関係の改善が軌道に乗る中、グローバルな課題についても連携を一層強化していきます。
 竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応していきます。
 日中韓協力は、大局的な視点から、地域及び世界の平和と繁栄にとって重要です。昨年11月の外相会議の議論を踏まえ、早期で適切な時期のサミットの開催に向け、議長国の取組を後押ししていきます。
 ロシアに対しては、日本の国益を守る形で引き続きしっかりと対応していきます。日露関係は、ロシアによるウクライナ侵略により引き続き厳しい状況にありますが、政府として、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していきます。
 その上で、漁業などの経済活動や海洋における安全に係る問題のように、日露が隣国として対処する必要のある事項については、我が国の外交全体において何が我が国の国益に資するかという観点から適切に対応していきます。
 また、北方四島交流等事業の再開は日露関係における最優先事項の一つです。今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き強く求めていきます。
 北朝鮮は、核・ミサイル活動を一層活発化する意向を明らかにしています。安保理決議違反でもある弾道ミサイルの発射等は断じて許されません。また、露朝間で強化されている軍事協力も深刻に懸念しています。今後とも、日米、日米韓を始めとする国際社会で緊密に連携して対応していきます……

12.地球規模課題のための協力
 ……
13.日本外交の新たな可能性
 ……
14.結語
……』
 上川外務大臣の演説は、上記方針で日本の外交と安全保障を実行するため国会に予算要求する項目についてその内容を説明したものである。外務省がおこなう予算要求の方針は2022年末に閣議決定した新安全保障政策「防衛三文書」である。
 同文書には日本の安全保障を脅かす国として「中国、北朝鮮、ロシア」をあげ、これらの国を仮想敵国として、その脅威を排除する手段を準備することにしている。また同文書が「中国、北朝鮮、ロシア」を仮想敵国とした理由は、2022年にロシアがウクライナに侵攻したことを受けて、中国も台湾侵攻を開始する、いわゆる「台湾有事」の可能性があって、その際に、日本国領尖閣諸島にも中国が侵攻してくることが予想されるため通常兵器で反撃能力を向上させることであった。ただし、注意すべきは日本が仮想敵国とした国々は核保有国であることから、核を保有しない日本には究極の対処能力はない。そのためアメリカと「日米安全保障条約」を締結してアメリカが持つ核戦力と強大な通常兵器を装備するアメリカ軍が駐留することで仮想敵国に対処する能力を高めようというものである。それが上川演説のNO.9部分である。
 ところが、上川外務大臣が国会に予算要求する根拠とした「防衛三文書」に沿って「外交と安全保障」に関する莫大な関係予算を国会に求めているにも拘らず、その中心的な問題は「中国が台湾に侵攻することは日本の危機である」という最も重要な部分「台湾有事」の説明がないばかりか「台湾有事」という単語すら出てこない。「台湾有事」は、政権与党の重鎮麻生自由民主党副総裁が、台湾とアメリカを訪れて「台湾有事に日本は日本も参戦し戦う」とまで公言している程の日本の安全保障を脅かす重要事項であるはずでる。
おかしいではないか。
 日本の安全保障を危機におとしめている「台湾有事」が予算要求から消えているのである。
 では、上川外務大臣は「日本の安全保障を脅威に陥れている仮想敵国中国」に如何なる対応をしようとしているのかといえば、それは演説No11である。上川外務大臣は日本と中国の関係を「戦略的互恵関係」であると断言している。
 上川外務大臣は、昨年度は中国による台湾進攻を理由に莫大な予算を獲得してきた。それにも拘らず、本年度は中国と日本の関係は「戦略的互恵関係」であるとしたうえで「防衛三文書」に沿った外交と安全保障に必要な予算を国会に要求すると言っているのだ。
 では上川外務大臣が口にする「戦略的互恵関係」とは一体何なのかを確認しておく。これに付いては外務省HP「「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明」(クリックで遷移)に詳しい。
『……
1972年9月29日に発表された日中共同声明、1978年8月12日に署名された日中平和友好条約、1998年11月26日に発表された日中共同宣言が、日中関係を安定的に発展させ、未来を切り開く政治的基礎であることを改めて表明し、三つの文書の諸原則を引き続き遵守することを確認した。また、双方は、2006年10月8日及び2007年4月11日の日中共同プレス発表にある共通認識を引き続き堅持し、全面的に実施することを確認した。
……』
 つまり「戦略的互恵関係」とは、日本と中国が70年代に国交を樹立するにあたり「中国は一つ」つまり「台湾は中国の領土」であって未だに国共内戦が継続していることを確認しているが、その関係をさらに強化しようというものなのである。そのため日本は台湾との国交を断絶して中国と国交を樹立した。したがって日本は1972(昭和47)年以降、台湾有事があっても介入しないことを中国に約束しているのだ。ところが上川外務大臣は国会で、直接は中国を名指ししないものの演説の基本となっている「防衛三文書」で」中国は「法と秩序に従わない」で「一方的な武力による状況変更つまり台湾有事」を行いそうなので、中国を仮想敵国として兵備を整えると共に日米同盟によりアメリカと連合して中国と戦うため国会に「外交と安全保障」予算を求めているのだ。
 そもそも外務省は、中国が「法と秩序に従わない」で「一方的な武力による状況変更つまり台湾有事」を行いそうであるという認識があるならば、外務省は「法と秩序」に従って外交努力で問題を解決することが任務である。そのため外交官は勅任官なのである。それが選りに選って仮想敵国に対して実力で反撃すると言い出す始末である。それならば外務省は、中国が「法と秩序」に従わないで「一方的な武力による状況変更つまり台湾有事」を仕掛ける悪辣な国であって外交努力では無理であることを国民に示すべきなのでる。
