小日向白朗学会 HP準備室BLOG

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 「中国、北朝鮮、ロシアは敵国ではありません」・・・・

2024-06-30 | 小日向白朗学会 情報
 Brics Newsは、Xで2024年6月29日に次のようなメッセージを発信している。『Donald Trump says China,Russia and North Korea will not be enemies if elected President.』
 ここで指摘された3つの国、中国、ロシア、北朝鮮であるが、いつか聞いた国々であることに違和感を覚えたかたもいらっしゃるだろうか。そう、2022年末に閣議決定された防衛三文書である。三文書の一つ、国家防衛戦略の中の「戦略環境の変化」のタイトルの中にはっきりと明記されているのを再確認してみる。小見出し「我が国周辺国等の軍事動向」の中で●中国、●北朝鮮、●ロシア‥の3国をはっきりと記載して、例えば中国に関しては「‥‥これまでにない戦略的挑戦」、北朝鮮については「‥‥従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」、ロシアに対しては「我が国を含むインド太平洋地域において、中国との戦略的な連携と相まって防衛上の強い懸念」・・・・と記載し、明確に仮想敵国としていることが読み取れる。
 近未来の時点でプレジデントとなった暁のトランプ氏は、この3国は「敵ではない」とするわけだ。そう、北朝鮮とのデタントに動いた歴史的な瞬間、あの南北朝鮮国境を徒歩でまたいだ映像を思い出す方もいるかもしれない。要は、朝鮮戦争がはっきりと終焉し、朝鮮国連軍の撤退がはっきりしてくるであろうことが、さらに、当然日米地位協定はレゾンデートルを失い破棄されるであろうということも読み取れる。
 中国にしても今から52年も前になるが、キッシンジャー大活躍で実現した上海コミュニケ(実は、わが小日向白朗がNSC=キッシンジャーに請われて陰で動いて実現したものだが)のなかではっきりと「ひとつの中国」が明言されているだけでなく、昨年には老体に鞭打って99歳のキッシンジャーが訪中、ブリンケンまで出かけて中国とone china policy を再確認していたこともあるので当然であるが、この当たり前の方針を継承する、とトランプ氏は言っているのである。つまり、好戦派民主党の面々の中にはごちゃごちゃ言う台湾ロビーもいる中で、中国は敵ではないと明言しているのである。さらに言えば台湾有事は幻想だと言っているのである。
 浅学にしてロシアには疎いが、核バランス回復の方向でトップ間折衝にまでいくことはあったとしても、米国がロシアに宣戦布告することはあり得ない。換言すれば、Brics News の情報は「当たり前」の再確認といったものと言える。
 日米軍事同盟は継続してもいいだろうけれど、地位協定の破棄(非更新)で、わが国の主権、中でも国防権が回復すれば、米国が日本の領土内に軍事基地を置く根拠が失せるので、当然ロシアは北方返還に動くはずである。余談ながらプーチン氏は本当は返還したくて仕方がないのではないかと、私は思っている。
 ‥‥わが国では戦後続いてきた自民党政権がその依って立つ根拠(売国利権)を喪失してしまうであろうし、米国ではソ連崩壊後に何を勘違いしたのか「世界はわがもの」と世界中に火種をまき散らしてきた好戦派、例えば、ウォルフォウィッツ・ドクトリン を捨てきれないネオコンたちの動きも風前の灯火といったところとなるであろう。
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わが国と米国の選挙を目前にして激動しているように見える世界の動向であるが、まさかの蜃気楼にはならないであろうことを願うばかりである。そういえば、フランスもイギリスも大転換直前の様相をしている。(文責:吉田)
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