小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

フランシスコ教皇様。どうしてウクライナとロシアに「和平テーブルに着くよう」に申されなかったのでしょうか?

2023-09-30 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月25日、CNNから『武器供与の保留でウクライナ人が「殉教者」に ローマ教皇』とする衝撃の記事が配信された。
『……
(CNN)ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、ウクライナへの武器供与を保留することでウクライナの人々が「殉教者」となると述べた。
フランシスコ教皇は23日、記者団に対し、2日間の仏マルセイユ訪問を終えてローマに戻る機内で語った。
フランシスコ教皇は、「今、一部の国が前言を取り消し、武器を供与しないことを目の当たりにしている。殉教者がウクライナ国民となる過程が始まっており、これはひどいことだ」と述べた。
フランシスコ教皇はまた、各国がウクライナに対して武器を供与しながら、それを奪うという「矛盾」について言及し、そのことでウクライナの人々が「殉教者」のままとなっていると述べた。フランシスコ教皇によれば、武器を売買する人々は自分の選択の結果について報いを受けることは決してないが、ウクライナの人々のような殉教者がその報いを受けるという。
ウクライナ産穀物の一時的な禁輸措置をめぐりポーランドとウクライナの対立が深まったことで、ポーランドがウクライナに対する武器の供与を停止する決断を下したが、フランシスコ教皇はこのことに言及した可能性がある。
バチカンの報道官は教皇の発言について説明を求められた際、フランシスコ教皇は各国がウクライナに武器を供与し続けるべきか、あるいはやめるべきかについて、一定の立場を示しているものではないと指摘。報道官は、フランシスコ教皇の発言はむしろ、軍需産業がもたらした結果についての考えだと説明した。
……』
 世界は、そして、世界の歴史はキリスト教を抜きには一言も語ることができないのは常識であろう。ルターやカルヴァンなどの血みどろな宗教改革までに戻らずとも、ある時はマフィアや国際金融勢力、CIA等々との絡みから殺人・暗殺などを含むスキャンダルが、ある時は聖職者の性的醜聞等々が縷々語られてきた経緯があるのにもかかわらず、小国バチカン市国の威厳は保たれつづけている。そしてそのトップ、それがカトリック教会の最高位であり、国の元首でもある教皇フランシスコである。その発言は一言一句がリリースされて、世界に少なからず影響を与え続けているのも事実である。
 その方が、なぜにウクライナとロシアの間で繰り広げられている殺し合いを止めようとはしないで、むしろ逆に、「もっともっと殺し合い続けなさい!」とでもいうようなことをおっしゃるのでしょうか。なぜ、ウクライナとロシアの両方に対して、テーブルにつきなさい、とは言われないのでしょうか。武器供与を止めるというポーランドを諫めるようなことを言われるのでしょうか。「殉教者になる」とは、要は「人が殺されること」にほかなりません。ポーランドに対して、いや、その他の周辺国に対してもウクライナにできるだけ武器を供与し続けなさい、と言いたいのでしょうか。そして、殺し合いを持続しなさいとでも言いたいのでしょうか。やはり、十字架に架けられて惨殺されたキリストは嫉妬深い神ヤハウェのDNAを引き継ぎ復讐に燃え、正義の鉄剣を振るい続けているのでしょうか。それとも、人知の築き上げたバベルの塔への恨みを晴らし続けたいのでしょうか。神の子キリストは自然死した人の子釈迦とは異なり、絶対精神であり続けるために慈悲寛容の心には見向きもしないのでしょうか。
 一番言わなければならないのは「一つのテーブルにつきなさい。」ということのほかにはないのではないか、そんな風に凡俗の私には思えるのである。

 確かに、この教皇の発言について、バチカン報道官は「フランシスコ教皇は各国がウクライナに武器を供与し続けるべきか、あるいはやめるべきかについて、一定の立場を示しているものではない」としている。ならば、「周辺国はウクライナに武器を供与する代わりに講和の道を探るように」と言明されるべきではないでしょうか。さらに不思議なのは「軍需産業がもたらした結果についての考えだ」ということですが、ウクライナ戦争で最も莫大な利益をむさぼっているのは、軍需産業そのものであり、それこそが張本人ではありませんか。

 フランシスコ教皇は現在のウクライナの戦況を御存じでありましょうか。
2022年2月にウクライナ正規軍は20万であったところ、ウクライナ軍の累積戦死者数を約30万~35万人、戦傷者等を合わせた損耗は約60万~80万人に達したと見積もられております。もはやウクライナ軍はこの地球上に存在しておりません。従ってウクライナの敗戦は必至であります[1]。また、これから厳寒期となるウクライナで寒厳用装備を持たないウクライナ軍は闘能力を持ちません。早晩壊滅することが予想されております。ならば、双方に対して、即座に、武器を捨てて講和の道を選ぶように申し渡されることこそが神の道ではありませんか。このままではウクライナはなくなってしまいます。
以上(文責:吉田)

[1] 2023.9.26、JB「ウクライナ反転攻勢は弾切れで頓挫、ロシア軍大攻勢で戦争終結へ

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76340。

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高市早苗内閣府特命担当大臣がいくらIAEAで吠えようと、中国による日本産水産物全面輸入禁止は解除しない -その答えは「日本が防衛三文書で中国を敵国としたから」-