ところが上川外務大臣は「防衛三文書」に沿って中国敵視政策を実施する予算を国会に要求をしていながら、中国とは「戦略的互恵関係」つまり対話で問題を解決するという相矛盾する内容を国会で演説している。
日本と中国は「戦略的互恵関係」」であることは、岸田首相と習近平会談と、上川外務大臣と王毅外相会談で確認しあっている。まさか間違いではあるまい。
 だとするならば、日本政府は、中国とは「戦略的互恵関係」では話し合いは継続するが、中国は信用ならない国なのでいざという場合に備えて防衛能力は向上させておくという説明ならば、まだ理解はできる。ところが自由民主党の重鎮麻生副総裁は、台湾やアメリカを訪れ「台湾有事」に日本の緊急事態として参戦すると息巻いている。とても自由民主党政権は日中関係が「戦略的互恵関係」にあるとは考えていない。日本政府は、相手政府をだまし反撃能力を向上させる準備を継続させる二枚舌外交を行っているのだ。
 このような日本政府の外交姿勢は究極的な破局をもたらす危険性をはらんでいる。特に日本は、国連憲章で国連憲章の旧敵国条項(第53条、、第77条1項b、第107条)が適用されている。これは旧敵国、つまり日本が関係した紛争については平和的に解決する義務すら負わされていない。従って、国連加盟国は、旧敵国が起こす紛争に対して話し合いなどは必要なく、自衛のため安保理事会の承認なしに軍事行動に出ることが容認されているのだ。そして日本政府及びその重鎮麻生副総理が敵視する中国は、核保有国であり、国連の常任理事国なのだ。したがって日本の外交政策は、中国に対して台湾と連携して対峙することは、旧敵国条項そのものの危険極まりない愚策を行っているのだ。
そもそもこのような愚策の根源は新安全保障政策である「防衛三文書」を策定したことにある。同文書は、自由民主党と外務省、防衛省、財務省が組んで莫大な防衛予算とODA予算を獲得するために策定されたものである。そして財源としては国民に大増税をもとめることにした。しかし、既に「五公五民」とまで揶揄されるほどの高い税負担率であることから、なかなか国民の納得を得ることは難しい。そのために財務省は「日本は債務超過」であるということと「国の借入金を子孫に残すな」というデマ話を捏造してマスコミにリークして国民をだまし続けてきたのだ。ところが、日本は「債務超過」ではなく「資産超過」でその額が100兆円に上ることを経済学者高橋洋一氏がYouTube『960回 着々とZ支配への足固め。財政健全化推進本部』で暴露している。その中心にいるのが麻生太郎副総裁なのである。その派閥が麻生派なのだ。そして、さらに麻生副総裁は「財政健全化推進本部」という新たな政策集団という新派閥を立ち上げて最高顧問の座に収まっている。「財政健全化推進本部」とは「日本は債務超過」であるというデマをまことしやかに国民に流布する政策集団なのだ。これらの事実から見ても麻生副総裁は「防衛外交利権」の財源として財務省に「緊縮財政」を継続させて充当することを目論んだだけではなく、実際に実行してきた張本人だということになる。つまり麻生副総裁は「防衛三文書」により莫大な「外交安全保障」利権を手に入れたもののその財源は未だ消費税を19%にすることを含む大増税が済んでいないことから、台湾やアメリカを訪れ「台湾有事」は「日本の緊急事態」であって介入すると息巻いて、日本の危機を煽って日本の国家予算を「外務防衛」利権に湯水のごとく使う心算なのだ。
 その兆候は演説No.6でウクライナの復興費58兆円を日本が負担することを準備していることから明らかである。つまり日本政府はODA(Official Development Assistance)で政府がウクライナに供与し、一度、資金をウクライナに移した後に関係者にその一部を戻すという岸信介が韓国でおこなった資金浄化方法を実施する心算なのだ。だから外務省は日本国民が誠実で情にもろい特質を逆利用して「ウクライナ可哀そう」をしつこく国民に刷り込んで、その本質を知られないように準備しているのだ。それでいて能登沖地震には雀の涙ほどの資金も出し惜しみをしているのだ。これほどの悪行を取り仕切っているのが麻生副総裁なのである。
 しかし、麻生副総裁が敵視する中国であるが、核を装備する強大な軍事力と、外交では常任理事国であることから勝負は歴然としていて外交による対話以外に方法はない。それにもかかわらず麻生太郎副総裁は、現実には目を背け中国に対する敵意をむき出しにしている。日本を戦争の危険にさらしただけではなく、日本国民を長年にわたり貧困に落としたうえに、更に、日本のインフラ水道を売飛ばすことに注力するという、最も危険で国民を蔑視する極悪政治家なのである。つまり同氏は戦争利権屋なのである。
 ところで麻生副総裁が、ここまで中国敵視政策を継続することに絶対の自信を持つ根拠であるが、それは日米同盟によるアメリカの「核の傘」と、強大な通常兵器をもつアメリカ軍が駐留していることにある。そのため麻生副総裁は「日米同盟」の重要性を力説しているし、上川外務大臣も外交演説で「日米同盟」は日本安全法の礎だとしているのだ。
ところが、である。
 日本にとって最も重要なアメリカの「核の傘」と、駐留アメリカ軍が、日本の緊急事態に全く機能しないことになってしまった。それは、アメリカが中国と国交を樹立する際に約束した「一つの中国」政策を再確認したことでアメリカは「台湾有事」に介入しないことが確定した。
 このことは、麻生副総裁と同じスタンスの戦争屋バイデン政権ですら「一つの中国」政策を堅持することを口にしているほどなのである。つまりアメリカは中国敵視政策を放棄したのである。
これは一大事である。
 日本の安全保障の根幹である日米同盟が、台湾有事に何ら機能しないことが明らかになってしまった。
 それは、日本が中国と対峙してもアメリカは軍事介入することはあり得ないことから「核の傘」も駐留アメリカ軍も一切動かない。
具体的には、日本の自衛隊は、島嶼部でアメリカの救援を待ち望んで奮闘したとしてもアメリカ軍が来援することはない。
 そして、万が一にも日本に原爆が投下されてもアメリカは報復として中国に対する核攻撃をおこなうことはない。
 これらの想定は、絵空事ではなく、事実なのである。
 日本は、日米同盟を信じて駐留アメリカ軍の要求を呑んできた。しかし、アメリカは日本と同盟関係があっても、世界の核バランスの崩壊を恐れて日本政府の外交や政策とは無関係に中国敵視政策を破棄してしまった。
 日本はアメリカに無碍なく見捨てられたのだ。日本はアメリカの国家主権を売渡しているため、重要な政策変更に参画することも意見することもできない属国だからなのだ。
 アメリカが安全保障政策を急遽変更したことで日本は「防衛三文書」で反撃能力の取得と息巻きながら「こぶし」を振り上げてみたものの、すごすごと、降ろす以外に方法はない。
 みじめな話である。
 日本国内には自主防衛を声高に主張する野党党首がいたが、この現実をなんと説明するのか。馬鹿も休み休みにしてほしいものである。
 そのため岸田首相と上川外務大臣が習近平と王毅外相と会談を行い日中関係は「戦略的互恵関係」であることを認めざるを得ないことになった。これは日本外交が中国外交に膝を屈したことに他ならない。
 クラウゼヴィッツは、『戦争論』の中で「戦争は外交の一手段である」と述べている。
 つまり日本は外交戦争で敗戦となった。
 そのため日本政府は中国敵視政策を放棄することにした。
ならば日本政府が決定した新安全保障政策「防衛三文書」にある仮想敵国リストから中国を削除するとともに関連予算は削減するのが筋である。
 ところが、日本政府は具体的な敗戦処理に動いていない。
 それにも拘らず、日本政府、中でも「外交防衛利権」を握る麻生太郎副総裁率いる麻生派、外務省、防衛省、財務省は「防衛三文書」で決めた通りに、国民に増税をもとめ防衛力増強を強行しようとしているのだ。そのためには「五公五民」の悪税制といわれようと何ら反省することがないだけではなく、自由民主党の分裂も辞さない構えで防衛と外交予算を要求通り実行するように国会に求めているのだ。
 その後の政権は「防衛三文書」策定に協力した前原誠司議員、「大阪で政治利権の味を覚えた」馬場伸幸議員、「消費税増税」が自慢の野田佳彦議員、「国民のインフラを売り飛ばして自身の政治理念に流用する」小池百合子東京都知事を中心にして国民民主党、日本維新の会に立憲民主党執行部らを「自衛隊を海外派兵することで莫大な利益を生むこととアメリカの意向に沿う」憲法改正を旗印にして大政翼賛会体制を作れば済むと考えているのだ。

 したがって上川外務大臣の外交演説は、国民は外交に無知であるという前提で、あえて外交の実態と内政とに大きな矛盾があることを国民に見透かされないように、様々な形容詞をつけた説明となっているのだ。このような嘘で国民を騙すことができる時間は短いことを自覚していているからに他ならない。
以上(近藤雄三)
P.S
上川演説のNo.10は、「日米合同委員会」が表の組織で、実態はエール大日本校でおこなう講演会を利用してアメリカ政府の指示が日本政府に伝達されたことで、これに答えて上川外務大臣が外交演説の中で出してきたものである。具体的には2023年9月27日水曜日に、アメリカ商務次官がテンプル大学で行った講演がアメリカ商務省のHPに存在する。
此の商務省次官による講演により、上川外務大臣は外交演説にアメリカの要望を取り入れて予算に計上している。日本が主権国家であるというのは幻想で、宗主国と属国という関係を示す具体例なのである。


『……
ディーンさん、親切な紹介をありがとうございました。
みなさん、おはようございます!おはようございます
アメリカの大学の日本初のキャンパスであるテンプル大学ジャパンに来られることを光栄に思います。このキャンパスとここを通過してきた何千人もの学生は、40年前と同じくらい今日でも重要な日米間のパートナーシップの証です。
何よりもまず、ジョアン・エップス大統領代行の悲劇的な死に対し、ここおよび米国のテンプル大学コミュニティに心からの哀悼の意を表したいと思います。ジョアン・エップスは、テンプル大学で 40 年近くにわたり、大学とその学生、社会正義、平等に対して深く永続的な取り組みを行い、学者、教授、管理者として頭角を現しました。
この旅は私個人にとって深い意味を持っています。 1860年、ワシントンD.C.の中小企業家であった私の三度の曽祖父であるジェームス・ワームリーは、米国を訪問した最初の日本の委員会をもてなし、食事を提供しました。今週の私の日本訪問は、それから 163 年が経ち、日米関係がこれまでにないほど強く、両国だけでなく世界にとっても重要になっている時期に行われます。
前例のない世界的な挑戦と一か八かの技術競争
今日、私たちは前例のない世界的な課題に直面しています。新型コロナウイルスのパンデミック、気候変動の存亡にかかわる脅威、ウクライナにおけるロシアの侵略戦争、そしてここインド太平洋地域を含む独裁政権の台頭はすべて、米国が定めたルールに基づく国際経済秩序に重大な脅威をもたらしている。国家、日本、そして志を同じくする民主主義諸国は、何世代にもわたって熱心に築き上げ、犠牲を払ってきました。
これらの課題をさらに悪化させるのは、民主主義国家と権威主義的な敵対者との間で行われる、一か八かの勝利が必要なテクノロジー競争です。
重要なテクノロジーや新興テクノロジー、つまりチップ、サイバー、AI などのコンピューティング テクノロジーをリードするのは誰か。気候とクリーンテクノロジー。そしてバイオテクノロジーは、今後何世代にもわたって国際経済秩序を大きく形作るでしょう。
その世界経済は、民主的な規範と基準、公平で相互利益となる貿易、イノベーション、起業家精神、機会に基づいた経済へと進化し続けるのでしょうか?
あなたたちの世代は、情報の自由な流れ、データのプライバシー、オープンなインターネットを信頼できるでしょうか?
私たちは先進国と発展途上国の両方で協調した気候変動対策とグリーンイノベーションに向けて進むのでしょうか?