2023-09-30 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月27日、読売新聞オンライン「中国原発、処理水以上に放射性物質を排出…IAEA総会で日本批判の中国に反論」と高市早苗内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)が、中国が東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出することを決定したことを理由に、日本産水産物の全面輸入禁止にしたことの反論をおこなったことを報じている。
『……
【ウィーン=森井雄一】オーストリアの首都ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)の年次総会で25日、東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を巡り、日本と中国の代表が応酬を繰り広げた。発言した約30か国の中で唯一、放出を批判した中国に対し、日本の代表は反論した。韓国やデンマークなどからは、IAEAの取り組みや日本の情報発信を支持する発言があった。
 高市科学技術相はこの日の総合討論で、中国代表の批判を「科学的根拠に基づかない」と切り捨てた。しかし、中国側は「大量の『汚染水』が30年以上、海に排出されることで、海洋環境と人間の健康にもたらされる長期的な影響は現在の科学的知見では正確に説明できない」と主張した。
 これに対し日本側は、「汚染水」ではなく「処理水」だと誤りを指摘した上で、処理水放出は国際的基準に沿っていると説明し、「IAEAや加盟国の業務に異を唱えるのは理解できない」と反論した。中国で稼働中の原発が処理水以上に放射性物質を排出している点を指摘した。
……』
 この問題に付いては「中国が日本産水産物を禁輸にしたのは日本が中国を敵国としたから!」で書いた通りである。
わざわざウィーンにまで出かけて恥の上塗りをすることはあるまい。高市早苗内閣府特命担当大臣の発言は国民向けプロパガンダ以外の何物でもない。
日本政府は、処理水を海洋放出するさいに、日本の対応を批判する国にサンプルを提供することを約束すれば済む話である。それも嫌ならば、中国政府に要員を派遣させて、納得のゆくまで計測させればよい。
 現代の戦争は総力戦である。つまり、戦争は正面兵力だけで勝敗は決まらない。特に重要なのは、相手国経済を弱体化させることである。如何なる方法で行うか。その好例は、日米開戦前の様子を確認するだけで済む。
・昭和14年7月:日米通商航海条約破棄を通告
・昭和14年12月:モラル・エンバーゴ(道義的輸出禁止令)発動。(これにより航空用ガソリン製造設備、製造権の輸出を禁止)
・昭和15年1月:日米通商航海条約失効
である。昭和14年にアメリカが発動したモラル・エンバーゴとは、アメリカの敵は日本だと宣言したことに他ならない。
 翻って、2022年末、日本は「防衛三文書」で中国を敵国と指定してしまった。これに対する中国は日本産水産物全面輸入禁止というエンバーゴで応じたのだ。日本政府が「防衛三文書」を根拠に防衛力強化を進める限り、今のところ、解決の道はない。
 日本の宗主国であり同盟国で、さらには防衛力強化を煽った張本人であるアメリカは「一つの中国」政策に回帰し、駐日大使に中国を挑発する言動をやめるように指示している。
自由民主党が、日本の国権(主権)をアメリカに売渡し生き延びてきたことから、さらに、宗主国アメリカの言いなりに中国を敵国としたことから、このような間抜けなことになっているのだ。
 中国が日本産水産物全面輸入禁止の次の手は明らかである。
そうである。現代の日本経済で唯一の明るい兆しで、且つ、GDPに強いインパクトを与える「インバウンド需要」つまり、中国人の全面渡航禁止である。
 その理由は「日本に滞在する中国国民を汚染された食品から守る」位に適当なもので充分なのだ。その発動時期であるが、WTI原油が高騰し、円安が1ドル=150円を超えてガソリン価格が史上最高価格となったときであろう。その時、日本政府は税の本質には触れない「トリガー条項」を発動するという、その場しのぎで大騒ぎになっているときであろう。これに付いては『台湾有事にアメリカ軍は参戦しない!? -どうする自由民主党!-』で記載済みである。
 ところで断っておくが筆者は中国を擁護しているわけではない。中国政府の傍若無人なさまは目に余る。特に新型コロナウイルス感染症は、世界から非難されて然るべきである。新型コロナ感染症は、武漢から広がったことは、既に常識であるとともに、中国政府も認めるところである。その中国は「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発,生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約」(CONVENTION ON THE PROHIBITION OF THE DEVELOPMENT, PRODUCTION AND STOCKPILING OF BACTERIOLOGICAL (BIOLOGICAL) AND TOXIN WEAPONS AND ON THEIR DESTRUCTION)を批准している。そのなかに次の条項がある。
『……
第五条
締約国は、この条約の目的に関連して生ずる問題又はこの条約の適用に際して生ずる問題の解決に当たって相互に協議し及び協力することを約束する。この条の規定に基づく協議及び協力は、国際連合の枠内で及び国際連合憲章に従つて、適当な国際的手続により行うことができる
……』
 つまり、新型コロナ感染症が世界に拡散したのは中国政府の対応のまずさゆえなのである。細菌兵器問題で、日本の敵国を中国とするならば、まだ筋が通る。しかし、日本政府が中国を敵国と指定したのは、日本が宗主国アメリカから莫大な量の兵器を購入できるようにするためだけである。つまり、自由民主党の利権拡大が目的で「防衛三文書」を作成し敵国を作ったのだ。本来、外交とは武力に依らず外交交渉で国際間問題を解決するというのが役割である。ところが、日本の外務省が率先して中国を敵国とするように仕向けていたわけであるから、始末が悪い。自由民主党に外交を任せるのは、そもそも間違いなのだ。

 自由民主党は、アメリカと「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」と「行政協定(日米地位協定)」を締結して日本をアメリカに売渡してことで、生き残れただけの政党なのだ。したがって、日本の宿痾である自由民主党には早期に大政奉還させる以外にない。
以上(寄稿:近藤雄三)
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自民党はいよいよ総選挙に打って出るが、いまだ、統一教会の「禊」は済んでいない!