これらは私たちが対処し、肯定的に答えなければならない質問です。
  米国商務省のアプローチ
バイデン・ハリス政権はこれらの課題を早くから認識しており、ここインド太平洋地域ほど課題が差し迫ったところはありません。
だからこそ、米国は、バイデン大統領の言葉を借りれば「開かれ、つながり、繁栄し、回復力があり、安全である」というインド太平洋のビジョンを実現するために、この地域のパートナーと前例のない二国間、多国間、多国間努力を行っているのだ。 」
この目的を達成するために、行政と商務省は次の 3 つのことを行っています。
  • 第一に、我々は戦略的な国内投資を行うと同時に、我が国の経済に多大な影響を与える重要な新興技術において同盟国との商業的関係を深めています。
  • 第二に、私たちは、信頼できるテクノロジーエコシステムを育成し、経済的強制と闘い、悪意のある者が国家安全保障やパートナーや同盟国の安全を損なうために機密品やテクノロジーを使用するのを防ぐことによって、国家安全保障を守るための措置を講じています。
  • 第三に、私たちは民間部門とともにグローバル・サウスへの関与を拡大し、最も差し迫った経済ニーズを満たすためのより魅力的なインフラ代替手段をパートナーに提供しています。
これらの取り組みについて、そして日米両国のパートナーシップが日米だけでなく世界の成功を確実にするためにいかに不可欠であるかについて、もう少しお話ししたいと思います。
  産業能力の構築
それは、重要な技術や新興技術に焦点を当てて、米国での促進を支援している産業ルネサンスであると私が信じていることから始まります。
何十年にもわたって、米国では政党や政権を超えて、政策立案者は経済政策に対して非介入的なアプローチをとってきました。その結果、あまりにも多くのアメリカ人が取り残され、雇用は失われ、産業基盤は空洞化し、実質賃金の伸びは低下し、不平等は拡大し、労働力は機会から切り離されたままになりました。
その間、当社の競合他社や敵対者は技術的優位性を確立しようと積極的に動き、当社の優位性をさらに侵食しました。彼らは、自由な情報の流れを脅かし、知的財産の盗難を悪化させ、偽情報を利用して私たちの開かれた民主的な市場システムを弱体化させる方法でその利点を利用しようとしました。
今、ページをめくっています。ご存知の方も多いと思いますが、米国は、アメリカ救済計画、超党派インフラ法、CHIPSおよび科学法、インフレ抑制法などの画期的な法案を可決しました。これらのプログラムを通じて、米国は製造業、研究開発、全米の重要技術や新興技術、経済クラスターにおける労働力開発に歴史的な投資を行っており、今後何年にもわたって多大な影響を与えることになる。具体的には、チップ、AI、量子などのコンピューティング テクノロジーについて話しています。再生可能エネルギーから原子力、二酸化炭素回収までのクリーン技術と気候技術。バイオテクノロジーも同様です。
強調しておきますが、米国における産業基盤の再構築に対する当社の投資は、当社単独で取り組むことを意味するものではありません。米国がテクノロジー能力を構築すれば、日本や韓国などの先進的なテクノロジー大国を擁する同盟国と、より優れたイノベーションパートナーになれるようになる。そのため、我が国は産業投資と歩調を合わせて、日本や韓国などの同盟国との商業・経済パートナーシップを深め、主要分野における双方向の貿易と投資を促進しています。私たちが行っていることの例をいくつか示します。
  • 2021年、当社は日本の経済産業省(METI)と日米商工パートナーシップ(JUCIP)を立ち上げ、半導体サプライチェーンのレジリエンスとデジタル経済を中心とした官民連携を深めました。
  • バイデン大統領、岸田首相、尹大統領はつい先月、キャンプデービッドで史上初の三国首脳会談を成功裡に開催した。そこでは、優先製品および材料に関するサプライチェーン早期警報システムの試験運用など、経済および技術協力を深めるための三国間のさまざまな取り組みにコミットしました。それぞれの国立研究所間の協力。そして商工大臣間の定期的な会合。
  • 今週、私は、韓国と韓国の両方でパートナーシップを築こうとしている世界クラスの米国サイバーセキュリティ企業15社とのサイバーセキュリティ貿易ミッションを指揮しています。
こうした取り組みは、双方向の貿易と投資の面で成果を上げています。例えば、日本と韓国の企業も、私の故郷であるオハイオ州を含むアメリカの中心地で重要な技術や新興技術への投資を増やしています。オハイオ州経済開発センターの努力の結果、ホンダとLGエネルギーソリューションは、電気自動車(EV)バッテリー工場の建設と、自動車のサプライチェーンと自動車のサプライチェーンをサポートするための既存のホンダ工場の改修に42億ドルを投資することを共同で約束した。 2500以上の雇用を創出します。
国家安全保障の保護と経済的強制への対抗
新しいテクノロジーに投資し革新する一方で、国家安全保障とこれまで以上に結びついている我が国の集団的経済安全保障を損なおうとする悪意のある行為者や敵対者に対抗するために、私たちは用心深くならなければなりません。
具体的には、民主的規範を抑圧しながら、知的財産の盗難、データのプライバシーの侵害、軍事動員と近代化を促進するためにテクノロジーを使用および悪用する人々を、私たちの技術革新のエコシステムが信頼され、安全で保護されるようにする必要があります。
ここでも米国と日本は二国間および多国間努力を行っている。具体的な例として、当社は輸出管理パートナーシップにおいて新たな境地を開拓しました。このことを最もよく表しているのは、ウクライナ侵攻後にロシアに対して課した措置です。
最近の首脳間の三国首脳会談の成果として、米国、日本、韓国はこれらのパートナーシップを深めている。 3者全員は、技術保護対策と執行機関全体での情報共有を強化する破壊的技術保護執行交換に取り組むことに同意した。 3カ国はまた、北朝鮮のサイバー活動や外国の情報操作に対抗するために協力することに尽力している。
国家安全保障を守るには、経済的強制を阻止することも必要であることを覚えておくことが重要です。これは、権威主義的な敵対者、特に中華人民共和国による、貿易と投資を武器にして、自分たちの要求に従わない国にコストを課そうとする取り組みを意味します。意思。米国は、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国とともに、G7における日本のリーダーシップを強く支持し、「貿易関連の経済的強制と非市場政策および慣行に対する共同宣言」を発表する。
これらは、経済と国家の安全を守るために、私たちが同盟国とともに使用している、ますます重要になっている経済手段のほんの一例にすぎません。これらのツールと政権の取り組みの一環として私たちが行っていることを説明するために、私は今年後半に初の商務省国家安全保障戦略を立ち上げる予定です。
グローバル・サウスのパートナーと協力する
最後に、重要なテクノロジーと新興テクノロジーのサプライチェーンは本質的にグローバルであるという基本的な事実に目を向けましょう。
半導体のパッケージングやテストから、チップ、EV、その他のテクノロジーに不可欠なインプットを提供する重要な鉱物に至るまで、当社の成功には、相互だけでなく、世界中の志を同じくするパートナーとの信頼できるテクノロジーパートナーシップを築くことが必要です。  
そのため、米国と日本は、他のG7諸国およびその民間部門とともに、グローバル・サウスのパートナーが経済的および持続可能な開発目標を達成できるよう支援するための措置を講じています。
2年前、バイデン大統領は他のG7指導者らとともに、エネルギー転換やサプライチェーンの回復力に不可欠なインフラ整備に2027年までに官民合わせて6000億ドルの投資を動員することを目指すグローバルインフラパートナーシップ(PGI)を立ち上げた。デジタル経済、経済回廊。そして持続可能な医療システム。目標は、信頼できる商業パートナーシップ、インフラ融資、高品質の技術、商品、サービスなど、インフラのニーズを満たすためのより良い代替案をパートナー国に提供することです。
5月に広島で開催されたG7サミットで、我が国の指導者らはPGIへのコミットメントを再確認し、以下のような世界中の多くの革新的なプロジェクトで大きな進展があったことを強調しました。
  • ジャスト・エネルギー移行パートナーシップの一環として、ASEANにおける小型モジュール炉導入の先駆者としての米国とインドネシアとのパートナーシップ。
  • ベトナムの88MW風力発電所とエジプトの2件の500MW陸上風力発電プロジェクトに対する日本の支援、
  • 史上初のC5+1サミットでバイデント大統領が最近発表した米国のコミットメントは、カザフスタン、キルギス共和国、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンに対し、アジア横断鉄道沿いの経済・エネルギー回廊開発のための魅力的なインフラ代替案を提供するというものである。カスピ海貿易ルート、「中間回廊」。日本はこれらの取り組みにおける重要なパートナーです。
インド太平洋に近いところでは、米国、日本、韓国は、この地域の他の11のパートナー国と、インド太平洋の繁栄のための経済枠組み(IPEF)に取り組んでいます。これは、インド太平洋全体のイノベーションと成長を促進する取り組みの基礎です。汚職の惨状から保護されたクリーン、デジタル、その他のテクノロジーで地域を支援します。
日本は、韓国やその他のパートナーとともに、今年5月にパートナー14カ国間で初のサプライチェーン協定を締結するなど、IPEF交渉の確実な進展に貢献してきました。我々は、エネルギー移行を含むクリーン経済や、汚職との戦いや効率的な税制などの公正経済原則に関して同様の協定を締結することを目指している。
これらの新たな経済同盟やテクノロジーパートナーシップは、自由で開かれた繁栄したインド太平洋とルールに基づいた国際秩序を確保するための我々の取り組みの先頭に立っている。これらの取り組みの要となるのは、日米間の強力なパートナーシップです。
私は、何十年にもわたるイノベーションと大幅な生産性の向上に向けたアーキテクチャを導入しており、その結果、皆さんの世代が繁栄、自由、機会の共有の恩恵を享受し続けることができると私は信じています。成功は最終的にはあなた次第です。あなたの創意工夫、創造性、勤勉さ、そして私たちが住む世界を大きく変えている重要なテクノロジーや新興テクノロジーにおいて、可能性や可能性の最前線を押し広げようとする意欲にかかっています。

リーダーシップ
ドン・グレイブス
……』
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ※上記のドン・グレイブス商務次官がテンプル大学日本校で講演を行った同日、上川外務大臣は米国のインド太平洋軍アクイリノ司令官の表敬を受けていることが外務省のホームページに掲載されている。令和5年9月27日『アクイリノ米インド太平洋軍司令官による上川外務大臣表敬』  その一週間前の9月20日には国営ベトナム通信社のインタビューを受けて「ベトナムは自由で開かれたインド太平洋を実現する上で要となる重要なパートナーです。」といった趣旨のことを述べている。
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小池百合子東京都知事による東京メトロ株売却は政界復帰の持参金!!

2024-02-03 | 小日向白朗学会 情報
 自由民主党は、長年にわたり日本の主権をアメリカに売渡したことで政権を手に入れた政党である。そして手に入れた政権を悪用して、様々なインフラを売却して政権維持のため政治資金にあててきた。古くは佐藤栄作元首相による国鉄利権の売却がある。また、小泉純一郎元首相による郵政民営化は、日本の戦後復興を支えた建設国債発行という政府投資の道を閉ざしたことから新たなインフラ投資ができなくなり治山治水や道路整備は放置された結果、自然災害が多発したことに対して、「気候変動」などと責任を転嫁し、電線が垂れ下がる貧しい街並みとなったのだ。
 そして、自由民主党による「国家資産」の私物化は、止まる所を知らず、現代では麻生太郎自民党副総裁が推進している水道の売却問題、萩生田光一元政調会長のNTT株売却問題にまで及んでいる。これらは、全て自由民主党が「国民の資産」を「自由民主党の利害関係者」に売却するという利益相反な行為であって民間会社ならば犯罪行為として処罰される事案なのである。ところが、自由民主党は政権与党であるという特権的立場を悪用して、それを政策として堂々と行ってきた。だから政治資金と云えば、無税になるのだ。
 これを厚顔無恥と云わずなんといえばいいのだろうか。