2023-09-28 | 小日向白朗学会 情報
 自由民主党は、国民民主党がかねて主張していた「トリガー条項」を発動することを認め、総理大臣補佐官ポストと国交大臣ポストを提示して懐抱することで、莫大な軍事予算については恒久財源を大増税で確保し、併せて、憲法改正にまで踏み込むことにした。
これについては、『内閣改造をおこなった自由民主党がこれから始める増税と田舎芝居』で詳しく述べてきた。
 岸田内閣が今年中に総選挙に打って出ざるを得ない深い事情がある。
 第一に、 世界情勢から考えてみる。2024年2月ころまでにはアメリカ大統領選候補が決定する。アメリカ共和党は前評判通りドナルド・トランプ元大統領が選出されるであろう。その場合、NATO解体、朝鮮戦争終結が、再度、急浮上するとともに、ウクライナ戦争についてはロシア、ウクライナ両国が講和テーブルに着くことになる。その時、アメリカに国家主権を売飛ばし長い栄華に酔いしれていた自由民主党は、これまでの既得権益が全て瓦解する恐怖を味わうことになる。つまり2024年となったら、自由民主党は政権を維持する基盤が急速に失われていくことになる。加えて、日本も関与してしまったウクライナ戦争であるが、2022年2月に正規軍20万であったところ、ウクライナ軍の累積戦死者数を約30万~35万人、戦傷者等を合わせた損耗は約60万~80万人に達したと見積もられている。もはやウクライナ軍はこの地球上に存在しないことからウクライナの敗戦は必至である[1]。その結果、戦争犯罪を裁く国際裁判となれば、日本も被告の席に座ることになるという、まさしく、第二の敗戦を経験することになるのだ。そして、ウクライナ戦争のどさくさにまぎれ巨大な軍事利権を手にしてきた自由民主党の嘘が国民の前に明らかになる。それが2024年なのである。とても自由民主党が総選挙を行う状態ではない。
 第二に、2023年12月になったなら2024年度予算審議を開始することになる。昨年度、防衛予算の大枠は決めたものの、恒久財源は決まっていない。そのうえ防衛予算を獲得するために決定した「防衛三文書」は。その根拠が崩れてしまっていて、国会は大混乱となることは必定である。そうすると考えられるのは、2023年11月中に総選挙に打って出る以外に許される日程はないのだ。
日本維新の会は、権力におもねるだけで、とても安全保障を論議できるレベルに無く、どのみち自由民主党に追随するだけであることから、敢えて協力を要請する必要もない。そのため国民民主党と連合に閣僚ポストを提供すると提案したのだ。それを示すような記事がある。2023年9月22日、日本経済新聞『国民・玉木氏、連立入り「党所属議員に話があった」』とする記事に見ることができる。
『……
国民民主党の玉木雄一郎代表は22日放送のTBSのCS番組で、与党側から連立政権入りへのアプローチがあったと明らかにした。「我が党所属の議員に対してもいろんな話があったと報告を受けた」と述べた。
「連立は選挙が絡む話になるので簡単な話ではない」とも指摘した。玉木氏は連立政権に入る条件として①政策の一致②選挙区調整――の2点を挙げている。
元参院議員で国民民主に所属していた矢田稚子氏が首相補佐官に就任した経緯に関して「途中から知っていた」と話した。
……』
 もはや国民民主党は、政府自由民主党に取り込まれているとみるべきなのだ。また矢田稚子氏が首相補佐官に就任したのは連合が手引きしたものだ。流石、連合はCIA資金で野党分断のために準備した政党がルーツだけのことはある。やることにそつがない。
 又、玉木雄一郎国民民主党代表は、与党入りする条件は、政策が一致することだという。ならば国民民主党は、日本の主権を「行政協定(日米地位協定)」と「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」を締結することで、アメリカに売飛ばした自由民主党の政策と一致したということになる。
 つまり国民民主党も、売国政党なのだ。
桑原桑原
 自由民主党が集票マシンとして利用してきた公明党と統一教会であるが、流石に、次の総選挙では表に出せない。そこで思いついて手は、人気のある参議院議員を衆議院に鞍替えさせることである。もはや、自由民主党は参議院の議席を捨てたのだ。なりふり構わない自由民主党である。それだけ危機意識が強いということの表れでもある。
 もう一つの問題は、これまで統一教会の支援で当選してきた議員の扱いであるが、自由民主党広報で、統一教会等の関係を清算すると書かざるを得なかったのは、同党が [禊(みそぎ)は済んだ]として、再び統一教会を利用して総選挙に臨みたいからである。
  しかし『統一教会が秘蔵する「御言選集」が流出していることが確認された』でも述べた通り、自由民主党の修羅場はこれからである。下記に示したように統一教会の悪事は枚挙にいとまない。これをすべてないこととして選挙に臨むのは些か虫が良すぎるのだ。
 ジャニーズ事務所問題で出てきた「大勲位」は、統一教会問題で登場するのはこれからである。
 とてもとても、禊が済んだとするには、まだまだ、甘い。

これについては、下記の表題ですでに纏めている。(クリックで遷移)
・『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件(続き)
・『統一教会と同教会認定国会議員の巨大利権
                                       以上(寄稿:近藤雄三)

[1] 2023.9.26、JB「ウクライナ反転攻勢は弾切れで頓挫、ロシア軍大攻勢で戦争終結へ

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76340。

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麻生太副総裁が公明党を「ガン」と批判するのは、アメリカ軍が海上保安庁を利用できないから