 自由民主党は、日本の国家主権を平気で売り飛ばすくらいであるから、このような悪事を戦後70年に渡り行うことができるのである。
そのような中、自由民主党の取り巻きが動き出した。その様子を伝えるニュースが、2024年1月27日、NHK『東京メトロ株 国と東京都が来年度中にも売却開始へ』であある。
『……
国と東京都は保有する東京メトロの株式について、新年度中にも売却を始める方向で調整を進めています。東京メトロの株式は▽国が53.4%、▽東京都が46.6%を保有していますが、売却して完全民営化する方針が決まっています。
都は26日公表した新年度の当初予算案に、株式を売却するための関連経費として35億円を計上していて、関係者によりますと、国と都は新年度中にも売却を始める方向で調整を進めているということです。
 具体的な時期については現時点で決まっておらず、今後、株式市場の動向を見極めながら決めることにしています。
東京メトロの株式については3年前、国土交通省の審議会が、東京メトロが計画している地下鉄の延伸事業を国や都が支援するため、当面、株式の半分を保有することが適切だと答申していて、国と都はこれを踏まえて、株式の50%を売却する考えです。
  このうち、国の分の売却収入は法律に基づいて東日本大震災の復興財源に充てられることが決まっています。
……』
 小池百合子東京都知事は、インフラである地下鉄会社株を本年度中に売却するというのである。ここで注視する必要があるのは、令和6年7月30日に東京都知事選挙が行われることになっていることから小池都知事在任期間中に行いたいということになる。そして売却資金は、東日本大震災の復興財源にあてるとしている。東京都民の資産を売却して復興財源に充てるという、国民の苦しみに配慮した対応ということになる。
 めでたし、めでたし。
 しかし、自民党政権が2022年末に決定した「防衛三文書」という「安全保障」政策から考えるととんでもない裏事情がある。
2023年6月16日、 岸田文雄首相は防衛費増額の財源として所得増税で捻出してきた東日本大震災の復興費を「転用」することを決めた。
その全容は、2022年12月17日、東京新聞に『防衛費増 復興税を転用 「充てる財源が違うのでは」戸惑う被災地 「近所に汚染土、現場見て」<こちら特報部>」とする記事から確認することができる。
『……
自民、公明両党の合意に基づき、防衛費増額の財源として、法人、所得、たばこ三税を増税する方針となった。所得税を巡っては、東日本大震災の復興特別所得税の一部を転用する。復興道半ばの被災地軽視と言われても仕方がない。「議論が拙速」との批判にもかかわらず、軍備増強の枠組みばかり急いだ岸田文雄首相。「ハト派」の自称も、自慢の「聞く力」も、誤った看板だったのか。 (宮畑譲、西田直晃)
 政府の方針では、二〇二七年度時点で年四兆円の増額となる防衛費の財源として、法人税、所得税、たばこ税で一兆円程度を賄う。その中で、与党内からも「説明がつかない」と疑問の声が上がったのが、復興特別所得税の転用だ。
 復興特別所得税は、一一年に起きた東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被害回復のため、三七年までを期限に所得税額に2・1%を上乗せして課税されてきた。これを1%引き下げた上で、しばらくの間延長する。減らした1%分を新たな付加税として防衛費に回す。
……』
 日本政府は、2013年1月1日から2037年12月31日まで個人の所得税に2.1%をかけて復興特別所得税分を追加して徴収してきた。その徴収額は、2022年度に4624億円であった。国民は東日本大震災の悲惨な状況に同情し、所得税に上乗せされた復興特別所得税を容認してきた。ところが2023年6月に、そのうちの1%約2000億円を防衛費に充当することを決めたのだ。国民の誠実さにより税増税を容認し拠出に同意してきた復興特別所得税であるが、国民のコンセサンスもとれていない「安全保障」政策費に流用するというのである。このような「あほな」提案を行う自由民主党も自由民主党であるが、それに同調する公明党や野党は、まともな感覚とは到底思えない。
 以上のような、いわく付きの復興特別所得税であるが、小池都知事は東京メトロ株を売却して復興費に繰り入れるというのである。したがって繰り入れた費用が防衛費に転用されるという、まるで詐欺のような話なのである。いや、サギ話なのである。
 そもそも小池百合子東京都知事は、学歴詐称だけではなく、過去に国民の眼を欺く得体のしれない政治家なのである。
 平成29(2017)年に、安倍晋三政権は森友学園問題及び加計学園問題で窮地に陥ると「国難突破解散」と称して同年9月28日に衆議院を解散した。絶対絶体絶命の危機の陥った安倍晋三を助けたのは、幸福実現党と深い関係がうわさされていた小池百合子であった。
 小池は同年9月25日に「希望の党」の結党を宣言した。小池が発表した新党の政治理念として次の三つを掲げた。
(1)希望の政治
(2)希望を守る環境・エネルギー
(3)憲法改正の三つであった。
これに同調した9名の民主党国会議員(衆議院議員木内孝胤(比例東京)、長島昭久(比例東京)、細野豪志(静岡5区)、松原仁(比例東京)、笠浩史(神奈川9区)、若狭勝(東京10区)、参院議員は行田邦子(埼玉)、中山恭子(比例)、松沢成文(神奈川))が合流することになった。これを受けて、同年9月26日夜、小池百合子、民進党代表前原誠司、連合会長の神津里季生の三者は極秘に会談し、民進党と希望の党の合流することを協議し、最終調整に入ることで合意がなされた。同年9月28日に野党第一党であった民進党は希望の党へ合流することを決定した。その時の踏み絵が、10項目の政策協定書であった。10項目の踏み絵を飲むことができない民主党議員は同年10月3日には立憲民主党することになった。
 この小池が三番目に掲げた憲法改正であるが、日本は国家主権がない中で憲法を改正するということであって、それは、日本を永遠にアメリカの属国とすることである。小池は、日本がアメリカの属国であることを言わず、あたかも日本が主権国であるかの如く思わせる非常に狡猾な方法を使い、民主党を分割して、弱体化した自由民主党を下野させないように野党分断を図ったのだ。つまり小池百合子東京都知事は、麻生副総裁が外務省、防衛省、財務省を率いて推し進めている新安全保障政策、いわゆる「防衛三文書」を指向する勢力なのでる。もちろん平成29(2017)年に野党分断を共同で指揮した、前原誠司「教育無償化を実現する会」代表もこの人脈の中に位置する。そのため最近では自慢の「安全保障」政策では手あかがつきすぎて危険なため「教育無償化」を旗印に再結集を図ろうとしているのだ。