2023-09-27 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月25日、日刊ゲンダイに『麻生太郎副総裁が公明党を「がん」呼ばわりの大暴言! 自公関係は再び決裂か?』という記事が配信された。
『……
 自民党の麻生太郎副総裁がまた言いたい放題──。
  麻生氏が福岡で講演し、GDP比2%への防衛費倍増や反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決めた岸田首相について「誠実そうに、リベラルそうに見える顔が世のなかに受けている」と“麻生節”で評価したと、24日、テレビ朝日が報じたのだが、驚いたのは発言の具体的な中身だ。
敵基地攻撃能力の保有を専守防衛に反するとしていた公明党に認めさせたというくだりで、こう言い放ったのだ。
 公明党の山口代表、石井幹事長、北側副代表の3人に加え、支持母体の創価学会の名前を出したうえで、「がん」呼ばわりしたのである。
 「麻生さんの公明ギライは公然の秘密みたいなものではありますが、名指しで『がん』とは、ちょっと放言が過ぎる。せっかく東京で、地に落ちた自公の関係を修復したばかりなのに……」(公明党関係者)
……』
 この記事に「敵基地攻撃能力」というキーワードがあることから、麻生太郎は、公明党の安全保障問題に対する対応を批判していることが読み取れる。これまで、すべて自由民主党の要求を丸呑みすることで政権の一翼を占めてきた公明党である。どこに、麻生太郎副総裁を激怒させるほどの問題があったのか。
 実は、重要な問題があるのだ。それは昨年末、自由民主党が立ち上げた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」を注意深く読み解く解くことで見えてくる。
 同有識者会議は「防衛三文書」を提言した会議である。
令和4(2022)年10月20日、同有識者会議は第二回を開催している。その中で海上保安庁は「空港・港湾における自衛隊の利用状況及び安全保障における海上保安庁の役割」とする資料を提出している。
『……
○海上保安庁は、現行法に基づき、尖閣領海警備等を適切に実施。武力紛争への発展を回避する観点からも、我が国安全保障において重要な役割を担う。
○新たな国家安全保障戦略の策定に併せて、海上保安体制をより一層強化するとともに、関係機関との連携強化を図ることが重要。
……』
具体的には次の二点を挙げている。
『……
・平成28年に関係閣僚会議で決定した「海上保安体制強化に関する方針」に基づき、巡視船・航空機の増強等の体制強化を推進
・自衛隊等の関係機関との連携を一層強化
・外国海上保安機関との連携・諸外国への能力向上支援を推進
……』
とある。同有識者会議で国交省が所管する海上保安庁を行政協定の定めに従い緊急時にはアメリカ軍の揮下に置かれていることを、言葉を選びながらではあるが認めている。
 次いで、令和4年11月9日、同有識者会議第三回で識者会議として論点を整理するために開催された。その会議で海上保安庁関係者として佐藤雄二元海上保安庁長官が「佐藤元海上保安庁長官提出資料」とする資料を提出している。
『……
2 海上保安庁の能力強化の必要性について
○ 我が国の基本的価値観の一つである「法の支配」、その担い手である海上保安庁は、戦後、海上法執行機関として創設され、海上で発生した様々な国際問題に対し、一貫して法に基づき冷静かつ適切に対処することにより、事態をエスカレートさせることなく、平和的に収めてきた歴史と実績(海上法執行機関の重要性と安全保障上の抑止力としての機能)
○ 現在も、尖閣諸島をはじめ、北方四島、日本海大和堆、竹島などの海域において日夜、外国の公船、調査船、漁船等と対峙。平時における「平和の盾」として、最前線で活動
……』
 直ぐにお気づきであろう。佐藤も「法の支配」を海上保安庁の能力強化を強化する根拠の一つにあげているのだ。
 ところで、このように資料を提出する佐藤の肩書が、前職となっている。有識者会議を開催したときに参考資料を提出したのは国交省であった。しかし、第三回会議に参考資料を提出したのは国交省ではなく個人意見なのである。
では、いかなる理由で、国交省の意見として提出しなかったのだろうか。その理由は、会議の前日2022/11/8、産経新聞『非軍事性「重要な規定」 国交相、海保法25条めぐり』とする記事で疑問が氷解する。
「……
斉藤鉄夫国土交通相は8日の閣議後記者会見で、海上保安庁が軍隊として活動することを否定している海上保安庁法25条に関し「警察機関である海保が非軍事的性格を保つことを明確化したものだ」と指摘した。
沖縄県・尖閣諸島の領海警備に触れ「法にのっとり、事態をエスカレートさせずに業務を遂行する重要な規定だ」とも述べた。
外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など防衛三文書議論では、自民党から25条撤廃の主張が出ている。斉藤氏はこれまでの国会答弁でも同様の認識を示してきた。
……』
ここで云う海上保安庁法二五条とは次のようなものである。
『……
第二十五条この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。
……』
 やはり海上保安庁を所轄する国交省と元長官では意見が割れていたのだ。これで外務省が開催した有識者会議では、海上保安庁に関しては「海上保安法第25条」を廃止して有事の際に戦力としてアメリカ軍指揮下に提供するため国内法を改定しようとしていたのだ。
したがって有識者会議は、日本の有事とは無関係に自衛隊と海上保安庁をアメリカ軍に「ご自由にお使いください」と提供するように政府に提言することだったのだ。
 海上保安庁保法第25条を廃止するという議論はいつ頃から始まったのか調べてみた。同協定の交渉記録は、アジア歴史資料センターに『日米行政協定締結交渉関係 第1巻』内に『交渉経緯/(1)第一次日米交渉における行政協定案 昭和26年2月』(Ref.B22010299700)として残されている。交渉記録の作成開始時期が昭和26年2月とあることから、同協定が講和条約と旧日米安保及び1950(昭和25)年に始まった朝鮮戦争と密接な関係にあることが伺い知ることができる。それら記録のなかに「集団的防衛措置」とする章がある。
『……
第四章 集団的防衛措置
(一)日本国域内で、敵対行為又は敵対行為の緊迫した危険が生じたときは、日本国地域にある全合衆国軍隊、警察予備隊及び軍事的能力を有する他のすべての日本国の組織は、日本国政府と協議の上合衆国政府によって、指名される最高司令官の統一的指揮の下に置かれる
……』
 警察予備隊(自衛隊)及び「軍事的能力を有する他のすべての日本国の組織」つまり海上保安庁は、緊急時にはアメリカ軍の指揮下に入ることになって、その戦域は極東なのである。この条項は、その後、整理されて第24条としてまとめられた。
『……
第二十四条
日本区域において敵対行為または敵対行為の急迫した脅威が生じた場合には、日本国政府及び合衆国政府は、日本区域の防衛のため必要な共同措置をとり、かつ安全保障条約第一条の目的を遂行するため直ちに協議しなければならない。
……』
 以上のことから、公明党が自由民主党補完勢力であることと引換えに獲得してきた国交大臣のポストが、こともあろうに自由民主党が存続をかけて進めている安全保障政策に反対していたのだ。これが麻生太郎をして激怒させた最大の原因なのである。
 そして自由民主党は、つぎの総選挙では公明党との連立を解消し「トリガー条項」の発動と「大臣ポスト」を釣り餌として国民民主党と連立を組んで、日本の国権をアメリカに売渡す総仕上げをおこなおうとしたのだ。当然、自由民主党が組閣する場合に、国交大臣のポストには「防衛三文書」を自画自賛していた元国交大臣前原誠司ということになる[1]。前原は、自由民主党が日本の国権を売渡したことから、国民が塗炭の苦しみを味わっていようと、自身の政治思想が重要だとかんがえ、平気で仲間を裏切ることを厭わない、ナルシスト、つまり「自己陶酔」や「自惚れ」の強い幼稚な政治家なのだ。
いよいよ、自由民主党は、自党のレーゾンデートルを求めて乾坤一擲の最終戦に臨もうとしているのだろう。
 尚、海上保安庁問題は『日本の安全保障に関する情報戦(プロパガンダ)(第二回) ―日本政府は自衛隊の次は海上保安庁を売り飛ばす―』(クリックで遷移)でその詳細を確認願いたい。
以上(寄稿:近藤雄三)

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自由民主党という売国政党を支える売国官僚たち

2023-09-24 | 小日向白朗学会 情報
 筆者はこれまで、自由民主党がアメリカと「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」と「行政協定(日米地位協定)」を締結したことで、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡してきたことを書いてきた。アメリカは、日本を冷戦という世界戦略の極東部分として保持し続けるため、二つの協定を締結した政権、つまり、自由民主党に政権を維持させることに決めた。それは、日本がアメリカと締結した協定が国会承認を必要とする条約と違い、アメリカと当時の政権が決めたことであるため、もしも政権が交代すると締結した協定の破棄や改定を求めてくる可能性があった。そうした懸念を払しょくするためにアメリカは、世界戦略の極東部分の要である日本政府に対して完全なフリーハンドを保持しようとした。自由民主党以外の政権が生まれることを極度に恐れたために、様々な分野(メディア、野党、労働組合)に介入して自由民主党を支え政権を維持させてきた。これが、自由民主党をして長期政権維持を可能にした源泉である。
 ここに、もう一つ重要な要因がある。それは日本の国家主権を売渡す政策を支援する外務及び防衛官僚が存在することである。その好例をあげる。
平成平成二八年二月二九日、初鹿明博が衆議院に「普天間移設問題に関して鳩山元総理への説明のため作成された文書に関する質問主意書」を提出している。
『……
普天間移設問題に関して鳩山元総理への説明のため作成された文書に関する質問主意書

 
 鳩山由紀夫元総理は、本年二月四日に行われた「鳩山元総理が明かす『辺野古新基地』の真相」と題した講演会で、普天間飛行場の県外移設に関して、平成二十二年四月十九日に、当時の外務省の担当者から「普天間移設問題に関する米側からの説明」との題名で、「極秘」というスタンプのついた文書で説明を受けていたことを明らかにしています。
 この文書は平成二十二年四月十九日付けで、冒頭、「在京米大で行われた標記米側説明の概要は以下のとおり」と記載され、米側がウィルツィー在日米軍J5部長、ヤング在京米大安保課長、日本側が須川内閣官房専門調査員、船越外務省日米安保条約課長、芹澤防衛省日米防衛協力課長が出席者として明記されています。
 本文には、普天間飛行場を徳之島へ移設することが難しい理由が記されていますが、その中に、徳之島までの距離が遠く、「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として米軍のマニュアルに明記されている「六十五海里(約百二十キロメートル)」を大きく超えているとの記載があります。
  上記の点を踏まえて、以下、政府に質問します。
一 この文書(平成二十二年四月十九日付け、「普天間移設問題に関する米側からの説明」)は存在するのか。また、政府文書として確認したのか。
二 平成二十二年四月十九日に、米側からウィルツィー在日米軍J5部長、ヤング在京米大安保課長、日本側から須川内閣官房専門調査員船越外務省日米安保条約課長芹澤防衛省日米防衛協力課長が出席し、協議を行ったのは事実か。
 三 「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として「六十五海里」という基準が、米国のマニュアルに明記されているのは事実か。
 右質問する。
……』
 つまり、趣意書で名指しされた官僚は、鳩山内閣が進めるアメリカ軍を沖縄県外に移転するのは「恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として「六十五海里」とするマニュアルが存在するため不可能であるとアメリカ軍から言い渡されたというのだ。
 その後、そのようなマニュアルが存在しないことが明らかになっている。つまり、当時、鳩総理大臣に説明した外務官僚は、幻の資料で県外移転をつぶしたのだ 
 彼ら官僚の経歴は「日米安全保障条約課日米地位協定室長」、「北米局日米安全保障条約課長」、「内閣官房内閣参事官〔国家安全保障局〕」、「内閣総理大臣秘書官(安倍晋三内閣総理大臣)」を歴任している。更には「故安倍晋三国葬葬儀実行幹事会幹事」まで務めていることから彼らの立ち位置は明らかで、売国政権を支える売国官僚なのだ。
自由民主党を下野させるとともに、売国官僚を一掃してしまうことは、全ての国会議員の責務なのだ。
 尚、外務省北米局は次のような組織となっている。

米第一課
アメリカ、カナダに関する総合的な外交政策
米国、カナダ
北米第二課
アメリカ、カナダの経済に関する外交政策
日米経済、日加経済
日米安全保障条約課
日米安全保障条約などに関する外交政策
日米安全保障体制
日米地位協定室
日本に駐留する米軍などの取り扱いに関する事務
日米地位協定
以上(寄稿:近藤雄三)

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小日向白朗の季節が熟してきている

2023-09-24 | 小日向白朗学会 情報
 【薩長天下が勘違いの始まり=維新という大きな誤解】
小日向白朗学会が預かっている大野芳文庫のなかに、あの東京裁判で弁護士を務めた法学者、瀧川政次郎の「東洋史上より見た日本人の歴史」の一部のコピーがある。その中の第十二章維新時代(下)第三節明治政府の成立の項中に次の一文がある。
≪わが国が国際法上の一独立国として欧米各国と伍してゆくためには、封建の制を廃して強力なる中央集権を行わなければならないという思想は、西洋事情に通じた識者が共通に懐いていた思想であって、小栗上野介(忠順)は、まず長洲を征して毛利侯の封を収め、その他を郡県とする意図を勝麟太郎に漏らしている。木戸孝允は、全国の土地人民を朝廷に帰せしめるにあらざれば、新政府樹立の意義なしとし、慶応四年二月、版籍奉還の議を三条・岩倉に献じ、明治二年正月、大久保利通と謀り、薩長両藩主に説いて版籍を朝廷に奉還せしめた。ここにおいて諸藩主のこれに倣うもの多く、同年六月には、いまだ版籍の奉還を請わざる三十余藩の藩主に命じて版籍を奉還せしめ、旧藩主を任じて中央政府の潘知事とした。このことは、大化の改新の際に国造の地を収公して、国造を新政府の郡司に任じたことと酷似している。≫
 こうして廃藩置県へとつないでいき、全国諸藩の連合政権から専制政権へと脱皮、一応のスタートを切ったのが明治政権だ。しかしその実態は、「薩長藩閥政府を作ることによって、慶喜が自ら進んで放棄した権力を、天皇の名にかくれて詐取したに過ぎないのである。彼らの眼中には、天皇もなく、國もなく、人民もなかった。あるものは、ただ自ら天下を取ろうとする陋劣な野心のみであった。」(蜷川新「維新正観・明治維新と称する破壊活動」より)・・・と喝破される。
 その通りだと思う。その時に大きな間違いを犯しているのだ。日本船の向かう未来はいったいどんなものなのか。まさかの「植民地」、主権を喪失したパペット国家だとでも‥‥。
 明治維新とは実はイギリスとフランスの代理戦争に過ぎない、との識者の声もある。幕府についたフランスはスペイン王位継承問題がこじれてプロイセンの脅威を意識、普仏戦争にのめり込んでいかざるを得ない中で、極東のことはちょいと手薄にならざるを得なかったのだろう。こうしてイギリスの勢いが極東を襲う。英外交官といえばアーネスト・サトウが著名だが、アロー号事件でも明治維新でもハリー・パークスの外交というか諜報というか、彼の活躍振りは特記されるだろう。イギリスはアロー号事件でさらに権益をゲットしたが、ロシア南下を懸念、日本という傭兵部隊を育成しておきたい事情があった。時まさに南アフリカでは金、ダイヤモンドという宝物が発見されて、喉から手が出るほどどうしても手に入れたいという欲望に駆られたという事情もある。薩長をヨイショして手懐けることによって、心おきなくボーアの戦争に突っ込んでいくのである。
 こうした経緯を経て、主権国家・日本が新しいスタートを切った。而してその実態は、イギリスというプロデューサーが巧妙に作り上げたパペットなのである。悲しいスタートではないだろうか。家康の国家理念のもとに元禄文化を謳歌したあの頃のほうが良かった、と思うのは私だけだろうか。その証拠に、日清戦争から日英同盟、そして日露戦争へと、鎖国の時代とは異次元の戦争の時代へと引きずりこまれていくのである。イギリス帝国主義のやり方を見せつけられた明治の元勲たちはマネをせざるを得なかったというか、「大陸」という異国を甘い蜜と勘違いし始めるのである。「だって、あの大先進国のイギリスがやっているじゃないか…世界のあちらこちらで」、というわけだ。昭和初頭の満州幻想である。
 こうして間違い・勘違い・錯覚は泥沼化し、傷は深く深く浸透し始めていく。考えてみれば当然のことかもしれない。異国も主権を持つ一国家であるという単純なことさえ認識できないまま大国イギリスの見よう見まねで膨張路線を突っ走ろうとしていたのだから、自国の主権の認識までもが疎かになったとしても、言わずもがな、ということだ。