以上のような政治経歴をもつ小池百合子東京都知事なのである。そのうえ本年は当挙都知事選挙もあることから、その動向に注目が集まっている中で「東京メトロ」株売却が浮上してきたのだ。おそらく都知事選には立候補せず、近日中に行われる国政選挙に出馬する布石としか考えられない。

「東京メトロ株売却」の本質は、小池百合子氏が政界復帰するため持参金、もしくは「持ち逃げ」であると云わずにほかの言い方があるだろうか。
おそらくない。
以上(寄稿:近藤雄三)


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自由民主党は「外交・国防利権(茂木・麻生)」派閥が党中枢を掌握した -高橋洋一氏曰く「麻生副総裁はキングメーカーになりたいため」-

2024-02-01 | 小日向白朗学会 情報
   最近では、昼の情報番組などで「自由民主党内で派閥解消」について喧しい。しかし、その裏では、自由民主党が政権党として生き残りを掛けた大博打が進んでいるのだ。
 そもそも自由民主党が結党したのは、民意によるものではなく、アメリカの世界戦略を円滑なく実施できるようにCIAが資金と技術を提供してできたものである。その自由民主党は、アメリカの「外交と安全保障」政策をすべて飲むことが日本統治を継続するための絶対条件であった。したがって同党は「アメリカを中心とする「外交と安全保障」政策を行うことであって「国民の幸福を追求する」政策を優先する政党ではない。たとえ国民が経済的に疲弊しても「アメリカを中心とする外交と安全保障」が優先する党なのである。同党が卑屈にもアメリカに隷属してまでも日本を統治する政権与党であり続けたいと考えるには訳がある。それは、アメリカの武力を背景にして政権の座に就くことにより、日本国と云う莫大な「国家主権と云う特殊権益」が生まれるからである。
その特殊権益を運用するのが日本の省庁で、その長が内閣総理大臣なのである。したがって、極端な話、各省庁も「国民の為」ではなく「アメリカの為」の政策を行う方が優先する。その典型な例として、日本政府は「海上保安」をアメリカの指揮下に置くことを進めようとしたが、所轄する国交省大臣が「憲法」により拒否した。これに強い不満を述べたのが麻生太郎副総裁であった。麻生太郎副総裁の不満とは、国交大臣が所属する政党が連立与党を組む公明党であって、自由民主党の存亡を握る「アメリカの為の外交と安全保障」政策に連立政権を組んでいる公明党が盾突くことが許せなかった。麻生太郎副総裁にしてみれば「誰のおかげで与党に入れるのだ」という公明党に対する恫喝なのだ。
 麻生副総裁にとって、自由民主党の存続は「アメリカの為の外交と安全保障」政策を実施することで日本統治を許されているのに、その政策に盾突くことは自分の足元を否定することに等しい。その行き着く先は自由民主党が政権の座を失うと「国家主権と云う特殊権益」も失う事になるからである。それが武器輸出に慎重な公明党に対して自由民主党内で「国益のために連立解消してでも進めるべきだ」といった強硬論が出て来る背景でもある。
ところで「国家主権と云う莫大な特殊権益」を手中にした自由民主党は、どのような運用をおこなったかと云えば、各省庁が持つ「許認可権」という方法を利用した。ここからが外交問題を国内問題に移行してゆく手続きと利権を換金する方法になる。
 政権を握った自由民主党は、各省庁の統括責任者として内閣総理大臣を指名し、次いで、各省庁の大臣を自党の代議士で独占する。
その各省庁には、日本国内で独占的な利権により安定的な利益を確保したい企業や業界団体が許認可を求める。業界団体は、各省庁大臣が省庁の殺傷与奪を握っていることを利用して頼ったのが派閥であった。
 そして、派閥の斡旋で所轄省庁から許認可された利益を獲得した協賛企業や団体は、業界団体を通じて自由民主党が求める政治資金と国政選挙に協力することになる。このシステムが戦後日本の経済と政治の関係なのである。
 その典型が日本経団連と日本政府との関係である。日本政府は、経団連に「協賛金と票の取りまとめ」を依頼する代わりに、見返りとして企業減税や消費税還付を実施してきた。その金額は莫大で、政府が徴収した消費税26兆円の内25.4%に当たる約7兆円が輸出大企業に還付していたのだ。経団連としては、僅かな献金を行った見返りに莫大な利益を獲得できるという実に「コストパフォーマンス」のよい投資なのである。そのため自由民主党の「金と利権」問題は、結党以来、同党の根本的な構造であって、派閥を解消したところで政権与党である自由民主党と各省庁の関係は、行政の長である内閣総理大臣を「アメリカの為の外交と安全保障」政策を放棄した政党から選出しない限り何ら変わらない。自由民主党中枢の本心は「日本の国家主権」をアメリカに売渡す代わりに手に入れた「日本の統治権」すなわち「国家主権と云う特殊権益」を手放すことにならない限り、省庁利権の統廃合や派閥解消等、なんでも構わないのである。これは宗主国アメリカの考え方とも一致していてアメリカが持つ日本国の主権を脅かすことがない限り、単独政党であっても連立政党であっても、どちらでも構わないことなのだ。
 以上の点を踏まえたうえで派閥解消の意味はなにかといえば、それは、政府の失策により国民の不満が増大することに対する捌け口にしかならない。また、自由民主党が派閥を解体したことで困るのは官僚なのである。彼ら官僚は政権与党を上目遣いに眺めていることから、独自の判断はできないし、しないため、早晩、派閥の復活を望むようになるだけなのである。
 ところで「昼の情報番組」や「池■」のニュース解説番組で、派閥解消をもっともらしく解説するテレビ番組が大賑わいするなかで、注目すべき記事が配信された。2024年1月27日、日本経済新聞「麻生派存続を明言 麻生氏「政策集団で期待応える」である。
『……
自民党の麻生太郎副総裁は27日の福岡県飯塚市での国政報告会で、自身が率いる麻生派(志公会)を政策集団として存続させる意向を表明した。「政策集団として皆さんの期待に一層応えられるよう頑張っていく」と述べた。
派閥の政治資金パーティー裏金事件後、自民内の6派閥のうち存続を明言した会長は麻生氏が初めて。自民の政治刷新本部がまとめた中間報告は、派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した。