【白朗の主権認識と対立する自民党の売国体質】
 1971年、昭和46年7月号の経済誌「富士ジャーナル」に「台湾解決でアメリカに招かれた元馬賊王  講和で売渡した密約で縛られる日本」という記事がある。その中では小日向白朗は「・・・・講和条約を結んだ時に、吉田さんは日本の航空権、国防権、電波権を売り渡し、その自由使用をアメリカに認める特別覚書きを密かに入れているんだ。」と述べている。さらに「・・・・だから、憲法も安保条約も、実は見せかけにすぎないんで、日本をしばっているのは、この密約なんだよ。・・・・」とも言っている。この密約こそが戦後一貫して今もなお、日本から主権を掠め取っている元凶なのである。主権を盗まれている状態とは、すなわち植民地であるということだ。れいわ新選組の山本太郎氏が令和5年3月23日第211回国会参議院予算委員会において岸田総理に対して「総理、日本はアメリカの植民地ですか。」と質問したのは、このことを指しているのである。
 参考までに「売国」っていうものの一例を見ておこう。池田知隆氏の著「謀略の影法師」の第十二章国際情勢を見つめての中に「密談の場に乗り込む」というエピソードが紹介されている。有馬温泉の池之坊満月城という旅館での密議の場に白朗と合気道で有名な植芝盛平氏とその嫡男吉祥丸氏が乗り込んだのだ。中では竹島をどう料理しようかと売国犯たちが韓国側要人と密談していたのである。同書では「・・・・岸信介と児玉誉士夫、その両脇に三浦義一と矢次一夫。向かい合って韓国人らしい者が三、四人いた。」 そして白朗曰く「・・・・何の相談か!竹島のことでなにやら企んでいるならば、ここから帰すわけにはいかん。」と大声を出した。岸らはすぐに立ち上がり逃げるように部屋を出ていったということである。そう、売国犯という輩は結構中枢にいるのである。維新の時の野望に満ちた薩長のDNA、天皇も国も人民も全く眼中になく天下への陋劣な野望のみに取り憑かれたDNAを多少とも継承しているのではないだろうか。御用盗事件でさらした西郷のテロ体質こそがまさに売国体質の素のようなものであろう。このことは銘記すべきことである。普通ならば、「お偉いさんの会談ね、私にゃー関係ないや」とスルーするところだろうが、白朗は許すことができなかったということだ。岸、賀屋、佐藤などという自民党主流の台湾ロビーとの対決も辞さず、白朗なりの方法で対処していた、のだと思っている。
 私にとって小日向白朗とは一つの方法を示してくれる灯台のようなものである。アジアの平和に敵対する者たちを、あるいは売国の輩がうごめく暗闇をサーチライトのように照らし出してくれるのである。彼らに対してどう対峙したらよいのか、それこそが小日向白朗の遺志であり、小日向白朗学会のテーマであると思っている。そして、今まさに白朗の季節が巡ってきていると感じる。(文責:吉田)
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中国が日本産水産物を禁輸にしたのは日本が中国を敵国としたから!

2023-09-23 | 小日向白朗学会 情報
 中国は、2023年8月24日、日本政府が、東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出することを決定したことを理由に、日本産水産物の全面輸入禁止に踏み切った。この中国の対応に付いて日本国内では強い反発を招いた。日本政府は直ちに全面撤廃を要求した。その様子は、2023年8月25日、NHKが『中国 日本の水産物輸入全面停止「即時撤廃求める」西村経産相』とするニュースを配信している。
『……
東京電力福島第一原発にたまる処理水の放出をめぐって、中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止すると発表したことについて、西村経済産業大臣は、「根拠のない規制などの即時撤廃を強く求めていく」と述べ、輸入規制の即時撤廃を求めていく考えを強調しました。
東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めたうえで海への放出が始まったことを受けて、中国の税関当局は24日、日本を原産地とする水産物の輸入を全面的に停止すると発表しました。
 これについて西村経済産業大臣は、25日の閣議のあとの記者会見で「中国政府による決定はわが国として断じて受け入れられるものではない」と述べ、中国側の対応を批判しました。
  そのうえで、西村大臣は「きょう夕方から、きのう、採取した水質のデータも出てくるので、そうしたデータを毎日公表していく。われわれは科学的根拠に基づいて行動しているので、根拠のない規制などの即時撤廃を政府一丸となって強く求めていく」と述べ、中国に対して輸入規制の即時撤廃を求めていく考えを強調しました。
……』
 一見したところ、日本政府の主張が正しいように見える。ところで、よく考えてみて頂きたい。日本政府は、2022年末に新たな安全保障政策を策定している。いわゆる「防衛三文書」(「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」)である。そのうちの一つ「国家安全保障戦略」は国家戦略を確定する最も重要な文書である。
 同文書の中で「自由、民主主義、基本的人権、法の支配等の普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を擁護。特にインド太平洋地域で自由で開かれた国際秩序を維持・発展。」と、日本の安全保障は、インド太平洋地域で国際秩序を維持発展させるために軍事力行使もありうると言い出した。
 さらに「国家防衛戦略」で、日本政府は、日本の仮想敵国が中国、北朝鮮、ロシアであると宣言した。そして、日本は、この三国に対して、防衛体制の強化、日米同盟による抑止及び対処力(アメリカの核と打撃力)、同志国連携(朝鮮派遣国連軍の枠組み)により「国民の命と平和な暮らし、そして、我が国の領土・領空・領海を断固として守り抜く」ことにした。その費用として2023年から2027年の四年間で四三兆円を充てることにした。
 つまり、日本は中国を敵国と認定し、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」という日本と共通の価値を有する台湾が中国による侵攻を受けた場合に、日本としても国際秩序を維持する目的で台湾防衛に協力することにした。
ところで、日本と中国は、1972年9月に日中共同声明で、「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」、「日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」を声明して国交樹立した。その結果、日本政府は、台湾を統治する中華民国とは国交を断絶することとなった。然るに、日本は国交のない台湾が有事になった場合に、国際秩序を維持する目的でアメリカ軍と共同して正式な国交のある国の紛争に介入すると言い出したのだ。言い出しただけではなく反撃兵器まで準備を開始したのだ。日本と中国の間に問題がある場合は、外交により解決することを約束しあっているにも拘らず、武力行使を前提に問題解決に当ろうとしているのだ。日本政府の大失策なのである。さらに悪いことに日本の安全保障は、日米安保条約を敵対する国に対する抑止と対処能力としてきた。ところが、アメリカは、既に中国と妥協が成立し、台湾有事には介入しないことになってしまった。
 それまで、日本政府は、横暴な中国を懲らしめてやるという安全保障政策を策定し、やる気満々でいたところ、当のアメリカは、既に影も形も見えないほど日本外交方針から距離を置いてしまった。
 間抜けな日本政府である。
 中国政府は、米中が直接対決をすることを避けることに成功したことから、いきり立って、こぶしを振り上げる日本政府に「本当にやるのか!」と一瞥して放った一矢が「日本の水産物輸入全面停止」なのである。現代戦は、総合戦である。敵対する相手国の経済を破壊することも、ある意味で当たり前である。
 日本政府は、中国を仮想敵国としたことの影響を何ら考慮していなかったのである。そのため狼狽し、自由民主党の長老を中国に派遣するとまで言いだす始末となった。
 なんと幼稚な安全保障政策であることか。
 日露戦争開戦前の日本政府は、米の買い付けを専門業者に任せないで密かに買い集めたり、お札を増刷するため輪転機を購入したりと、諸事万端抜かりなく準備をしたものであるが、今次の中国の一矢は、想定外だったのである。
それを「日本の水産物輸入全面停止」は中国の言いがかりであり「虐めである」などと、政府関係者が言えば言うほど、無能であることを言いふらしているだけである。
 この状態を回避する方法は、防衛三文書を改定するか、アメリカ政府の様に政府高官が謝罪に出かける以外に方法はない。
以上(寄稿:近藤雄三)


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PFAS汚染は首都を直撃する!? ―首都を守ることもできない自由民主党政権に国防を語る資格はないー

2023-09-22 | 小日向白朗学会 情報
 PFAS汚染について『深刻化するPFASが解決できないのは自由民主党が国家主権を売渡しているから』(クリックで遷移)で既に述べたことであるが、使用した東京新聞記事「PFAS汚染、米軍横田基地東側で深刻 大規模血液調査でわかった 焦点は「基地立ち入り」と「健康影響調査」の中に、さらに重要な事項があることから補足しておくことにする。
『……
調査から分かったのは、PFASの血中濃度上昇に水道水が関与している可能性が高いことだ。
 都水道局によると、2005年から水道水源の井戸から高濃度のPFASが検出されており、19年以降に7市の40カ所の井戸で取水を停止した。井戸の位置はいずれも横田基地の東側。多摩地域の地下水は西側から東側に流れているとされることから、汚染源の「容疑者」が横田基地だった。
 横田基地は12年に約3000リットルに上る大規模なPFASを含む泡消火剤の漏出したことを認めており、容疑は強まる。「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」事務局の渋谷直さんは「最大のポイントは横田基地への立ち入り調査だ」と語り、国や都に対応を求めていく方針だ
……』
 横田基地を起点とするPFAS汚染は『多摩地域の地下水は西側から東側に流れ』て、小平市、府中市そして調布市に到達しているというのだ。その先にあるのは、練馬区であり、世田谷区となる。日本の首都、それも23区に向けてPFAS汚染が拡散しているのだ。
 この事態に、日本政府は、横田基地を使用停止にすることはもとより、立ち入り検査すらできずに、首都圏に汚染が拡散するに任せているのだ。これほどに幼稚な政権が、日本の安全保障などできるわけはない。
 少なくとも主権国家ならば、首都の安全と安心を確保するのは当たり前の話である。それを、自由民主党政権は、いまだ呑気に、補正予算をばらまくことで国民を誤魔化して、防衛利権のさらなる獲得に血眼となっている。加えて、自由民主党の売国政策に、しっぽを振り群がっている国民民主党と日本維新の会は、ハイエナといわれても致し方ないであろう。悔しければ「小異を捨てて大同につく」自由民主党打倒に加わる以外に政党として存続する資格はない。
自由民主党は、国民を愚弄するのもいい加減にして、速やかに大政奉還すべきである。
出所:東京新聞「PFAS汚染、米軍横田基地東側で深刻 大規模血液調査でわかった 焦点は「基地立ち入り」と「健康影響調査」」
以上(寄稿:近藤雄三)

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深刻化するPFASが解決できないのは自由民主党が国家主権を売渡しているから