麻生氏は国政報告会で「役人任せではなく従来以上に政策を勉強し、新しい制度や法案を策定していく。国民の負託に応えることが信頼回復に向けた唯一の方策だ」と強調した。
麻生派は26日に所属全議員を対象にした会合を開き、麻生氏に派閥の存廃を一任する方針を決めていた。裏金事件で会計責任者らが立件された安倍、岸田、二階の3派に加え、立件されていない森山派も解散を決定した。
茂木派会長の茂木敏充幹事長は政策集団として存続させたい考えだが、小渕優子選対委員長は退会届を提出して受理され、関口昌一参院議員会長らも離脱を表明した。麻生派でも、岩屋毅元防衛相が退会する意向を明らかにしている。
……』
 この記事の中で派閥に関して注目すべき箇所がある。それは麻生副総裁が「派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した」と、述べたことである。麻生副総裁は、過日(2024年1月10日)、訪米し「(台湾海峡有事は)日本の存立危機事態だと日本政府が判断をする可能性が極めて大きい」とともに「日本は中国の台湾侵攻時に集団的自衛権を発動する可能性が高い」と発言している[i]。これは、自由民主党がアメリカの軍事抑止力を基盤とした安全保障政策を行ってきたことに、さらに「防衛三文書」でその地域を台湾有事まで広げたことを強調する国内向けのものであった。
 ところが、この日米同盟を基盤とした日本の安全保障政策は昨年(2023年)に破綻してしまった。
 その経緯は、バイデン政権が中国敵視政策を開始したことで日本も新安全保障政策として「防衛三文書」決定し、仮想敵国を「中国・北朝鮮・ロシア」とし積極的な防衛力整備を開始した。ところが、アメリカによる中国敵視政策は、アメリカの予想に反した動きをすることになった。それは中国がロシアと軍事関係を強化する動きに出たのだ。世界に存在する核兵器数は、米ロでバランスしていたが、中国がロシアと軍事的な繋がりを強めたことからアメリカと中国及びロシアと変化し、アメリカのそれより中国及びロシアが優位となってしまった。慌てたアメリカは、キッシンジャーを中心として中国と関係改善に動きだすことになった。そして、ついにアメリカは「一つの中国」政策を再確認することになった。これで中国が台湾に侵攻してもアメリカ軍は核攻撃も含む武力をもって介入しないことを中国に約束した。このアメリカが安全保障政策を激変させたことで、日本は、アメリカの抑止力を基盤として仮想敵国に対峙する戦略の根本が消失することになった。つまり「防衛三文書」という安全保障政策は、欠陥があるどころの話ではなく、使い物のならないものなのである。さらに始末の悪いことに日本政府は、声高に財政破綻を喧伝して緊縮財政を進めてかき集めた費用を防衛費に集中的に使うだけでなく、不足分を増税で手当てしてきた。それが令和の「五公五民」とい大悪政政策となってしまった。常識的には、根拠のない予算は執行を停止し、再度、「防衛三文書」の検討からやり直すべきものである。ところが日本政府は、このことは一切触れず唯々「安全保障が危機に瀕している」という、これまでのフレーズを続けていて「日米同盟」が使い物にならない代物だとは決して云わないもしも、日米同盟の本質について論議となった場合には成り立ちから始まり、71年の長きにわたり国民を騙し続けたことが白日のものとに晒されることとなる。それは日本の国家主権をアメリカに売渡したことで日本の国家主権と云う特殊権益を握ってきた自由民主党の本質が暴露されて、国民からもアメリカからも見放されることになってしまう。ここでアメリカとしたのは、日本の国家主権と上納金をアメリカに提供できない政党は不要なのである。日本政府が実施してきた安全保障政策が大失敗となったことから自由民主党の政策責任とともに存在意義も問われることなって、つぎの国政選挙では政権の座をうしなう可能性が生まれた。このことを最も熟知しているのが麻生太郎副総裁なのである。麻生副総裁は財務省、外務省、防衛省を束ねて開始した新安全保障政策「防衛三文書」を推進した中心人物なのである。したがって、現在の「外交防衛」は麻生太郎副総裁の専権事項であるとともに麻生派の派閥利権なのである。そのため上述の新聞記事にある麻生副総裁の「派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した」とは「外交防衛」利権はこれまで通り麻生派と茂木派が派閥を解散せずに政策集団として取り仕切ることを宣言したのだ。これは麻生派と茂木派の政策集団が「党中党」となったのだ。この現象を計量経済学者で元財務官僚であった高橋洋一氏は「952回 派閥解散してもすぐ復活!麻生キングメーカーへの道」であると表現している。まさに、その通りなのである。
 ところで次期国政選挙には出馬しないことを宣言している麻生副総裁が、何故にここまで強引に派閥を存続させてのかであるが、それは自由民主党の賞味期限が切れていて政権つまり「特殊権益」を維持することが難しくなっているからである。そのため麻生副総裁は、国民が政府の安全保障政策が失敗していることに覚醒する前に、自党の議員に「宗主国アメリカが望む安全保障」政策で利害が一致する野党を加えて防衛予算を強行突破する心算でいるのだ。その後は、自由民主党単独か、与野党連立かは、どちらででもよく、要は「宗主国アメリカが望む安全保障」を絶対条件として合従連衡する数合わせなのである。
つまり使い物にならない「防衛三文書」を日本の安全保障であると虚言を弄する自由民主党に追随する公明党、日本維新の会、立憲民主党執行部、国民民主党、教育無償化を実現する会は、同じ穴のムジナなのであある。

 日本の政局から世界情勢を覗くような間抜けな方法は、自由民主党を存続させることに協力しているだけで、早晩破綻する。
宗主国アメリカにとって属国日本の派閥など本質的な問題ではない。要は、アンリかが持つ特殊権威を現状通り維持継続してくれるならば、政権は単独政権でも連立政権でもよいし、首班は、茂木敏充氏であろうが前原誠司氏でも野田佳彦氏でも泉健太氏でも誰でもよいのだ。いい加減に、日本が世界情勢を動かしているという幼稚な思い込みはやめるべきである。(以上:近藤雄三)

【参考】
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