2023-09-22 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月22日、東京新聞は『PFAS汚染、米軍横田基地東側で深刻 大規模血液調査でわかった 焦点は「基地立ち入り」と「健康影響調査」』を配信した。
『……
東京・多摩地域の住民を対象に昨年11月から開始されたPFAS(ピーファス)濃度を調べる大規模な血液検査は21日の報告で全容がまとまった。791人分の検査で明らかになったのは、多摩地域で汚染が広がり、特に米軍横田基地(東京都福生市など)の地下水の下流域とされる東側の自治体で深刻だったことだ。識者は「行政は市民団体の血液検査を活用し、健康被害調査を実施するべきだ」と指摘する。(松島京太)
◆血中濃度と水道水の関係は
 「横田基地から東側の地下水の汚染度が高い地域に、PFAS血中濃度が高い住民が集中していると言える」。会見にオンラインで出席した京都大の原田浩二准教授が、血中濃度が高かった地域を色分けした地図を示しながら説明した。
 調査から分かったのは、PFASの血中濃度上昇に水道水が関与している可能性が高いことだ。
 都水道局によると、2005年から水道水源の井戸から高濃度のPFASが検出されており、19年以降に7市の40カ所の井戸で取水を停止した。井戸の位置はいずれも横田基地の東側。多摩地域の地下水は西側から東側に流れているとされることから、汚染源の「容疑者」が横田基地だった。
 横田基地は12年に約3000リットルに上る大規模なPFASを含む泡消火剤の漏出したことを認めており、容疑は強まる。「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」事務局の渋谷直さんは「最大のポイントは横田基地への立ち入り調査だ」と語り、国や都に対応を求めていく方針だ
……』
 東京新聞は、PFAS問題が深刻化していて、その原因が横田基地にあることを報告した記事である。PFAS問題がここまで深刻化しているのは、ずばり、自由民主党が日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)を昭和27(1952)年)2月28日に締結した「行政協定(日米地位協定)」と昭和29(1954)年2月19日に締結した「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」をアメリカと締結することで売渡してきたからである。その見返りとして自由民主党が受け取ったものは、長期政権と外交・安全保障利権なのである。
 したがって、いまだ自由民主党は下野する心算はないことから、自由民主党が政権を握っている限りPFAS問題を根本的に解決する方法はない。つまり自由民主党は、国民が健康で平和に暮らすことを拒否していると言っても過言ではない。これに付いては「アメリカ・宇宙軍は自由民主党が売払った「電波権」が前提」(クリックで遷移)でも述べてきた。
 さらに、自民党政権は抜本的な政策策定能力がないため、補正予算と称して、現金で国民の不満を和らげる何ら有効な政策を持たない。その表れが2023年9月21日、毎日新聞「10月中に経済対策まとめ補正予算提出」 物価高対応で首相表明」から岸田首相の真意を見抜くことができる。
『……
岸田文雄首相は20日(日本時間21日)、訪問先の米ニューヨークで記者会見し、物価高騰に伴う経済対策について10月中をめどにとりまとめた上で「対策に必要な予算の裏付けとなる補正予算を、その後適切な時期に国会に提出する」と表明した。
 また、来週前半に示す経済対策の柱立ての内容については、急激な物価高の対応▽賃上げと投資拡大の流れの強化▽人口減少を乗り越える社会変革▽国民の安全・安心――などを提示する考えを示した。【ニューヨーク川口峻】
……』 
 自由民主党は、もちろん下野する心算もないし、国民が健康で平和に暮らすことにも全く関心がないのである。岸田首相の頭の中にあるのは、莫大な防衛利権を確実なものとするために早期に恒久財源を大増税で確保することと、それに向けた国会対策だけなのである。これに付いては「内閣改造をおこなった自由民主党がこれから始める増税と田舎芝居」(クリックで遷移)でも述べたことである。
 日本国民は、ここまで自由民主党に馬鹿にされているのだ。
 日本国民が健康で平和に暮らすには、自由民主党を早期に下野させる以外にない。以上(寄稿:近藤雄三)

 
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台湾有事にアメリカ軍は参戦しない!?   -どうする自由民主党!-

2023-09-21 | 小日向白朗学会 情報
 2023年9月21日、朝日新聞デジタルは「エマニュエル駐日大使、中国挑発しすぎ? 本国が自粛要請 米報道」を配信した。
『……
 米国のエマニュエル駐日大使が、SNSで中国の習近平(シーチンピン)国家主席らを挑発するような投稿を繰り返していることについて、バイデン大統領の側近らが「米中関係改善に向けた動きを損なう」と、中止を求めたことが明らかになった。米NBCが20日、3人の当局者の話として報じた。
 エマニュエル氏は「X(旧ツイッター)」に積極的に投稿している。今月7日には、中国の外相や国防相がこの数カ月間に相次いで消息不明になったことについて、「習政権の閣僚陣は、今やアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のよう」と皮肉を込めて投稿。また、14日には、国防相の不在について、シェークスピアのハムレットの一節を引用して「何かが怪しい」と訴えた。
 バイデン政権は11月に米中首脳会談を米国で実施することを目指し、米中間の緊張緩和を図っている。16、17両日には、サリバン大統領補佐官が地中海の島国マルタで、中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相らと12時間にわたって会談し、歩み寄りを探ったばかりだ。
エマニュエル氏報道官「報道は真実ではない」と反論
 NBCによると、中国政府はエマニュエル氏の投稿に激怒しており、米国家安全保障会議(NSC)の複数の当局者は、投稿が関係修復の努力を損なうとみて、中止を求めたという。バイデン政権の当局者の一人は「東アジア地域での米国の取り組みに反している」とエマニュエル氏を批判した。一方、同氏の報道官はNBCの報道を「まったく真実ではない」と否定している。(ワシントン=望月洋嗣)
……』
 この問題の本質につては「自由民主党外交政策が大失策となった原因」で既に述べたとおりである。つまり、これまでアメリカはキッシンジャーが纏めた「一つの中国」政策を堅持してきた。ところが、ペロシ元下院議長がウクライナ戦争のドサクサに紛れて台湾有事を言い出して「一つの中国」政策を見直した。これに併せて自由民主党は「防衛三文書」で台湾有事と尖閣問題を結び付け反中国とすることで、莫大な予算の獲得に成功した。
 ところが、当のアメリカは、中国の強い不満に対してブリンケン国務長官が訪中して、中国敵視政策を是正することを約束した。その保障として「一つの中国政策」を立案したキッシンジャーも訪中して政策転換したことを確約した。これでアメリカの中国政策は「一つの中国」政策に回帰することとなった。つまり、アメリカは、台湾有事に中国とは戦争をしないと確約したことになる。
ここで問題は、日本政府である。
 日本政府は、昨年末から反中国を旗印に進めた防衛政策の大前提が崩れてしまった。この事実を、自由民主党は、国民に公表することはできないまま今日に至っている。このままでは自由民主党政権が崩壊する可能性が急浮上してきた、ということを熟知しているのが、日本政府の監督官アメリカ大使であった。アメリカ大使は、この自由民主党の窮地を救うため、アメリカ政府は依然として反中国政策を継続しているというプロパガンダを実施した。それが「X(旧ツイッター)」に投稿することであった。ところが、この駐日大使の投稿を監視していた米国家安全保障会議(NSC)は、このような反中国の言動をやめるように言明したのだ。
 このNSCの行動からも解かる通り、現在のアメリカ政府は「一つの中国」政策が大前提で外交が進められているということでもある。

 どうする自由民主党!
 もはや、これまで通りに国民を騙し続けることは不可能になってきている!
以上(寄稿:近藤雄三)


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